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21 私のせいではない
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行く当てなんてなくて、結局学園に戻って来た。ちょうど午後の授業が終わったところだったようで、生徒達が下校を始めている。学園の正門の前に立つと、私の姿をみた生徒達がぐるりと踵を返して去ってゆく。きっと皆裏門から出るんだ。正門から出た方が寮も近いのに、皆、私を避けて行くんだ。
「わたし……わたしぃ……助けて、助けて王子様ぁ……」
泣きながら呟いても王子様は現れなかった。なんで? ヒロインが助けを求めたらやってきて助けてくれるのがヒーローでしょ!?どうして来ないのよ……!俯いた顔を上げて私を助けてくれそうな人を探す。
いた……ちょうど建物から出てきた……ってあれは、あいつは……!!私は全速力でそいつに向って走って行く。
「あんたの、あんたのせいだあああ!!」
私の声は相当大きかったみたいで、その近くにいた生徒は全員こっちを見たと思う。でもそんなの関係ない!あいつが、あの悪役令嬢が全部悪い!!
「エイミア!あんたの、全部あんたのせいだああああ!返せ、私の全部を返せ!!」
「え……?!」
「お姉様ッ!」
カリンと一緒に出て来たエイミアの前に私は立った。
「あんたのせいで、私は家も何もかも失った!アンタのせいで親友も、王子様も!あんたが、あんたがあんたが全部悪い!!あんたが責任をもって私を幸せにしろ!!お金を用意して、家を用意して、親友を用意して、王子様を用意して!!私に全部頂戴よ!」
「なぜ?」
エイミアはものすごく冷静にそう言った。
「私が貴女にしてあげる理由は何?」
「あんたのせいで私が不幸になったからよ!!」
「貴女が不幸になったのはあなた自身のせいでしょう?私のせいではないわ。自分の言動には責任を持ったほうがいいわ」
この女、ムカつく!むかつくむかつく!こいつのせいで私は不幸なのに、どうして冷静なの!?
「エイミアーーーッ!」
私は腕を振り上げた。嫌いだ!エイミアが大っ嫌いだ!
「お姉様!」
「だめっ!カリン!」
お互いに庇い合うこの姉妹も嫌い!カリンも嫌い、私の言うことを聞かないカリンなんて大嫌い!
ガッ!少し大きな音がして私は誰かを殴った。伸ばしていた爪が当たって、赤い血が流れる。
「……っ」
「あ……」
めちゃくちゃカッコいい人が目の前にいた。金髪で目が緑色で背が高い……私が想像した王子様そのものって言う凄く素敵な人が……頬から血を流して怖い目で私を見ている。
「グウェイン様っ!!」
「貴様!殿下に手を挙げるとは!!」
青い顔でエイミアとカリンが慌てている、ザマーミロ!
カッコいい人、名前はグウェイン様?殿下?ああ、やっぱり王子様なんだ!一目みたら分かったよ、王子様なんだって!
え?王子様に怪我をさせたのは、私?なんで?どうして?私がそんなことする訳ないじゃん、どうして、わたしが、そんな……ことを?
なんだか、全部スローモーションに見える。なんで?なんで王子様は私のことをあんなに怖い目でみるの?そしてなんで王子様の付き人は私のことを捕まえるの?なんで、地面に押しつけるの?やめて、痛い、やめてやめて!
「助けて、王子様!あなたは私の王子様なんでしょう?!」
「わたし……わたしぃ……助けて、助けて王子様ぁ……」
泣きながら呟いても王子様は現れなかった。なんで? ヒロインが助けを求めたらやってきて助けてくれるのがヒーローでしょ!?どうして来ないのよ……!俯いた顔を上げて私を助けてくれそうな人を探す。
いた……ちょうど建物から出てきた……ってあれは、あいつは……!!私は全速力でそいつに向って走って行く。
「あんたの、あんたのせいだあああ!!」
私の声は相当大きかったみたいで、その近くにいた生徒は全員こっちを見たと思う。でもそんなの関係ない!あいつが、あの悪役令嬢が全部悪い!!
「エイミア!あんたの、全部あんたのせいだああああ!返せ、私の全部を返せ!!」
「え……?!」
「お姉様ッ!」
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「あんたのせいで、私は家も何もかも失った!アンタのせいで親友も、王子様も!あんたが、あんたがあんたが全部悪い!!あんたが責任をもって私を幸せにしろ!!お金を用意して、家を用意して、親友を用意して、王子様を用意して!!私に全部頂戴よ!」
「なぜ?」
エイミアはものすごく冷静にそう言った。
「私が貴女にしてあげる理由は何?」
「あんたのせいで私が不幸になったからよ!!」
「貴女が不幸になったのはあなた自身のせいでしょう?私のせいではないわ。自分の言動には責任を持ったほうがいいわ」
この女、ムカつく!むかつくむかつく!こいつのせいで私は不幸なのに、どうして冷静なの!?
「エイミアーーーッ!」
私は腕を振り上げた。嫌いだ!エイミアが大っ嫌いだ!
「お姉様!」
「だめっ!カリン!」
お互いに庇い合うこの姉妹も嫌い!カリンも嫌い、私の言うことを聞かないカリンなんて大嫌い!
ガッ!少し大きな音がして私は誰かを殴った。伸ばしていた爪が当たって、赤い血が流れる。
「……っ」
「あ……」
めちゃくちゃカッコいい人が目の前にいた。金髪で目が緑色で背が高い……私が想像した王子様そのものって言う凄く素敵な人が……頬から血を流して怖い目で私を見ている。
「グウェイン様っ!!」
「貴様!殿下に手を挙げるとは!!」
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カッコいい人、名前はグウェイン様?殿下?ああ、やっぱり王子様なんだ!一目みたら分かったよ、王子様なんだって!
え?王子様に怪我をさせたのは、私?なんで?どうして?私がそんなことする訳ないじゃん、どうして、わたしが、そんな……ことを?
なんだか、全部スローモーションに見える。なんで?なんで王子様は私のことをあんなに怖い目でみるの?そしてなんで王子様の付き人は私のことを捕まえるの?なんで、地面に押しつけるの?やめて、痛い、やめてやめて!
「助けて、王子様!あなたは私の王子様なんでしょう?!」
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