【完結】転生悪役っぽい令嬢、家族巻き込みざまぁ回避～ヒドインは酷いんです～

16やったあ！(ニーナ

　
　私はニナって名前の普通の女子高生だった。ある日、街を歩いていたら、前を歩いてた会社員っぽい人が、何か落としたの。

「なんだろ？」

　気づいてないぽくて、拾ってみたらゲーム機みたいだったんだ。

「お！」

　拾った時はちゃんと返そうと思ったんだよ？でもさ、会社員なんて全部後ろ姿一緒じゃん？誰が落としたかなんて一瞬で分かんなくなった。

「しゃーないよねぇ？」

　ゲーム機なら売れば買い取って貰えるし？と思ってカバンに入れちゃった。

「あー。名前とか書いてあったら届けなきゃ……」

　家でそのゲーム機を良くみてみると、名前も何にもないし、見たことあるゲーム機とはちょっと違う気がする。

「スチッチンに似てるけど、偽物かぁ！」

　こりゃお小遣いにもなんないって思ったけど、ゲームだし、電源をつけてみた。

「RPGツクッチャオ？知らねー」

　なんか自分で作る？タイプのゲームだった。

「お、セーブデータあるし」

　興味本位で選ぶと、若い男が主人公で、超強くって魔王を速攻倒して美人なお姫様を助けて、末永く仲良く暮らし国はずっと平和でした。って感じの良くある話だった。

「しかもちょーみじけーーー！」

　もっと作れば良いのに！と思ったけどなんかおかしくて

「もっかいやろっと……あれ？　データない？？」

　もう一回やってみようと思ったらセーブデータが無くなって、ニューゲームしか選べなくなってた。

「ふぅん？　じゃあ私も作ってみるか！」

　そうして私はこのゲームにちょっと興味を持った。

　チュートリアル的な所で何回も神様が出てきて

「最初から長いもんを作ってはいかん。身の丈にあった短いストーリーを作るんじゃ」

　って言ってきてうざ過ぎた。

「しゃーねーなー」

　仕方がないから神様の言う通り、女の子がイケメンと恋をして幸せになる話を作った。

「そうして女の子はいつまでも幸せに暮らしましたとさ、おしまい！って……つまんねーー！」

　私はその作ったゲームをセーブせずに消して別な物を作り始めた。

「えーと、普通の女の子が王子様と出会って、ああ！最近よく聞くざまぁモノがいいな！　そうだなぁ悪役の名前は……エイミアにしよう！　で、お助け親友が……カリンでどうかな？！」

　うん、割と良い感じ！

「そんで主人公が悪役令嬢をざまぁして王子様と幸せになるのよー！やっぱり学園から始まるのよね。えーと、学園に入るちょっと前に主人公は気がつくの！自分がこの世界のヒロインだってね！」

　子供の頃からあーだこーだなんて面倒し、そんなことゲームで説明しなくたって大丈夫だし。
　私はこうやって自作ゲームを作って行った。