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薬の分析中

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 その薬は秘密裏に作られているようで、インタール家の影でも辿り着くのは大変だったようだ。

 影は地下にあった作業場をみつけ潜入し、材料と完成品を手に入れ、我が国に戻ってきた。
 そして手に入れた薬と薬草を母の実家に運ばれた。

「これは高揚感や多幸感が得られる草ね。こっちは幻影が見えたり、幻覚症状を見せるやつね」

 祖母は薬草を見ながら話す。

「多分、この薬には薬草をブレンドして、丸薬にしてから、魅了とまではいかないけど精神を拘束する魔法がかけられているわね。それがどんな魔法か具体的なわかると完全に封じ込めることができるわ。鑑定の魔法が使える者が必要だわね」

 なるほど、複雑に入り組んでいるのか。

「鑑定魔法を使える人を呼んでくれば良いんですね」

 祖母と母は呆れた顔をして乾いた笑いを浮かべている。

「うちの国にはいないわ。鑑定の魔法を使える人は本当に少ないの。見つかれば大抵国で保護されるわ。だって悪用されると大変だものね」

「だったら解明は無理なんですか?」

 ここまできてわからないのは悔しい。

 母の言う通りだが、誰かいないものなのだろうか?

「アルプラゾラム王国に聞いてみるわ。あの国なら鑑定魔法が使える魔導士を抱えているはずだし、貸してもらえないかしらね」

 祖母はアルプラゾラム王国の出身だ。その縁もあり、弟のカミルはアルプラゾラム王国に留学している。

 祖母はすぐにアルプラゾラム王国の親族に伝書バードを飛ばした。

 鑑定の魔法以外に私達でできる割合や分量の分析などをしようと、今ある丸薬と薬草に向き合い始めた。

 魔法で丸薬を分解していく。同じ素材ごとに集め、分量を計る。
 ひとつの丸薬内に使われている薬草と分量が大体割り出せた。

 しかし、祖母も母も首を傾げている。

「分量はわかったわね。ミオリアの魔法は使用されている分量はわかるのに、鑑定魔法とはまた違うのね」

 えっ? 分量はわかるけど、魔法の鑑定は無理よ。

「ミオリアが鑑定魔法が使えたら便利なのにね。修行してみたら?」

「そうね。アルプラゾラム王国に短期留学すればできるようになると思うわ」

 全く、ふたりは勝手なことばかり言う。でも鑑定魔法ができるようになれば、私のできることが広がるわね。ありかもしれないわ。

 そんな事を思っていたら空間が動き出した。

「あら、バードだわ。早いわね」

 祖母は目の前に突然現れた伝書バードから手紙を受け取った。

「あらまぁ」

 祖母は手紙を読んで目を丸くしている。

「カミルができるって」

「カミル?」

 カミルはアルプラゾラム王国に留学している私の弟だ。

 魔法学校に行っているのだが、鑑定魔法前からできたのかしら?

 それよりも、ここでカミルが絡んでくるということはカミルも誰かの生まれ変わり?

 もう、これ以上増えたら私の頭はこついていけないわ。
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