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猫になった
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「悠里兄ちゃん!助けて!」
「お願い!悠里兄ちゃん!あいつをやっつけて!」
ある意味傍若無人なナリンとセリンが走ってきて俺に飛びついた。あの二人が助けを求めるなんてよっぽどなのかな?!
「えっ?!どうしたの??」
見ると二人は追われていた。
「おお!可憐なる天使ちゃん!私を置いてどこへ行こうというのだねぇ~~?!」
「ひえ!変態だ!」
帽子を被ったコート姿の変質者に追われていた!だ、だ、誰か!おまわりさーん!!
三人で逃げ回っていると、ちょうどよく睦月くんが通りかかった!
「お、お巡りさん!あいつです!」
「ん?隠者じゃないか?芸術家先生が一体……ああ!ナリンとセリンか!」
どう見ても変質者は嬉しそうに顔をあげる。
「おお!睦月君!そうなのだよ!グランベルンに二人が来てると聞いてね!今日こそモデルになって貰おうとお願いしていたのさ!」
あれ?変質者じゃなかった??俺はとりあえず、投げつけようと振りかぶっていた椅子を下に置いた。
「悠里さん、この人はレオナルド・サナウス。種族はピューマで階級は隠者なんだけど、絵を描くのが大好きな芸術家さ」
「お初にお目にかかります!魔術師殿!いやあ芸術の事になりますと、つい興奮して。ご迷惑をおかけ致した」
「は、はあ?」
ナリンとセリンは俺の背中に隠れながら
「シャーー!」
と、毛を逆立てている。
「ど、どうしてこんなに嫌われているんです?二人とも悪戯好きですが、人を無闇に嫌う質ではないですよね」
レオナルドは申し訳なさそうに頭を掻きながら
「実は、私。今、天上に住まう神の遣いたる天使なる物を描こうとしておるのです」
はあ?俺の頭の中には羽の生えたむちむちの子供がパタパタと飛び回る。
「そのモデルにと、つい色々求めてしまって嫌がられてしまった次第で」
「だって!素っ裸になれっていうんだよ!」
「毛までそれっていうんだよ!」
「薄くてスケスケの布一枚渡されて、これでお股だけ隠せって、なくない?!」
「ないね!セリンとナリンが正しい」
俺は言い切った。
「ぐわー!芸術にはエロスも必要なんですーーー!凡人にはそれが分からんのかーーー!」
あ、やば。レオナルドさんキレた。
「良いから、脱げ!全部脱げ!素っ裸になって微妙に見えない角度、足で隠して!いやむしろちょい見えた方がいい!スケスケの後ろになんとなーく見える何かを私たちに感じさせろ!!」
げ!ガチじゃないか!
「む、睦月君!この人やっぱりやばいよ!」
「本当ですね!悠里さん、俺も知らなかったわー!」
わはは!と睦月君は豪快に笑うけど、こう言う青少年の成長に悪影響を及ぼしそうな人はどうかと思うよ!
「こうなったらちからづくでひん剥いてやる!」
あっ!ひん剥くことが目的になってる!ガチガチじゃん!
「セリン!ナリン逃げて!」
「わああん!僕達だって色んな人に見せる趣味はないよーー!」
「ええい!芸術は文化だ!決してエロスのみではない!迸れ!我が魂の筆よ!『高貴なる芸術の題材よ』!」
レオナルドさんがしゅっと筆を引っ張り出して、そこから絵の具が飛んでくる。
「わっ!」「きゃっ!」
睦月君とセリンの顔に少しだけついた。
「う、動けない!」「な、なんでーーー!」
「ふわーーーっはっはっは!モデルが動くと絵が描きづらいじゃないかーーー!」
「あんだと!てめー!隠者!訳のわからん技を使いやがって!!」
「おだまらっしゃい!『モデルは喋ってはいけない』」
「?!……!」
睦月君の口が動かなくなった!も、もしかしてレオナルドさん、強い!?
「ふ、ふふふ!芸術!芸術!芸術は!素晴らしいぃーーーー!」
「睦月君!水!」
ばしゃっ!と水をかけると絵の具が取れた。
「あ、動ける」
「やったね!」
「お願い!悠里兄ちゃん!あいつをやっつけて!」
ある意味傍若無人なナリンとセリンが走ってきて俺に飛びついた。あの二人が助けを求めるなんてよっぽどなのかな?!
「えっ?!どうしたの??」
見ると二人は追われていた。
「おお!可憐なる天使ちゃん!私を置いてどこへ行こうというのだねぇ~~?!」
「ひえ!変態だ!」
帽子を被ったコート姿の変質者に追われていた!だ、だ、誰か!おまわりさーん!!
三人で逃げ回っていると、ちょうどよく睦月くんが通りかかった!
「お、お巡りさん!あいつです!」
「ん?隠者じゃないか?芸術家先生が一体……ああ!ナリンとセリンか!」
どう見ても変質者は嬉しそうに顔をあげる。
「おお!睦月君!そうなのだよ!グランベルンに二人が来てると聞いてね!今日こそモデルになって貰おうとお願いしていたのさ!」
あれ?変質者じゃなかった??俺はとりあえず、投げつけようと振りかぶっていた椅子を下に置いた。
「悠里さん、この人はレオナルド・サナウス。種族はピューマで階級は隠者なんだけど、絵を描くのが大好きな芸術家さ」
「お初にお目にかかります!魔術師殿!いやあ芸術の事になりますと、つい興奮して。ご迷惑をおかけ致した」
「は、はあ?」
ナリンとセリンは俺の背中に隠れながら
「シャーー!」
と、毛を逆立てている。
「ど、どうしてこんなに嫌われているんです?二人とも悪戯好きですが、人を無闇に嫌う質ではないですよね」
レオナルドは申し訳なさそうに頭を掻きながら
「実は、私。今、天上に住まう神の遣いたる天使なる物を描こうとしておるのです」
はあ?俺の頭の中には羽の生えたむちむちの子供がパタパタと飛び回る。
「そのモデルにと、つい色々求めてしまって嫌がられてしまった次第で」
「だって!素っ裸になれっていうんだよ!」
「毛までそれっていうんだよ!」
「薄くてスケスケの布一枚渡されて、これでお股だけ隠せって、なくない?!」
「ないね!セリンとナリンが正しい」
俺は言い切った。
「ぐわー!芸術にはエロスも必要なんですーーー!凡人にはそれが分からんのかーーー!」
あ、やば。レオナルドさんキレた。
「良いから、脱げ!全部脱げ!素っ裸になって微妙に見えない角度、足で隠して!いやむしろちょい見えた方がいい!スケスケの後ろになんとなーく見える何かを私たちに感じさせろ!!」
げ!ガチじゃないか!
「む、睦月君!この人やっぱりやばいよ!」
「本当ですね!悠里さん、俺も知らなかったわー!」
わはは!と睦月君は豪快に笑うけど、こう言う青少年の成長に悪影響を及ぼしそうな人はどうかと思うよ!
「こうなったらちからづくでひん剥いてやる!」
あっ!ひん剥くことが目的になってる!ガチガチじゃん!
「セリン!ナリン逃げて!」
「わああん!僕達だって色んな人に見せる趣味はないよーー!」
「ええい!芸術は文化だ!決してエロスのみではない!迸れ!我が魂の筆よ!『高貴なる芸術の題材よ』!」
レオナルドさんがしゅっと筆を引っ張り出して、そこから絵の具が飛んでくる。
「わっ!」「きゃっ!」
睦月君とセリンの顔に少しだけついた。
「う、動けない!」「な、なんでーーー!」
「ふわーーーっはっはっは!モデルが動くと絵が描きづらいじゃないかーーー!」
「あんだと!てめー!隠者!訳のわからん技を使いやがって!!」
「おだまらっしゃい!『モデルは喋ってはいけない』」
「?!……!」
睦月君の口が動かなくなった!も、もしかしてレオナルドさん、強い!?
「ふ、ふふふ!芸術!芸術!芸術は!素晴らしいぃーーーー!」
「睦月君!水!」
ばしゃっ!と水をかけると絵の具が取れた。
「あ、動ける」
「やったね!」
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