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25 ざまぁにはざまぁをぶつけるための要員よ

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「私のことをエイミアお嬢様と呼ぶことはできるかしら?」
「そんなの嫌よ! 」
「そう、じゃあさようなら」

 そんなやり取りをした次の日にニーナから助けてください、お願いしますエイミアお嬢様! と伝言が届いた。

「正気なのかい? エイミア。あのニーナを引き取るというのは? 私は反対だよ、君が優しいのは知っているけれどこれはやり過ぎだ」

 グウェイン様に少し叱られてしまったけれど、私は首を横に振る。

「大丈夫です、お任せ下さい」
「エイミアッ!」

 そしてまた私はお城の牢の前に立っている。中にいるのはニーナで、かなりやつれて汚い恰好になってしまっている。

「エイミアッ!私を笑いに来たの」
「私はそんなに暇じゃないわよ。あの伝言は本心じゃなかったのね、流石にもう来ないわ。グウェイン様にやはりダメでしたとお伝えするしかないわね」
「お、王子様に助けてもらえる……?私」
「ある意味助けてもらえるけれど、ある意味って言葉の意味分かるかしら?」
「意味……?そのまんまじゃないの?」

 ニーナは一体どういう教育をされてきたんだろう。

「あなたはここから出してもらえる」
「やった!」
「そして罪人として裁かれる」
「え……?」
「王太子殺害未遂の犯人として……サヨウナラね」
「う、うそ!嘘よ!!だって殺人未遂なんて、死刑になる訳ないじゃない!」
「なるわよ。王族を狙ったんですもの。その場で斬り殺されるのが普通よ」
「ひ……うそ、うそお……」

 その場にペタンと腰を抜かすけれどそれくらい分かるでしょうに。

「あなた、学園に入る前におかしくなったと聞いているけれど、その前の勉強で学ばなかったの?王族に手を挙げるものは無事では済まされないのは、平民だって知っていることよ」
「え……あ」

 そう、このニーナは学園に入るちょっと前に前世の記憶がよみがえりはっちゃけてしまったヒドイン。その前に少しは勉強していたでしょう?

「あなたのしたことは、許されることかしら?」
「ひ……あ……も、申し訳、ご、ございません……でした」

 今まで生かしてもらっていたことが奇跡だって分かったみたいね。

「分かったなら良かったわ。じゃあこれで」
「お、お助け下さい!エイミアお嬢様!お願いでございます!!」

 分かったみたいね、本当に。

「じゃあまず、あなたの話を聞かせて貰おうかしら?」
「はいっ!」

 ニーナは本当に素直に話をしてくれた。前の世界で会社員が落としたゲーム機を拾ったこと、そこに入っていたゲームを作るゲームをやったこと。最初に作ったゲームを消して乙女ゲームみたいなものを作ろうとしたこと……。

「そ、そして作ってる途中で私、死んじゃったみたいで……チュートリアルの神様が、お前はここまでだったっていって……ゲームはそこまでしかなくて……私、私、死にたくないです……」

 聞けばこのニーナ……日本ではニナという女子高生だったらしく、私も少し同情する所もある。

「あなたのいうげーむの世界ではないということを忘れないで。あと無罪放免にはならないわ。我が家で再教育の猶予を与えます」
「エイミア様ああああ!」

 同じ日本から来たようなこの子をそのまま捨て置けなかっただけ。後もしかしたら次のざまぁの時に何かやってくれるかもしれないじゃない!?そんな打算もあったけれどもね。


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