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猫になった

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「あぅ……」

 ぐぽっと音がしてやっと引き抜かれた。

「ひぅ」

 大量のドロっとした物が溢れているのが分かる。どれだけ中に出したの、酷いよ……。

「も、許して……」

「だーめ、と言いたい所だけどさ、ほれ」

「……ユウリぃぃ」

「ひっ!」

 何か日陰の植物みたいになっているレイリーがへろっと生えてきた。

「酷くない?ユウリ、酷くない……?俺、ユウリの下僕だよ?そんな俺を置いてどこ行ってたの?酷くない??」

「あ、あうぅ」

 こんな時に顔出さないでよ……レイリー。オーグさんはねちっこいし、睦月君はガツガツ来るしで、俺はもう駄目だ……。
 そこにレイリーまで来たってどうしようもできないよ。

「知ってる?俺、あのまたたびパウダー事件の時も適当な部屋に適当に詰められて終わったし……ね?俺の事忘れてない?ねぇ、ねえってば」

「ごめ……忘れてない……けど」

 限界なの~ごめん、レイリー……。ごめん、ほんとは忘れてた。

「じゃあ俺にもやらせてよ!」

「えー……」

 待って、もう……無理ぃ、限界。

「無理ぃ……」

「ちょっと天井の模様数えてたら終わるから!」

「うぇえぇ」

「「戦車チャリオットは早いから」」

「そこ!黙って!!」

 ……早かったけどね。



「好きー!ユウリやっぱり好きぃー!」

「あ……うん、ありがとう……」

 俺も嫌いじゃないよ、レイリーのチョロさ……。


 足腰が立たなくなった俺は、チョロいレイリーをお供に村に帰って行った。

「俺、レイリー!ユウリのお父さんの弟のお嫁さんの兄の従兄弟の息子の嫁の弟!」

「は?え!う、うん?遠い親戚?」

「そう!」

 適当にトニーを黙らせた。なんかこういう所凄い。

「ユウリ、親戚の子とさ!

「それで、疲れて寝てるって?体力ねーなー!ユーリは」

「何せ大きな子達だからね!」

 レイリー?何を言っているのかな??もう面倒になって俺は寝てしまった。


「ユウリー朝ごはんだよー」

 朝の食卓にふかふかのパンとトマトの具沢山スープが乗っている。

「ユウリの冷蔵庫凄いねー。いっぱい入ってる」

「え?パンは無かったよね?」

「トムさんちのばーちゃんの畑手伝ったらくれたよ?」

「レ、レイリー、すご」

 俺より村に馴染んでない?!何この人、凄い!
 食べようと促されて、まともな朝食を食べた。適当に作ったよ、というスープも美味しかった。ごめん、チョロいって思ってごめん。レイリーは出来る男だった。

「ちょっと聞いてきたけど、リック・ワイドナー、ヤバいね」

 聞き流せない話題だ。俺の中で最安からストップ高まで株価が爆上がりしたレイリーの言葉に耳を傾けた。

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