【完結】冤罪で殺された王太子の婚約者は100年後に生まれ変わりました。今世では愛し愛される相手を見つけたいと思っています。

金峯蓮華

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アルプラゾラム王国編

王妃様のお茶会

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 王宮に到着すると、すぐに王妃様のサロンに案内された。

「今日はお茶会なんだから緊張しなくても大丈夫だよ。義姉上はミオリアが来るのを首を長くして待っていたんだからね」

 ミッシェル殿下はクスクスと笑う。

 でも緊張するわよ。だって大国の王妃様よ。

 私は顔は笑っているが足はがくがくしている。

 扉が開いた。

「ミオリアちゃ~ん! 待ってたわ~。よくきてくれたわね」

 私に抱きついた。

 ん? 王妃様?

 え~! 

「ソフィアおばさま? まさかソフィアおばさまなの?」

「そうよ。何言ってるの?」

「え~! ソフィアおばさまが王妃様なの?」

 ソフィアおばさまは母の親友だ。

 アルプラゾラム王国の魔法学校に母が留学している時の同級生。おばさまの子供は男の子ばかりだからと転移魔法でよくうちに遊びにきては私を可愛がってくれていた。

 今回のアルプラゾラム王国への留学もすごく喜んでくれ、おばさまのおうちから学校に通えばいいと言ってくれたのだが、もうノルバスク家から通うことが決まっていたし、ミランダの生家がどんなか気になっていたこともあり、私はノルバスク家を選んだのだ。

 おばさまのお家を選ばなくて良かったと心の底から思った。

「おばさまが王妃様だったなんて、今までのご無礼をお許し下さい」

「あらあら、ご無礼なんていいのよ。ミオリアちゃんは親友の娘で私の娘も同然なのよ」

「義姉上はミオリアに本当の娘になって欲しいのでしょう?」

 ミッシェル殿下が口を挟んできた。

 本当の娘?

「リーンハルトが聞いたら怒るだろうね」

 ミッシェル殿下は楽しそうに笑っている。

「リーンハルトはいいのよ。さぁ、掛けて。ミオリアちゃんのために美味しいスイーツ用意したの」

 ソフィアおばさまはいつもと同じようににこにこ顔でスイーツをすすめる。

「私の授業は来週からね。主に結界を張ったり、悪意を跳ね返したりする魔法を教えるわね」

 そんな魔法いる? 私が結界を張ったりすることってあるかしら?

「王妃様、私に必要でしょうか?」

「王妃様なんて水臭いわ。今までどおりソフィアおばさまと呼んでちょうだい。結界を張ったり悪意を跳ね返したりする魔法は光属性や聖属性の魔法なの。戦が起こった時に敵国が入ってこれないように結界を張るのも私達の仕事なのよ」

「戦が起こるのですか?」

 私は不安になり聞いてみた。

「今は大丈夫よ。レミニール王国のおかげでガランタミン国を制圧できたしね。ミオリアちゃん達のお手柄ね」

 いや、お手柄なんて言われてもなぁ。

 ソフィアおばさまは急に私の手を握った

「ねぇ、ミオリアちゃん、うちの息子と結婚しない?  20歳、18歳、14歳3人いるの」

「義姉上、ミオリアが驚いて固まってますよ。無理強いはだめです」

 ミッシェル殿下が助け舟を出してくれた。

「でも恋に落ちるかもしれないじゃない? ミッシェルも協力してよ」

 いやいや、協力もなにも。

 ソフィアおばさまの息子って言えば王子様でしょう? ないわ~。

「今日はみんないないけど、そのうち紹介するわね」

 おばさまは嬉しそうに微笑む。

 なんだか面倒なことに巻き込まれたような気がしてきたわ。


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