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あいつら絶対許さない(プリシラ視点)
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「プリシラ、早くしろ。出立するぞ」
父は上機嫌である。
私達は今からアルプラゾラム王国に旅立つ。
アルプラゾラム王国はこのレミニール王国から遠く5日くらいかかる。
転移魔法が使えれば一瞬なのだが、私も父も魔法が使えない。
王太子殿下に頼んだら、私達が来るまでに王宮に私達の部屋を作って待っているから馬車で来て欲しいと言われた。『会えない時間が愛育てるんだよ』なんて詩人だわ。
ベアトリーチェ王妹殿下は一足先に戻り私達を迎える準備をしているそうだ。
使用人はあちらで用意してくれているということで誰も連れて行かず私達はふたりで馬車に揺られている。
父とふたりアルプラゾラムに王国に行ったらどんな生活になるんだろうとワクワクしながら、夜に国境に着いた。
やっと国を出る。
「待たれよ。元ペルマックス侯爵とご令嬢のプリシラ嬢であるな」
「そうだが何か? われわれは急いでいるのだ」
父が騎士に文句を言っている。早くアルプラゾラム王国に行きたいの。邪魔しないでよ。
「ふたりをこの国から出すわけにはいかん。ふたりにはとある容疑がかかっている」
容疑?
「何を言っているんだ。私達はアルプラゾラム王国の王太子殿下とベアトリーチェ王妹殿下に呼ばれてアルプラゾラム王国に行くのだ。邪魔だては無用だ」
「では、アルプラゾラム王国に伝書バードを飛ばして確認してみるがアルプラゾラム王国の王族がお前達のような者達を呼ぶわけがないがな」
騎士はバカにしたように笑っている。腹が立つわ。こんなやつ殿下に言って死罪にしてもらうわ。
しばらくして騎士の元に伝書バードが現れた。
騎士は手紙を受け取り読んでいる。
「王太子殿下はそんな者は知らぬと書いてある。ベアトリーチェなどという王妹殿下はおらぬとの返答だ」
ん? 何言ってるの? 意味がわからないわ。
「何を言っているんだ。そんなわけがない。それを見せろ!」
父が騎士からその手紙をひったくると、その手紙には間違いなく王家の印が押してあった。
「さぁ、来い!」
「ちょっと待ってよ! 何するのよ!」
私達は縄で縛られた。これではまるで罪人じゃないの!
叫んだらうるさいと猿ぐつわをされた。
私達は転移魔法で王都に戻され、牢に入れられた。
「ここを出してよ! 私を誰だと思っているの! 私はプリシラ・ペルマックス侯爵令嬢でアルプラゾラム王国の王太子の婚約者よ!」
「そうだ! 私はペルマックス侯爵だ! ここから出せ!」
全く腹が立つわ。
騎士は薄笑いを浮かべた。
「ペルマックス侯爵は女性だ。ご令嬢はいるがプリシラなんて名前じゃない。お前らはただの平民だろう」
何を言っているの?
「あっ」
父が慌てたように声を出した。
「何よ、パパ。どうかしたの?」
「離縁した。ベアトリーチェ姫が結婚するために離縁してほしいと言ったので籍を抜いたんだ」
はぁ~! 何それ?
「離縁してもパパは侯爵じゃないの?」
「あぁ。私は入婿だからな」
何それ?
「なら、男爵だ。私はセレジスト男爵家の嫡男だ!」
「あん? セレジスト男爵? 確認するからちょっと待て」
騎士は牢の前から姿を消した。
しばらくして現れた騎士は蔑んだような目で私達を見ている。
「セレジスト男爵に連絡をとったよ。確かに兄はいたが縁を切っている。その男はセレジスト男爵家とは一切何の関係もないとの事だ。残念だったな」
え? 平民なの。
まさか、私達騙されたの?
父はガランタミン国に人身売買をしていた罪。危ない薬を密輸し販売した罪で東の鉱山で40年労働する刑になった。
私は薬を使い皆を騙した罪。侯爵令嬢を誘拐し暴行し、殺害した罪にと公爵子息を殺害した罪。貴族の子息達を脅してそれに加担させた罪。他にも今まで市井で色々やらかしたことを罪に問われ最北端の修道院で死ぬまで奉仕する刑を与えられた。
なんでよ。後一歩だったのに。今回は邪魔者は始末したのよ。
なのになんでよ!
また生まれ変わって復讐してやるわ!
でも今度は誰に復讐すればいいのだろう?
ミランダもブラッドリーも殺したし、そうね。アルプラゾラム王国の王太子とベアトリーチェ王妹ね。
あいつら絶対許さないわ。
父は上機嫌である。
私達は今からアルプラゾラム王国に旅立つ。
アルプラゾラム王国はこのレミニール王国から遠く5日くらいかかる。
転移魔法が使えれば一瞬なのだが、私も父も魔法が使えない。
王太子殿下に頼んだら、私達が来るまでに王宮に私達の部屋を作って待っているから馬車で来て欲しいと言われた。『会えない時間が愛育てるんだよ』なんて詩人だわ。
ベアトリーチェ王妹殿下は一足先に戻り私達を迎える準備をしているそうだ。
使用人はあちらで用意してくれているということで誰も連れて行かず私達はふたりで馬車に揺られている。
父とふたりアルプラゾラムに王国に行ったらどんな生活になるんだろうとワクワクしながら、夜に国境に着いた。
やっと国を出る。
「待たれよ。元ペルマックス侯爵とご令嬢のプリシラ嬢であるな」
「そうだが何か? われわれは急いでいるのだ」
父が騎士に文句を言っている。早くアルプラゾラム王国に行きたいの。邪魔しないでよ。
「ふたりをこの国から出すわけにはいかん。ふたりにはとある容疑がかかっている」
容疑?
「何を言っているんだ。私達はアルプラゾラム王国の王太子殿下とベアトリーチェ王妹殿下に呼ばれてアルプラゾラム王国に行くのだ。邪魔だては無用だ」
「では、アルプラゾラム王国に伝書バードを飛ばして確認してみるがアルプラゾラム王国の王族がお前達のような者達を呼ぶわけがないがな」
騎士はバカにしたように笑っている。腹が立つわ。こんなやつ殿下に言って死罪にしてもらうわ。
しばらくして騎士の元に伝書バードが現れた。
騎士は手紙を受け取り読んでいる。
「王太子殿下はそんな者は知らぬと書いてある。ベアトリーチェなどという王妹殿下はおらぬとの返答だ」
ん? 何言ってるの? 意味がわからないわ。
「何を言っているんだ。そんなわけがない。それを見せろ!」
父が騎士からその手紙をひったくると、その手紙には間違いなく王家の印が押してあった。
「さぁ、来い!」
「ちょっと待ってよ! 何するのよ!」
私達は縄で縛られた。これではまるで罪人じゃないの!
叫んだらうるさいと猿ぐつわをされた。
私達は転移魔法で王都に戻され、牢に入れられた。
「ここを出してよ! 私を誰だと思っているの! 私はプリシラ・ペルマックス侯爵令嬢でアルプラゾラム王国の王太子の婚約者よ!」
「そうだ! 私はペルマックス侯爵だ! ここから出せ!」
全く腹が立つわ。
騎士は薄笑いを浮かべた。
「ペルマックス侯爵は女性だ。ご令嬢はいるがプリシラなんて名前じゃない。お前らはただの平民だろう」
何を言っているの?
「あっ」
父が慌てたように声を出した。
「何よ、パパ。どうかしたの?」
「離縁した。ベアトリーチェ姫が結婚するために離縁してほしいと言ったので籍を抜いたんだ」
はぁ~! 何それ?
「離縁してもパパは侯爵じゃないの?」
「あぁ。私は入婿だからな」
何それ?
「なら、男爵だ。私はセレジスト男爵家の嫡男だ!」
「あん? セレジスト男爵? 確認するからちょっと待て」
騎士は牢の前から姿を消した。
しばらくして現れた騎士は蔑んだような目で私達を見ている。
「セレジスト男爵に連絡をとったよ。確かに兄はいたが縁を切っている。その男はセレジスト男爵家とは一切何の関係もないとの事だ。残念だったな」
え? 平民なの。
まさか、私達騙されたの?
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なんでよ。後一歩だったのに。今回は邪魔者は始末したのよ。
なのになんでよ!
また生まれ変わって復讐してやるわ!
でも今度は誰に復讐すればいいのだろう?
ミランダもブラッドリーも殺したし、そうね。アルプラゾラム王国の王太子とベアトリーチェ王妹ね。
あいつら絶対許さないわ。
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