【完結】冤罪で殺された王太子の婚約者は100年後に生まれ変わりました。今世では愛し愛される相手を見つけたいと思っています。

金峯蓮華

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アルプラゾラム王国編

ミッシェル殿下から色々聞きました

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「ミオリア、義姉上が言っていたように息子達との婚姻を考えてみてはどうだい?」

 転移魔法でノルバスク家に戻ってきた私とミッシェル殿下はサロンでお茶を飲んでいるのだが、殿下は私をからかってけらけらと笑っている。

「もうからかわないでくださいませ。この国には勉強をしに来たのですよ」

「そうか。でも義姉上もクリスもミオリアを取り込みたいみたいだよ」

 クリス様?

「驚いた顔をしているね。ミオリアは100年前に冤罪で殺されたノルバスク家の令嬢の生まれ変わりなんだろ? クリスもクリスの姉上達も君をノルバスク家に戻したいようだよ」

 ちょっと待ってよ。またミランダなの?

「私はミオリアなんです。ミランダではないのです。ミランダの記憶はもうほとんどありません。なぜみんな100年も前のことに囚われているのですか?」

 私はミオリアなんだ。ミオリアとして生きたいのに。

「遺言らしいよ」

「遺言?」

「うん。クリスから聞いたんだけど、ミランダ嬢の生まれ変わりが現れたらミランダ嬢の分もみんなで幸せにしてほしいって最初の当主からずっと100年間言い伝えられているらしい」

 なんでよ。お父様とブラッドリー兄様ね。ふたりとも執念深いわね。まぁそれだけ無念だったのだろうけど。

「なぜ生まれ変わるのを知っていたのですかね?」

「ああ。初代の当主や夫人、使用人達がみんなで神に祈っていたようだ。可哀想なお嬢様を生まれ変わらせて幸せするのが自分達の勤めだとね」

 えらいところに来てしまった。ミランダと離れるどころか、がっつりミランダ祭りじゃないの。

「義姉上はさ、ノルバスク家の長女だし、きっと100年前の誰かの生まれ変わりなんだろう。ずっと可愛がっていた親友の娘がミランダ嬢の生まれ変わりだとわかり、自分の息子と結婚させて、100年前に叶わなかった王妃にしたいんじゃないかな」

 いやいや、そんなの困る。

「私は王妃になりなくないです」

 ミッシェル殿下はふふふと笑う。

「アルプラゾラム王国の王妃は他の国の王妃とはちょっと違うんだ。面白いし、やりがいもあるよ。ミオリア、もう腹を括って王家に嫁いじゃえば? あぁ~、リーンハルトが邪魔するかな?」

 殿下、そんなに爆笑しないでよ。

「まぁ、1年は辛抱して、ミランダに関わる人達を満足させるしかないね。その後ノルスバン国に留学したらどうかな? ノルスバン国は私のオススメだよ。あの国にいるフェノバール公爵夫人がめちゃくちゃ面白いんだ。今度こっそり紹介するよ。転移魔法で会いに行こう。これはクリスにも義姉上にも内緒だよ」

 ミッシェル様はウインクをする。

 ノルスバン国のフェノバール公爵夫人?

 どんな人なんだろう?

 気になってきたわ。
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