19 / 26
19 え?ゲームと違うじゃない!
しおりを挟む
「我が家はニーナ、お前が怪我をさせたお嬢様二人の慰謝料のせいで破産だ!この屋敷ももう抵当に入っている」
「はあ?!怪我??あれはエイミアのせいだし!それにここがなくなったら私の学園はどうなるのよ!」
お父様はギョッとした。
「お前、手紙は見ていないのか?学園はとうの昔に退学すると書類を出した。お前なんぞにかける金は1ゴールドもないとな!」
「え……」
「寮の代金も払えん。荷物も片付け終わっていると思えば何を言っているのだ?!」
何を、何を言っているの?!私、学園に行けなくなっちゃうの??そんなの困る!学園に行かないとゲームが進まないじゃない!王子様に会えないじゃん!
「そんなの困る!」
「困っているのはこっちだ!高位貴族に怪我なんてさせて!首を飛ばされなかっただけ感謝しろ!」
首を??それって殺されるってこと??なんで、なんでちょっと学園で怪我しただけで私が殺されなきゃならないの?!
「だって、だってあれはエイミアが私を押したんだよ?私が殺されかけたんだよ?!」
「エイミア様だ!この愚か者が!」
パァン!大きな音と衝撃が走った。え?いま、私、叩かれた?私が?なんで、私が叩かれるの?!ほっぺがジンジンする。叩かれるなんて、そんな……!
「高位貴族に手を上げるとどうなるか分かっているはずだろう!ええい、もう良い!どこへなりとも消えてしまえ!」
「旦那様!離婚なんていやです、許して下さい!」
「うるさい!家を潰す娘を育ておって!それにこの借金はお前が作ったものだ!きっちり自分で払え!」
「ひいい!!」
バサバサ!と10枚近くありそうな書類をお父様はお母様に投げつける。しゃ、借金?!お母様、一体何をしたの??
「お願いです、旦那様!お願いです!」
「全部お前の贅沢品だ!ドレスだ、ダイヤだと不相応なものばかり大量に買い付けて!それを私に払え?とんでもない女め!」
ドレス?!ダイヤ?!ま、まさかあの手紙にあった買い物のこと??お父様はすがるお母様を振り払った。
「領地へ戻るしか生きる方法がない。お前達は自分の蒔いた種は自分でなんとかしろ!」
そうしてカツカツと歩いて行ってしまった。
「それでは元奥様と、元お嬢様。もし領地のお屋敷に参られましても通すなと言われておりますので悪しからず。この屋敷も近々、工事が入るそうですから、お早く立ち去って下さいませ」
メイドが頭を下げてからお父様について行ってしまった。どういう、こと、なの??私はこのゲームの主人公なのにどうしてこんなことが起こるの??
そうだ、お母様の実家に頼ろう。お母様だって貴族の娘なんでしょう??
「お母様、お母様の実家は遠いのですか?お母様の実家に……」
「わ、私の家はもうないわ。それに私は平民出だもの……今更どうしろっていうの……?」
「へ、平民……?お母様は平民なの……?」
おかしい。私、ゲームでちゃんとお母様も貴族の設定にしたはずだわ……!
「はあ?!怪我??あれはエイミアのせいだし!それにここがなくなったら私の学園はどうなるのよ!」
お父様はギョッとした。
「お前、手紙は見ていないのか?学園はとうの昔に退学すると書類を出した。お前なんぞにかける金は1ゴールドもないとな!」
「え……」
「寮の代金も払えん。荷物も片付け終わっていると思えば何を言っているのだ?!」
何を、何を言っているの?!私、学園に行けなくなっちゃうの??そんなの困る!学園に行かないとゲームが進まないじゃない!王子様に会えないじゃん!
「そんなの困る!」
「困っているのはこっちだ!高位貴族に怪我なんてさせて!首を飛ばされなかっただけ感謝しろ!」
首を??それって殺されるってこと??なんで、なんでちょっと学園で怪我しただけで私が殺されなきゃならないの?!
「だって、だってあれはエイミアが私を押したんだよ?私が殺されかけたんだよ?!」
「エイミア様だ!この愚か者が!」
パァン!大きな音と衝撃が走った。え?いま、私、叩かれた?私が?なんで、私が叩かれるの?!ほっぺがジンジンする。叩かれるなんて、そんな……!
「高位貴族に手を上げるとどうなるか分かっているはずだろう!ええい、もう良い!どこへなりとも消えてしまえ!」
「旦那様!離婚なんていやです、許して下さい!」
「うるさい!家を潰す娘を育ておって!それにこの借金はお前が作ったものだ!きっちり自分で払え!」
「ひいい!!」
バサバサ!と10枚近くありそうな書類をお父様はお母様に投げつける。しゃ、借金?!お母様、一体何をしたの??
「お願いです、旦那様!お願いです!」
「全部お前の贅沢品だ!ドレスだ、ダイヤだと不相応なものばかり大量に買い付けて!それを私に払え?とんでもない女め!」
ドレス?!ダイヤ?!ま、まさかあの手紙にあった買い物のこと??お父様はすがるお母様を振り払った。
「領地へ戻るしか生きる方法がない。お前達は自分の蒔いた種は自分でなんとかしろ!」
そうしてカツカツと歩いて行ってしまった。
「それでは元奥様と、元お嬢様。もし領地のお屋敷に参られましても通すなと言われておりますので悪しからず。この屋敷も近々、工事が入るそうですから、お早く立ち去って下さいませ」
メイドが頭を下げてからお父様について行ってしまった。どういう、こと、なの??私はこのゲームの主人公なのにどうしてこんなことが起こるの??
そうだ、お母様の実家に頼ろう。お母様だって貴族の娘なんでしょう??
「お母様、お母様の実家は遠いのですか?お母様の実家に……」
「わ、私の家はもうないわ。それに私は平民出だもの……今更どうしろっていうの……?」
「へ、平民……?お母様は平民なの……?」
おかしい。私、ゲームでちゃんとお母様も貴族の設定にしたはずだわ……!
120
お気に入りに追加
1,496
あなたにおすすめの小説
侯爵令嬢リリアンは(自称)悪役令嬢である事に気付いていないw
さこの
恋愛
「喜べリリアン! 第一王子の婚約者候補におまえが挙がったぞ!」
ある日お兄様とサロンでお茶をしていたらお父様が突撃して来た。
「良かったな! お前はフレデリック殿下のことを慕っていただろう?」
いえ! 慕っていません!
このままでは父親と意見の相違があるまま婚約者にされてしまう。
どうしようと考えて出した答えが【悪役令嬢に私はなる!】だった。
しかしリリアンは【悪役令嬢】と言う存在の解釈の仕方が……
*設定は緩いです
婚約破棄された令嬢は変人公爵に嫁がされる ~新婚生活を嘲笑いにきた? 夫がかわゆすぎて今それどころじゃないんですが!!
杓子ねこ
恋愛
侯爵令嬢テオドシーネは、王太子の婚約者として花嫁修業に励んできた。
しかしその努力が裏目に出てしまい、王太子ピエトロに浮気され、浮気相手への嫌がらせを理由に婚約破棄された挙句、変人と名高いクイア公爵のもとへ嫁がされることに。
対面した当主シエルフィリードは馬のかぶりものをして、噂どおりの奇人……と思ったら、馬の下から出てきたのは超絶美少年?
でもあなたかなり年上のはずですよね? 年下にしか見えませんが? どうして涙ぐんでるんですか?
え、王太子殿下が新婚生活を嘲笑いにきた? 公爵様がかわゆすぎていまそれどころじゃないんですが!!
恋を知らなかった生真面目令嬢がきゅんきゅんしながら引きこもり公爵を育成するお話です。
本編11話+番外編。
※「小説家になろう」でも掲載しています。
【完結】婚約破棄された公爵令嬢、やることもないので趣味に没頭した結果
バレシエ
恋愛
サンカレア公爵令嬢オリビア・サンカレアは、恋愛小説が好きなごく普通の公爵令嬢である。
そんな彼女は学院の卒業パーティーを友人のリリアナと楽しんでいた。
そこに遅れて登場したのが彼女の婚約者で、王国の第一王子レオンハルト・フォン・グランベルである。
彼のそばにはあろうことか、婚約者のオリビアを差し置いて、王子とイチャイチャする少女がいるではないか!
「今日こそはガツンといってやりますわ!」と、心強いお供を引き連れ王子を詰めるオリビア。
やりこまれてしまいそうになりながらも、優秀な援護射撃を受け、王子をたしなめることに成功したかと思ったのもつかの間、王子は起死回生の一手を打つ!
「オリビア、お前との婚約は今日限りだ! 今、この時をもって婚約を破棄させてもらう!」
「なぁッ!! なんですってぇー!!!」
あまりの出来事に昏倒するオリビア!
この事件は王国に大きな波紋を起こすことになるが、徐々に日常が回復するにつれて、オリビアは手持ち無沙汰を感じるようになる。
学園も卒業し、王妃教育も無くなってしまって、やることがなくなってしまったのだ。
そこで唯一の趣味である恋愛小説を読んで時間を潰そうとするが、なにか物足りない。
そして、ふと思いついてしまうのである。
「そうだ! わたくしも小説を書いてみようかしら!」
ここに謎の恋愛小説家オリビア~ンが爆誕した。
彼女の作品は王国全土で人気を博し、次第にオリビアを捨てた王子たちを苦しめていくのであった。
妹に全てを奪われた伯爵令嬢は遠い国で愛を知る
星名柚花
恋愛
魔法が使えない伯爵令嬢セレスティアには美しい双子の妹・イノーラがいる。
国一番の魔力を持つイノーラは我儘な暴君で、セレスティアから婚約者まで奪った。
「もう無理、もう耐えられない!!」
イノーラの結婚式に無理やり参列させられたセレスティアは逃亡を決意。
「セラ」という偽名を使い、遠く離れたロドリー王国で侍女として働き始めた。
そこでセラには唯一無二のとんでもない魔法が使えることが判明する。
猫になる魔法をかけられた女性不信のユリウス。
表情筋が死んでいるユリウスの弟ノエル。
溺愛してくる魔法使いのリュオン。
彼らと共に暮らしながら、幸せに満ちたセラの新しい日々が始まる――
※他サイトにも投稿しています。
悪役令息、拾いました~捨てられた公爵令嬢の薬屋経営~
山夜みい
恋愛
「僕が病気で苦しんでいる時に君は呑気に魔法薬の研究か。良いご身分だな、ラピス。ここに居るシルルは僕のために毎日聖水を浴びて神に祈りを捧げてくれたというのに、君にはがっかりだ。もう別れよう」
婚約者のために薬を作っていたラピスはようやく完治した婚約者に毒を盛っていた濡れ衣を着せられ、婚約破棄を告げられる。公爵家の力でどうにか断罪を回避したラピスは男に愛想を尽かし、家を出ることにした。
「もううんざり! 私、自由にさせてもらうわ」
ラピスはかねてからの夢だった薬屋を開くが、毒を盛った噂が広まったラピスの薬など誰も買おうとしない。
そんな時、彼女は店の前で倒れていた男を拾う。
それは『毒花の君』と呼ばれる、凶暴で女好きと噂のジャック・バランだった。
バラン家はラピスの生家であるツァーリ家とは犬猿の仲。
治療だけして出て行ってもらおうと思っていたのだが、ジャックはなぜか店の前に居着いてしまって……。
「お前、私の犬になりなさいよ」
「誰がなるかボケェ……おい、風呂入ったのか。服を脱ぎ散らかすな馬鹿!」
「お腹空いた。ご飯作って」
これは、私生活ダメダメだけど気が強い公爵令嬢と、
凶暴で不良の世話焼きなヤンデレ令息が二人で幸せになる話。
【 完結 】「平民上がりの庶子」と言っただなんて誰が言ったんですか?悪い冗談はやめて下さい!
しずもり
恋愛
ここはチェン王国の貴族子息子女が通う王立学園の食堂だ。確かにこの時期は夜会や学園行事など無い。でもだからってこの国の第二王子が側近候補たちと男爵令嬢を右腕にぶら下げていきなり婚約破棄を宣言しちゃいますか。そうですか。
お昼休憩って案外と短いのですけど、私、まだお昼食べていませんのよ?
突然、婚約破棄を宣言されたのはチェン王国第二王子ヴィンセントの婚約者マリア・べルージュ公爵令嬢だ。彼女はいつも一緒に行動をしているカミラ・ワトソン伯爵令嬢、グレイシー・テネート子爵令嬢、エリザベス・トルーヤ伯爵令嬢たちと昼食を取る為食堂の席に座った所だった。
そこへ現れたのが側近候補と男爵令嬢を連れた第二王子ヴィンセントでマリアを見つけるなり書類のような物をテーブルに叩きつけたのだった。
よくある婚約破棄モノになりますが「ざまぁ」は微ざまぁ程度です。
*なんちゃって異世界モノの緩い設定です。
*登場人物の言葉遣い等(特に心の中での言葉)は現代風になっている事が多いです。
*ざまぁ、は微ざまぁ、になるかなぁ?ぐらいの要素しかありません。
悪役令嬢に仕立てあげられて婚約破棄の上に処刑までされて破滅しましたが、時間を巻き戻してやり直し、逆転します。
しろいるか
恋愛
王子との許婚で、幸せを約束されていたセシル。だが、没落した貴族の娘で、侍女として引き取ったシェリーの魔の手により悪役令嬢にさせられ、婚約破棄された上に処刑までされてしまう。悲しみと悔しさの中、セシルは自分自身の行いによって救ってきた魂の結晶、天使によって助け出され、時間を巻き戻してもらう。
次々に襲い掛かるシェリーの策略を切り抜け、セシルは自分の幸せを掴んでいく。そして憎しみに囚われたシェリーは……。
破滅させられた不幸な少女のやり直し短編ストーリー。人を呪わば穴二つ。
悪役令嬢は断罪イベントから逃げ出してのんびり暮らしたい
花見 有
恋愛
乙女ゲームの断罪エンドしかない悪役令嬢リスティアに転生してしまった。どうにか断罪イベントを回避すべく努力したが、それも無駄でどうやら断罪イベントは決行される模様。
仕方がないので最終手段として断罪イベントから逃げ出します!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる