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進撃のルーチェ教団
4 何かを鍛えます?
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「アドニスさん!レオニスさん!そんなんじゃルーチェ様が帰って来た時にどうするんですか!またセラフィスさんに取られますよ!」
「レ、レフィメント様?!」
私は気がついた次の日に中央神殿に行ってまだ発狂中の双子の神官様に喝を入れました。
「忘れないで下さい!遠い未来でもルーチェ様は必ず戻って来てくださるんですよ!?その時、お二人がそんな感じではまたセラフィスさんと手を取り合ってどっか行っちゃうかもしれませんよ?!」
「な!なんですって?!」
「でも確かにレフィメント様の言う通りです!ルーチェ様は必ず帰って来る、そうです!」
泣いていた中央神殿の神官さん達もハッとして顔を上げてくれました。
「そうだ……ルーチェ様は戻ってこられるんだ!」
「そうだわ!私達ったら何惚けていたのかしら!」
しーんと静まり帰っていた神殿が活気付いて来ます。良かった、これでよかった!
「そうです!雄っぱいです!雄っぱいを鍛えるのです!」
「へ?」
アドニスさんは何を、言っているんでしょう……?
「私達があの憎いセラフィスに劣っている所は何かと考えた時、ただ一つ思い浮かんだのが雄っぱいです!」
「お、おっぱ……い?」
「違います!雄っぱいです!」
「お、雄っぱい……?」
「そう!あれはルーチェ様がまだこの世に生誕してまもないころでした!!」
なにやら二人の熱弁がはじまりかけた所で、お父様が凄い勢いで走って来て
「レフィメントは知らなくて良いですっ!!帰りましょう!マンドラが寂しいって泣きそうですよ!」
「え?」
小脇に抱えられて、王宮に連れ帰られた。な、なんだったんだろう……?
それから中央神殿の男性神官達はやけに体を鍛えるようになったとか。
「ふっふー!ナーイス雄っぱーい!」
「よっ!雄っぱいが山脈のようだ!ヒュー!」
「私達も負けませんよ!」
女性神官もやけに鍛えているとか。
「皆、ルーチェ様に褒めてもらおうと頑張ってるんだ。私も頑張るぞ!」
その日から今まで苦手だった魔法や勉強に取り組んだ。頭の中が重くて、目の前がかすむような感覚が一つも無くなって、本を読めば内容はすぐ覚えられたし、魔法もこぼれそうな暴発しそうな感覚がなくなって、細くも太くも簡単に調節できるようになっていた。
「あれ?こんなに簡単だっけ?」
脂肪が無くなった体は動きやすいし、いくら走っても息は上がらないし。剣は軽いしびっくりした。
「レフィは本当に頑張ったわね」
「……はい、お母様……でもルーチェ様が一緒にいてくれるならまだまだ頑張れましたよ……」
つい、本音がこぼれてしまったけれど、お母様は私の頭を優しくなでながら言います。
「それをルーチェ様がお望みでなかったのです。ルーチェ様のお望みを叶えて上げたんでしょう?」
「はい……そして次にあったら、たくさん褒めてもらうんです」
「そう……そうね!そうしましょう。私達全員、ルーチェ様に褒めてもらうために頑張らなくちゃ!」
「はい!」
きっと1万年なんてすぐですよね!ルーチェ様。
「レ、レフィメント様?!」
私は気がついた次の日に中央神殿に行ってまだ発狂中の双子の神官様に喝を入れました。
「忘れないで下さい!遠い未来でもルーチェ様は必ず戻って来てくださるんですよ!?その時、お二人がそんな感じではまたセラフィスさんと手を取り合ってどっか行っちゃうかもしれませんよ?!」
「な!なんですって?!」
「でも確かにレフィメント様の言う通りです!ルーチェ様は必ず帰って来る、そうです!」
泣いていた中央神殿の神官さん達もハッとして顔を上げてくれました。
「そうだ……ルーチェ様は戻ってこられるんだ!」
「そうだわ!私達ったら何惚けていたのかしら!」
しーんと静まり帰っていた神殿が活気付いて来ます。良かった、これでよかった!
「そうです!雄っぱいです!雄っぱいを鍛えるのです!」
「へ?」
アドニスさんは何を、言っているんでしょう……?
「私達があの憎いセラフィスに劣っている所は何かと考えた時、ただ一つ思い浮かんだのが雄っぱいです!」
「お、おっぱ……い?」
「違います!雄っぱいです!」
「お、雄っぱい……?」
「そう!あれはルーチェ様がまだこの世に生誕してまもないころでした!!」
なにやら二人の熱弁がはじまりかけた所で、お父様が凄い勢いで走って来て
「レフィメントは知らなくて良いですっ!!帰りましょう!マンドラが寂しいって泣きそうですよ!」
「え?」
小脇に抱えられて、王宮に連れ帰られた。な、なんだったんだろう……?
それから中央神殿の男性神官達はやけに体を鍛えるようになったとか。
「ふっふー!ナーイス雄っぱーい!」
「よっ!雄っぱいが山脈のようだ!ヒュー!」
「私達も負けませんよ!」
女性神官もやけに鍛えているとか。
「皆、ルーチェ様に褒めてもらおうと頑張ってるんだ。私も頑張るぞ!」
その日から今まで苦手だった魔法や勉強に取り組んだ。頭の中が重くて、目の前がかすむような感覚が一つも無くなって、本を読めば内容はすぐ覚えられたし、魔法もこぼれそうな暴発しそうな感覚がなくなって、細くも太くも簡単に調節できるようになっていた。
「あれ?こんなに簡単だっけ?」
脂肪が無くなった体は動きやすいし、いくら走っても息は上がらないし。剣は軽いしびっくりした。
「レフィは本当に頑張ったわね」
「……はい、お母様……でもルーチェ様が一緒にいてくれるならまだまだ頑張れましたよ……」
つい、本音がこぼれてしまったけれど、お母様は私の頭を優しくなでながら言います。
「それをルーチェ様がお望みでなかったのです。ルーチェ様のお望みを叶えて上げたんでしょう?」
「はい……そして次にあったら、たくさん褒めてもらうんです」
「そう……そうね!そうしましょう。私達全員、ルーチェ様に褒めてもらうために頑張らなくちゃ!」
「はい!」
きっと1万年なんてすぐですよね!ルーチェ様。
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