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19 え?ゲームと違うじゃない!

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「我が家はニーナ、お前が怪我をさせたお嬢様二人の慰謝料のせいで破産だ!この屋敷ももう抵当に入っている」

「はあ?!怪我??あれはエイミアのせいだし!それにここがなくなったら私の学園はどうなるのよ!」

 お父様はギョッとした。

「お前、手紙は見ていないのか?学園はとうの昔に退学すると書類を出した。お前なんぞにかける金は1ゴールドもないとな!」

「え……」

「寮の代金も払えん。荷物も片付け終わっていると思えば何を言っているのだ?!」

 何を、何を言っているの?!私、学園に行けなくなっちゃうの??そんなの困る!学園に行かないとゲームが進まないじゃない!王子様に会えないじゃん!

「そんなの困る!」

「困っているのはこっちだ!高位貴族に怪我なんてさせて!首を飛ばされなかっただけ感謝しろ!」

 首を??それって殺されるってこと??なんで、なんでちょっと学園で怪我しただけで私が殺されなきゃならないの?!

「だって、だってあれはエイミアが私を押したんだよ?私が殺されかけたんだよ?!」

「エイミア様だ!この愚か者が!」

 パァン!大きな音と衝撃が走った。え?いま、私、叩かれた?私が?なんで、私が叩かれるの?!ほっぺがジンジンする。叩かれるなんて、そんな……!

「高位貴族に手を上げるとどうなるか分かっているはずだろう!ええい、もう良い!どこへなりとも消えてしまえ!」

「旦那様!離婚なんていやです、許して下さい!」

「うるさい!家を潰す娘を育ておって!それにこの借金はお前が作ったものだ!きっちり自分で払え!」

「ひいい!!」

 バサバサ!と10枚近くありそうな書類をお父様はお母様に投げつける。しゃ、借金?!お母様、一体何をしたの??

「お願いです、旦那様!お願いです!」

「全部お前の贅沢品だ!ドレスだ、ダイヤだと不相応なものばかり大量に買い付けて!それを私に払え?とんでもない女め!」

 ドレス?!ダイヤ?!ま、まさかあの手紙にあった買い物のこと??お父様はすがるお母様を振り払った。

「領地へ戻るしか生きる方法がない。お前達は自分の蒔いた種は自分でなんとかしろ!」

 そうしてカツカツと歩いて行ってしまった。

「それでは元奥様と、元お嬢様。もし領地のお屋敷に参られましても通すなと言われておりますので悪しからず。この屋敷も近々、工事が入るそうですから、お早く立ち去って下さいませ」

 メイドが頭を下げてからお父様について行ってしまった。どういう、こと、なの??私はこのゲームの主人公なのにどうしてこんなことが起こるの??
 そうだ、お母様の実家に頼ろう。お母様だって貴族の娘なんでしょう??

「お母様、お母様の実家は遠いのですか?お母様の実家に……」

「わ、私の家はもうないわ。それに私は平民出だもの……今更どうしろっていうの……?」

「へ、平民……?お母様は平民なの……?」

 おかしい。私、ゲームでちゃんとお母様も貴族の設定にしたはずだわ……!




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