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猫になった
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「……悠里はやはり凄まじいな……」
「ん?」
ダリアさんちの居間で猫じゃらしを片手にサーバルキャットになったソフィア君をじゃらしながら、隣で
「にゃおにゅ~る、マジうまーい!こっちでも食べれると思わなかったーわーい」
でかい黒ジャガーが転がりながら、あの細長いスティックを舐めている。
「悠里ちゃん!もっと!もっと振って!きゃーーー!」
「はいはい」
パタンパタン振られる猫じゃらしにソフィア君は大興奮で飛びついてくる。
「きゃーきゃーきゃーー!」
でも、なんとなーーくその気持ち、分かるんだよねー!俺も手を出したいもん!
ちなみにダリアさんも、目が猫じゃらしを追っている。習性って怖いねー。
「悠里の魔法は万物創造だな……」
「何でも作れるってこと?」
「作れるだろう?割と何でも」
「……作れる、かな……」
「万能過ぎて物欲が薄いのか、ただのお人好しなのか……お人好しだな、馬鹿がつくくらいに」
流石の俺もむっとする。馬鹿にするのは良くないですよ!
「馬鹿馬鹿言わないでくださいよ!鈴付きのボール投げますよ!獣化して走り回っても知りませんからね!」
それは脅しか?と笑った。
「親としての権威は大事だからな。遠慮しておこう。昼飯の支度をするから、飯までにおもちゃは片付けておけよ。どれだけ大量に作ったんだ?片付ける棚も出せばいい物を!」
そう言われて部屋を見ると足の踏み場もないほどのおもちゃとにゃおにゅ~るのゴミが散らかっていた。
「……確かにこれは怒られるね、片付けよっか。ソフィア君」
「はーい」
「マリティアさんも!ゴミはゴミ箱に!」
「これはゴミじゃない!にゃおにゅ~るの入れ物は取っておくんだーーー!」
「ゴミです!」
片付けておもちゃ箱も作った所で
「昼飯ー」
「はーい!今行きまーす」
凄いタイミングで呼ばれる。ダリアさんって、なんかお母さん力が凄いんだなぁ。
「いただきます!」
お昼ご飯はそうめんみたいな物だった。上に乗ってるにんじんがお花の形に切ってある。
「僕、にんじんきらい……」
「お花みたいで可愛いよ?」
「うん……」
ソフィア君は目をつぶって一生懸命食べている。そう言えばにんじんのグラッセを出さないとなぁ。約束だもんね。
美味しいそうめんを食べ終わって、キッチンにお皿を持っていってびっくりした。
「あ、あれ?!」
キッチンの窓から見たことある建物が見える。
「あ、あれ!グランベルンのお城?!」
「そうだが?」
「えっ!この家ってグランベルンにあったの?!」
「そうだが?そうじゃないと、城から悠里を拉致して来るのは大変ではないか」
ご近所さんでしたか……。一気に脱力したのは言うまでもない。
「ん?」
ダリアさんちの居間で猫じゃらしを片手にサーバルキャットになったソフィア君をじゃらしながら、隣で
「にゃおにゅ~る、マジうまーい!こっちでも食べれると思わなかったーわーい」
でかい黒ジャガーが転がりながら、あの細長いスティックを舐めている。
「悠里ちゃん!もっと!もっと振って!きゃーーー!」
「はいはい」
パタンパタン振られる猫じゃらしにソフィア君は大興奮で飛びついてくる。
「きゃーきゃーきゃーー!」
でも、なんとなーーくその気持ち、分かるんだよねー!俺も手を出したいもん!
ちなみにダリアさんも、目が猫じゃらしを追っている。習性って怖いねー。
「悠里の魔法は万物創造だな……」
「何でも作れるってこと?」
「作れるだろう?割と何でも」
「……作れる、かな……」
「万能過ぎて物欲が薄いのか、ただのお人好しなのか……お人好しだな、馬鹿がつくくらいに」
流石の俺もむっとする。馬鹿にするのは良くないですよ!
「馬鹿馬鹿言わないでくださいよ!鈴付きのボール投げますよ!獣化して走り回っても知りませんからね!」
それは脅しか?と笑った。
「親としての権威は大事だからな。遠慮しておこう。昼飯の支度をするから、飯までにおもちゃは片付けておけよ。どれだけ大量に作ったんだ?片付ける棚も出せばいい物を!」
そう言われて部屋を見ると足の踏み場もないほどのおもちゃとにゃおにゅ~るのゴミが散らかっていた。
「……確かにこれは怒られるね、片付けよっか。ソフィア君」
「はーい」
「マリティアさんも!ゴミはゴミ箱に!」
「これはゴミじゃない!にゃおにゅ~るの入れ物は取っておくんだーーー!」
「ゴミです!」
片付けておもちゃ箱も作った所で
「昼飯ー」
「はーい!今行きまーす」
凄いタイミングで呼ばれる。ダリアさんって、なんかお母さん力が凄いんだなぁ。
「いただきます!」
お昼ご飯はそうめんみたいな物だった。上に乗ってるにんじんがお花の形に切ってある。
「僕、にんじんきらい……」
「お花みたいで可愛いよ?」
「うん……」
ソフィア君は目をつぶって一生懸命食べている。そう言えばにんじんのグラッセを出さないとなぁ。約束だもんね。
美味しいそうめんを食べ終わって、キッチンにお皿を持っていってびっくりした。
「あ、あれ?!」
キッチンの窓から見たことある建物が見える。
「あ、あれ!グランベルンのお城?!」
「そうだが?」
「えっ!この家ってグランベルンにあったの?!」
「そうだが?そうじゃないと、城から悠里を拉致して来るのは大変ではないか」
ご近所さんでしたか……。一気に脱力したのは言うまでもない。
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