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アルプラゾラム王国編
私の未来は
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それからのアルプラゾラム王国での日々はあっという間に過ぎた。留学期間ももうすぐ終わる。
ノルバスク家の呪いが解けたせいで、誰もわたしをミランダと思わなくなった。ただの間借りをしている留学生として接してくれるのでうれしい。
100年前のことを知っているのはクリス様、ミッシェル殿下、そして私。でも私の記憶は薄れつつある。
私は来季からはノルスバン国、フェノバール魔法医療学校に行く予定だ。3年間がっつり学ぶ。卒業したらもう売れ残りの年齢だ。魔法医師になるつもりなので結婚などどうでもいい。
レミニール王国の実家から、縁談の打診があったが断ったと知らせがきた。
「お前はまだやりたい事がいっぱいある。それに貴族の夫人として家を切り盛りするより、お前は職業婦人の方が向いていると思う。仕事をしてもいいという相手がいれば結婚するればいい」
父は笑っていた。
私に縁談を申し込んできたのはモーバー公爵家の嫡男のリーンハルト卿だという。
そんな人と結婚したら次期筆頭公爵夫人、次期宰相夫人、むりむりむりむり。私は魔法医師になり、あちこち、私を必要としてくれる人がいるところへ飛び回ろうと思っている。
「それにしてもミオリアはリーンと面識があったの?」
久しぶりに会ったディアナは不思議そうな顔をしている。今日は用事でレミニール王国に戻っていたので、ディアナとお茶を飲んでいる。
「夜会なんかで挨拶する程度かしら? ちゃんとお話ししたことわないわ。今、アルプラゾラム王国で下宿させてもらっているノルバスク侯爵家がモーバー夫人の実家だから、そのご縁かしら? リーンハルト卿の弟のマクシミリアン様もノルバスク侯爵家に下宿していて時々顔を合わすと挨拶くらいはするわ」
「その縁かもね。ミオリアのお母様とアルプラゾラム王国の王妃殿下はお友達でしょ? 王妃殿下はリーンのお母様の姉だから、そのルートもあるわね」
「なるほど、でも、私じゃなくてディアナが結婚というのもありだったんじゃない?」
「勘弁してよ。私はあんなのとは結婚なんかしないわ」
ディアナはリーンハルト・モーバーと親戚だった。
「家柄は良いのに、なんで今まで婚約者がいなかったのかしら?」
「王太子の婚約者が決まるまで、側近は決められなかったんじゃない?」
そうなのか。側近も大変だな。
王太子は侯爵家の令嬢と半年くらい前に結婚した。ディアナの話では、とても仲がいいらしい。王太子も王太子妃も同学年だか、あまり接点はなかった。ディアナは公爵令嬢だし、親戚だから結婚式に参列したそうだ。
「そうそう、あの時リーンからミオリアのことを聞かれたわ『結婚の打診をしたが断られた。君はリスミー嬢と友達だろう? 彼女はどんな子なんだ』って。あんたとは合わないわねって言っておいたわ」
合わないのか。合わないだろうな。
ディアナは話を続ける。
「あの男は女は男に守られていればいいって考え方だから、私達みたいに自分で道を切り開きたいタイプには足枷になるわ。いらない、いらない」
ふふふと笑う。
そうね。足枷になるような人と結婚したくない。
私は結婚するなら愛し愛される相手と結婚したい。
「ノルスバン国の魔法医療学校で素敵な人と巡り会えるんじゃない?」
「そうならうれしいわ。同じ方向を向いている人ならいいかもしれないわね」
ノルスバン国では、ミディア様の屋敷に居候させてもらうことになっている。アルプラゾラム王では恋や愛より、目一杯学んだ。とにかくしっかり力をつけたかった。
ここでかなりの国家資格をとった。
留学していた魔法学校も飛び級で終了した。
いよいよ、ノルスバン国に出発する。これからの3年は私にとって必ず転機になる。
どんな日々を過ごすのだろう。ワクワクが止まらない。
「ディアナ、ノルスバン国に遊びにきてね。ミディア様を紹介するわ。フェノバール領は面白いわ。ミッシェル殿下が移住したいというのもよくわかる。
「行く、行く。絶対行くわ」
私も早く行きたくてうずうずしている。
どうか神様、これから先は楽しい人生でありますように。
私は紅茶を一口飲んで焼き菓子を頬張った。
〈了〉
*ミオリアのお話はこれにて終了です。これからミオリアはフェノバールでどんな日々を過ごすのでしょうね。そしてどんな未来が待っているのか。
また、未来でリーンハルトとどうにかなるか? 皆様のご想像にお任せいたします。
途中でお休みしてしまったり、力及ばすタイトルを変更する事になってしまったのが心残りですが、なんとか完結できました。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
ノルバスク家の呪いが解けたせいで、誰もわたしをミランダと思わなくなった。ただの間借りをしている留学生として接してくれるのでうれしい。
100年前のことを知っているのはクリス様、ミッシェル殿下、そして私。でも私の記憶は薄れつつある。
私は来季からはノルスバン国、フェノバール魔法医療学校に行く予定だ。3年間がっつり学ぶ。卒業したらもう売れ残りの年齢だ。魔法医師になるつもりなので結婚などどうでもいい。
レミニール王国の実家から、縁談の打診があったが断ったと知らせがきた。
「お前はまだやりたい事がいっぱいある。それに貴族の夫人として家を切り盛りするより、お前は職業婦人の方が向いていると思う。仕事をしてもいいという相手がいれば結婚するればいい」
父は笑っていた。
私に縁談を申し込んできたのはモーバー公爵家の嫡男のリーンハルト卿だという。
そんな人と結婚したら次期筆頭公爵夫人、次期宰相夫人、むりむりむりむり。私は魔法医師になり、あちこち、私を必要としてくれる人がいるところへ飛び回ろうと思っている。
「それにしてもミオリアはリーンと面識があったの?」
久しぶりに会ったディアナは不思議そうな顔をしている。今日は用事でレミニール王国に戻っていたので、ディアナとお茶を飲んでいる。
「夜会なんかで挨拶する程度かしら? ちゃんとお話ししたことわないわ。今、アルプラゾラム王国で下宿させてもらっているノルバスク侯爵家がモーバー夫人の実家だから、そのご縁かしら? リーンハルト卿の弟のマクシミリアン様もノルバスク侯爵家に下宿していて時々顔を合わすと挨拶くらいはするわ」
「その縁かもね。ミオリアのお母様とアルプラゾラム王国の王妃殿下はお友達でしょ? 王妃殿下はリーンのお母様の姉だから、そのルートもあるわね」
「なるほど、でも、私じゃなくてディアナが結婚というのもありだったんじゃない?」
「勘弁してよ。私はあんなのとは結婚なんかしないわ」
ディアナはリーンハルト・モーバーと親戚だった。
「家柄は良いのに、なんで今まで婚約者がいなかったのかしら?」
「王太子の婚約者が決まるまで、側近は決められなかったんじゃない?」
そうなのか。側近も大変だな。
王太子は侯爵家の令嬢と半年くらい前に結婚した。ディアナの話では、とても仲がいいらしい。王太子も王太子妃も同学年だか、あまり接点はなかった。ディアナは公爵令嬢だし、親戚だから結婚式に参列したそうだ。
「そうそう、あの時リーンからミオリアのことを聞かれたわ『結婚の打診をしたが断られた。君はリスミー嬢と友達だろう? 彼女はどんな子なんだ』って。あんたとは合わないわねって言っておいたわ」
合わないのか。合わないだろうな。
ディアナは話を続ける。
「あの男は女は男に守られていればいいって考え方だから、私達みたいに自分で道を切り開きたいタイプには足枷になるわ。いらない、いらない」
ふふふと笑う。
そうね。足枷になるような人と結婚したくない。
私は結婚するなら愛し愛される相手と結婚したい。
「ノルスバン国の魔法医療学校で素敵な人と巡り会えるんじゃない?」
「そうならうれしいわ。同じ方向を向いている人ならいいかもしれないわね」
ノルスバン国では、ミディア様の屋敷に居候させてもらうことになっている。アルプラゾラム王では恋や愛より、目一杯学んだ。とにかくしっかり力をつけたかった。
ここでかなりの国家資格をとった。
留学していた魔法学校も飛び級で終了した。
いよいよ、ノルスバン国に出発する。これからの3年は私にとって必ず転機になる。
どんな日々を過ごすのだろう。ワクワクが止まらない。
「ディアナ、ノルスバン国に遊びにきてね。ミディア様を紹介するわ。フェノバール領は面白いわ。ミッシェル殿下が移住したいというのもよくわかる。
「行く、行く。絶対行くわ」
私も早く行きたくてうずうずしている。
どうか神様、これから先は楽しい人生でありますように。
私は紅茶を一口飲んで焼き菓子を頬張った。
〈了〉
*ミオリアのお話はこれにて終了です。これからミオリアはフェノバールでどんな日々を過ごすのでしょうね。そしてどんな未来が待っているのか。
また、未来でリーンハルトとどうにかなるか? 皆様のご想像にお任せいたします。
途中でお休みしてしまったり、力及ばすタイトルを変更する事になってしまったのが心残りですが、なんとか完結できました。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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