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私が亡くなった後のグランダキシン王国は2
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「それで敵討はしたの?」
ディアナは前のめりになりながらリーンハルト様とコンラート様の顔を見た。
コンラート様が涙を拭きながら口を開く。
「あぁ、ブラッドリー様は転移魔法が使えるようになっていたから、騎士団全員で王城に乗り込んだんだ。属国になり、国王と王妃は捕らえられたが、殿下は傀儡にされるために残されていたんだ。そしてその日は、ちょうど殿下が国王になる戴冠式の前の夜だった」
殿下は俯いて耳を押さえている。
「僕達はアルプラゾラム王国に行ってからグランダキシン王国の王家に復讐するために魔法で体力強化をしてもらい、それまで以上に剣の訓練をした。何が何でもヘンドリックとキャロライン、そしてブルフェン伯爵には天誅を加える。それだけだった」
アルプラゾラム王国は100年前から魔法に特化している国だったのね。今も魔法大国だ。我が国からも魔法を学ぶために留学する者も多い。うちの弟もアルプラゾラム王国に留学中だ。
魔法で体力を増強することができるなんて初めて知った。
コンラート様はゆっくりした口調で話を続ける。
「最初に見つけたのはブルフェン伯爵だった。周りに女性を沢山侍らせ、酒を飲んでいた。護衛騎士達はすでに片付けていたので、呆気ないほど簡単に終わった。『金ならやる。地位もやる命だけは助けて欲しい』と命乞いをしていたが、聞く耳を持つものはノルバスク家騎士団の中にはいるはずもなかった」
「当たり前ね。お金や地位なんていらないわね。私も参加したかったわ」
ディアナがつぶやく。
「次はヘンドリックとキャロラインだ。ふたりはまぐわっている最中だった『明日は戴冠式ね。国王になったらもっと贅沢させてね』『あぁ、今以上にドレスでも宝石でも買ってやる。キャロラインを世界一の王妃にしてあげるよ。キャロラインは美しい。その価値がある』なんて話していた。僕達は静かに潜んでいて、ふたりが絶頂を迎えた瞬間にブラッドリー様がふたりまとめて剣で串刺しにした。下にいたキャロラインは目を見開き驚いていたなぁ。上にいたヘンドリックは何が起こったのかわからなかったようだ。唸り声をあげていた」
「真実の愛で結ばれたふたりだもの一緒に死ねるなんていいんじゃない?」
ディアナはくすくす笑っている。
私はなんだか殿下が気の毒になってきた。今の殿下は何もしていないのに、針の筵状態だもの。
殿下ごめんなさい。
私はこっそり殿下の心に、回復魔法を送った。
「そのあと僕達はまた転移魔法でその場から消えた。魔法なんて知らないグランダキシン王国のみんなは護衛騎士を皆殺しにし、ヘンドリック、キャロライン、ブルフェン伯爵も息絶えている姿を見てどう思ったのだろう。国民の間でミランダ様の呪いだと噂になったらしいよ」
「そのあとはレミニール王国に戦を仕掛けたリーマス王国が返り討ちにされ国が滅びた。今から100年くらい前の話だ」
コンラート様の説明をリーンハルト様が締めた。
「皆さん、記憶が戻ったのはいつ頃なのですか? 私は階段から落ちた宙に待っている時に頭に記憶が流れ込んできました」
リーンハルト様は腕組みをしたまま顔を上げた。
「私も同じだ。ミミが落ちている姿を見て記憶が頭に入り込んだ。気がついたら助けていた」
コンラート様は椅子に座り、深呼吸をひとつした。
「僕は暗部の訓練をしている時。ふたりよりちょっと早いかな。でもまさか生まれ変わって、みんなとまたあえるなんてびっくりだよ」
殿下も気まずそうに口を開いた。
「私もミオリア嬢が階段から落ちている時に思い出した。本当に申し訳ない。なんだかここにいてはいけないようだ」
立ち上がり部屋を出ようとしている。リーンハルト様が肩を掴んだ。
「殿下は先程『今は記憶があると言っても別人だ。別の人間と認識してはもらえないだろうか』と言っていたではありませんか、私達は皆記憶はあるが別人です。しかし、今、皆が一斉に記憶が戻ったというのはきっと国を巻き込むような何かがあるのだと思います。国は違えど殿下はまた殿下に生まれ変わった。今度こそ間違えないで下さい」
殿下は顔を上げた。
「わかった。二度も間違いはしたくないし、お前に殺されたくないからな」
「じゃあ、みんなこれを見て!」
ディアナがテーブルの上に資料を広げた。
「暗部が調べたきな臭い話よ。今はまだくすぶっているけど、引火したら大変なの」
資料に見て驚いた。
禁忌になっている魅了魔法がまた使われている?
そしてそれにペルマックス侯爵が関わっているらしい。ということは、まさかペルマックス嬢はキャロラインの生まれ変わりなの?
もう、巻き込まれるのは嫌だわ。
ディアナは前のめりになりながらリーンハルト様とコンラート様の顔を見た。
コンラート様が涙を拭きながら口を開く。
「あぁ、ブラッドリー様は転移魔法が使えるようになっていたから、騎士団全員で王城に乗り込んだんだ。属国になり、国王と王妃は捕らえられたが、殿下は傀儡にされるために残されていたんだ。そしてその日は、ちょうど殿下が国王になる戴冠式の前の夜だった」
殿下は俯いて耳を押さえている。
「僕達はアルプラゾラム王国に行ってからグランダキシン王国の王家に復讐するために魔法で体力強化をしてもらい、それまで以上に剣の訓練をした。何が何でもヘンドリックとキャロライン、そしてブルフェン伯爵には天誅を加える。それだけだった」
アルプラゾラム王国は100年前から魔法に特化している国だったのね。今も魔法大国だ。我が国からも魔法を学ぶために留学する者も多い。うちの弟もアルプラゾラム王国に留学中だ。
魔法で体力を増強することができるなんて初めて知った。
コンラート様はゆっくりした口調で話を続ける。
「最初に見つけたのはブルフェン伯爵だった。周りに女性を沢山侍らせ、酒を飲んでいた。護衛騎士達はすでに片付けていたので、呆気ないほど簡単に終わった。『金ならやる。地位もやる命だけは助けて欲しい』と命乞いをしていたが、聞く耳を持つものはノルバスク家騎士団の中にはいるはずもなかった」
「当たり前ね。お金や地位なんていらないわね。私も参加したかったわ」
ディアナがつぶやく。
「次はヘンドリックとキャロラインだ。ふたりはまぐわっている最中だった『明日は戴冠式ね。国王になったらもっと贅沢させてね』『あぁ、今以上にドレスでも宝石でも買ってやる。キャロラインを世界一の王妃にしてあげるよ。キャロラインは美しい。その価値がある』なんて話していた。僕達は静かに潜んでいて、ふたりが絶頂を迎えた瞬間にブラッドリー様がふたりまとめて剣で串刺しにした。下にいたキャロラインは目を見開き驚いていたなぁ。上にいたヘンドリックは何が起こったのかわからなかったようだ。唸り声をあげていた」
「真実の愛で結ばれたふたりだもの一緒に死ねるなんていいんじゃない?」
ディアナはくすくす笑っている。
私はなんだか殿下が気の毒になってきた。今の殿下は何もしていないのに、針の筵状態だもの。
殿下ごめんなさい。
私はこっそり殿下の心に、回復魔法を送った。
「そのあと僕達はまた転移魔法でその場から消えた。魔法なんて知らないグランダキシン王国のみんなは護衛騎士を皆殺しにし、ヘンドリック、キャロライン、ブルフェン伯爵も息絶えている姿を見てどう思ったのだろう。国民の間でミランダ様の呪いだと噂になったらしいよ」
「そのあとはレミニール王国に戦を仕掛けたリーマス王国が返り討ちにされ国が滅びた。今から100年くらい前の話だ」
コンラート様の説明をリーンハルト様が締めた。
「皆さん、記憶が戻ったのはいつ頃なのですか? 私は階段から落ちた宙に待っている時に頭に記憶が流れ込んできました」
リーンハルト様は腕組みをしたまま顔を上げた。
「私も同じだ。ミミが落ちている姿を見て記憶が頭に入り込んだ。気がついたら助けていた」
コンラート様は椅子に座り、深呼吸をひとつした。
「僕は暗部の訓練をしている時。ふたりよりちょっと早いかな。でもまさか生まれ変わって、みんなとまたあえるなんてびっくりだよ」
殿下も気まずそうに口を開いた。
「私もミオリア嬢が階段から落ちている時に思い出した。本当に申し訳ない。なんだかここにいてはいけないようだ」
立ち上がり部屋を出ようとしている。リーンハルト様が肩を掴んだ。
「殿下は先程『今は記憶があると言っても別人だ。別の人間と認識してはもらえないだろうか』と言っていたではありませんか、私達は皆記憶はあるが別人です。しかし、今、皆が一斉に記憶が戻ったというのはきっと国を巻き込むような何かがあるのだと思います。国は違えど殿下はまた殿下に生まれ変わった。今度こそ間違えないで下さい」
殿下は顔を上げた。
「わかった。二度も間違いはしたくないし、お前に殺されたくないからな」
「じゃあ、みんなこれを見て!」
ディアナがテーブルの上に資料を広げた。
「暗部が調べたきな臭い話よ。今はまだくすぶっているけど、引火したら大変なの」
資料に見て驚いた。
禁忌になっている魅了魔法がまた使われている?
そしてそれにペルマックス侯爵が関わっているらしい。ということは、まさかペルマックス嬢はキャロラインの生まれ変わりなの?
もう、巻き込まれるのは嫌だわ。
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