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68 浮かれて結婚式
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春の早いうちにレイシャル様とミレニア様は結婚した。式は中央神殿で厳かにあげようと思ったら、上を下への大騒ぎになってしまった。
「病めるときも健やかなる時も共にあると誓いますか?」
勿論中央神殿で一番偉いのはセラフィスさんだから、セラフィスさんが見届け人だ。
「誓います」「誓います」
と、二人が見つめ合いながら、宣誓し微笑みあった所で祝福が舞い始める。
人の子よ、ルーチェをこれからも頼むよ
どことからもなく白い花びらが大量に降ってくる。
「わ!何これ綺麗」
生き物に触れると花びらは光の粒になってしまい消えて行くが、その際に全ての病を癒やしてしまう。
「創造神様の祝福でありましょう」
白い花びらが消えると次々とありとあらゆる色の花びらが舞い踊り、空には虹が何本もかかり、所謂「慶兆」と呼ばれている現象がこれでもかと続きまくる。
「色んな神様のご加護だねぇ!」
「龍族からはお金を配るよー!今日はお祝いだからぱーっと使ってぇー!」
どうやらこの日の為に溜まっていた金貨を集めていたようだ。キイちゃん達が上空を飛び回り金貨や宝石を撒き散らしている。良いのかなあ?!
ルベルト国民は笑っているがたまたまこの国に来ていた行商人達は目の色を変えて拾っていたようだ。
「ぎゅーー!」
マンドラ達まで小玉ねぎをぽこぽこ放り投げていたから、参加したかったんだろう。今日は物を投げる日じゃないよ!
「こんだけ銭が手に入ったんだ!商品全部使っちまえーーー!うおー!」
沢山やって来ていた商人達は格安で色んな物を提供したし、街の料理人も皆ただで飲み食いさせた。
「ダンジョン潜るより結婚式見たほうが儲かるって意味わかんねー!」
冒険者達も浮かれて祝福した。やっぱり酔っ払いの喧嘩もあったけど
「このめでたい日になんかしてんの?ぁあん?」
「ひい!」
自主的に止めてくれる人も多くて大事にはいたらなかったみたい。神様たちの祝福は人間だけじゃなくて、動物植物そして大地にも凄い効き目で、祝福されまくったルベルト周辺は今後3000年くらいは豊作が約束されたみたいだった。ちょっと大盤振る舞いしすぎじゃない!?
俺の力がちょこっと漏れても、周りから溢れた神様の達の力が押し寄せて来て、神殿の地下へと戻されていく。
「す、凄い。なんか吸引力が変わらないただ一つのアレっぽい!」
「アレとは?」
セラフィスさんが首を傾げているけれど、まあ誤魔化しておいた。ルベルトの首都の中なら自由に動き回れるくらいになった!お散歩も平気だし、中央神殿から東西南北の神殿へ遊びにも行ける!色は目立つからフードを被って行ってるけど、散歩コースになっている所に住んでいる人たちにはバレてる。
「ルー坊、今日は西かい?」
「あ、うん。西の神官長がスネてるんだよ」
ウチの子も修業をつけてくれー!ってこないだ直談判に来たんだよね。
「ウチの子達も何とかしてくれなきゃ全員で中央神殿に移籍してやる!」
「は!?何を訳の分からない事を言っているんですか!ゼビア神官長」
「だって、中央神殿はほぼ全員聖女、聖者クラスなのに西神殿は見習い神官ばっかりです!ずるいずるい!私達だってルーチェ様をなでなでしたりむにむにしたりしたい!」
「むにむには中央神殿の特権ですし!」
「じゃあやっぱり中央神殿の子になるー!」
ゼビア神官長は今年40歳になるいい大人なのだが、やる事が子供っぽい。でもそんな所が憎めないとセラフィスさんが来るたびに苦笑しているお方だ。とうとう神様への祈りの時間に
「わが西神殿でもむにむにする許可を!許可をくださいいいいいい!」
と、強く願ったらしくて、久しぶりに夢に現れた創造神様が
ルーチェ、すまないけれど西神殿に行って何とかしてくれないか……。
ってお願いされちゃったんだよね~。派手に神気をバラまいたから神様の加護も地上にたくさんおりたけど、神官達からの祈りも良く神様に聞こえるようになったんだって。多分他の神殿からも文句が出ると思うからお散歩がてら全部の神殿を回る事にしようっと……。
「病めるときも健やかなる時も共にあると誓いますか?」
勿論中央神殿で一番偉いのはセラフィスさんだから、セラフィスさんが見届け人だ。
「誓います」「誓います」
と、二人が見つめ合いながら、宣誓し微笑みあった所で祝福が舞い始める。
人の子よ、ルーチェをこれからも頼むよ
どことからもなく白い花びらが大量に降ってくる。
「わ!何これ綺麗」
生き物に触れると花びらは光の粒になってしまい消えて行くが、その際に全ての病を癒やしてしまう。
「創造神様の祝福でありましょう」
白い花びらが消えると次々とありとあらゆる色の花びらが舞い踊り、空には虹が何本もかかり、所謂「慶兆」と呼ばれている現象がこれでもかと続きまくる。
「色んな神様のご加護だねぇ!」
「龍族からはお金を配るよー!今日はお祝いだからぱーっと使ってぇー!」
どうやらこの日の為に溜まっていた金貨を集めていたようだ。キイちゃん達が上空を飛び回り金貨や宝石を撒き散らしている。良いのかなあ?!
ルベルト国民は笑っているがたまたまこの国に来ていた行商人達は目の色を変えて拾っていたようだ。
「ぎゅーー!」
マンドラ達まで小玉ねぎをぽこぽこ放り投げていたから、参加したかったんだろう。今日は物を投げる日じゃないよ!
「こんだけ銭が手に入ったんだ!商品全部使っちまえーーー!うおー!」
沢山やって来ていた商人達は格安で色んな物を提供したし、街の料理人も皆ただで飲み食いさせた。
「ダンジョン潜るより結婚式見たほうが儲かるって意味わかんねー!」
冒険者達も浮かれて祝福した。やっぱり酔っ払いの喧嘩もあったけど
「このめでたい日になんかしてんの?ぁあん?」
「ひい!」
自主的に止めてくれる人も多くて大事にはいたらなかったみたい。神様たちの祝福は人間だけじゃなくて、動物植物そして大地にも凄い効き目で、祝福されまくったルベルト周辺は今後3000年くらいは豊作が約束されたみたいだった。ちょっと大盤振る舞いしすぎじゃない!?
俺の力がちょこっと漏れても、周りから溢れた神様の達の力が押し寄せて来て、神殿の地下へと戻されていく。
「す、凄い。なんか吸引力が変わらないただ一つのアレっぽい!」
「アレとは?」
セラフィスさんが首を傾げているけれど、まあ誤魔化しておいた。ルベルトの首都の中なら自由に動き回れるくらいになった!お散歩も平気だし、中央神殿から東西南北の神殿へ遊びにも行ける!色は目立つからフードを被って行ってるけど、散歩コースになっている所に住んでいる人たちにはバレてる。
「ルー坊、今日は西かい?」
「あ、うん。西の神官長がスネてるんだよ」
ウチの子も修業をつけてくれー!ってこないだ直談判に来たんだよね。
「ウチの子達も何とかしてくれなきゃ全員で中央神殿に移籍してやる!」
「は!?何を訳の分からない事を言っているんですか!ゼビア神官長」
「だって、中央神殿はほぼ全員聖女、聖者クラスなのに西神殿は見習い神官ばっかりです!ずるいずるい!私達だってルーチェ様をなでなでしたりむにむにしたりしたい!」
「むにむには中央神殿の特権ですし!」
「じゃあやっぱり中央神殿の子になるー!」
ゼビア神官長は今年40歳になるいい大人なのだが、やる事が子供っぽい。でもそんな所が憎めないとセラフィスさんが来るたびに苦笑しているお方だ。とうとう神様への祈りの時間に
「わが西神殿でもむにむにする許可を!許可をくださいいいいいい!」
と、強く願ったらしくて、久しぶりに夢に現れた創造神様が
ルーチェ、すまないけれど西神殿に行って何とかしてくれないか……。
ってお願いされちゃったんだよね~。派手に神気をバラまいたから神様の加護も地上にたくさんおりたけど、神官達からの祈りも良く神様に聞こえるようになったんだって。多分他の神殿からも文句が出ると思うからお散歩がてら全部の神殿を回る事にしようっと……。
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