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猫になった
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「あ、いいねー物理的に上がくっついちゃえば教団もくっつけちゃうよな」
何もかも面倒になった2号レイリーがチーターのまま脳筋の意見に乗った。
「あー良いね!ボク達が愛の粉をかけてあげるよ!」
「ほーら!好きになーる!好きになーる!」
退屈すぎた双子が良いおもちゃを見つけた。
「あ、それ良いですね」
悠里がそう言ってしまう。力ある者がそういうと、そうなるのである。
「悠里さん、やっぱりウェディングドレスだよ」
「な、何を言っているのかな?!力殿は?!」
「君たち冗談はほどほどにしたまえ、何故私が教皇殿と結婚しなくてはならないのだね?」
トライスとレガリアはこの時ばかりは息をぴったり合わせて反論してきた。しかし二人の説教に疲れ果て、暇すぎた猫達のストレスはピークを越えている。
「ウェディングドレスかー!二人ともゴツゴツしてないからきっと似合うね~。やっぱりこの世界でも白いの?」
「うんうん 白い白い~」
睦月が投げやりに言う。それを聞いて悠里は
「白くて~ふわふわしてて~ああ、うんこういうやつだよねぇ~」
こういうやつ、と悠里が想像した通りのウェディングドレス姿にレガリアの服は変化してしまう。
「魔術師殿!?わ、私は階級が女教皇なだけであって、女性ではないのですよ!?」
「あれ?そうだっけ?じゃあ ドレスは~トライスさんの方?」
レガリアの服は元の豪華な僧服に戻り、今度はトライスの服が白いドレス姿に変わった。
「魔術師殿!?私だって女性ではありません!ドレスは困りますッ!」
「なんだよぉ!二人ともわがままだなあ、悠里さん、二人ともドレスが良いんだってよ!」
「りょ~か~い」
もう、めんどくさい。それが悠里の頭の中にあるただ一つの事になっている。
「クライスもレガリアも似合うよ~かわいいよ~!」
「ほんとほんと、フワフワの花嫁さんだよ~!」
キャッキャとナリンとセリンは手を叩いて喜んでいるが、だいたいバカにしている感も拭い切れない。
「勘弁してくださいよ!魔術師殿!だいたい何故私がレガリアと結婚などしなければいけないのです!絶対にお断り致します!」
「これはこっちのセリフだ!私だってトライスと結婚などまっぴらごめんですよ!魔術師殿!元に戻してください!」
しかし、それを睦月が遮る。睦月もこのくだらない話し合いが退屈で退屈でしょうがなかったのだ。
「みてよ~悠里さん。新婚さんなのに、ケンカなんて良くないよねえ!もっと二人は仲良くなって分かり合えないといけないと思うんだ~」
「あ~そーだねー。もう帰って良い?」
悠里はあまり人の話を聞いていなかった。それがトライスとレガリアの不幸の始まりだった。
「帰るなど!いけません!魔術師殿!」
「そうです!魔術師殿!服を戻して私の教団にお力を貸していただけますよう!」
「何を言う!我が教団に決まっているだろう!」
ウエディングドレスのまま、言い合いを始める二人をうんざりした顔で見る。
「悠里さ~ん、俺分かった。あの二人には愛が足りないんだ、愛だよ、愛。愛し合わないとダメなんだ」
「そんなもんかなぁ~?」
「だーかーらーあのウエディングドレスは二人が真に愛し合うまで脱げないようにすればいいんだよ」
「わお!睦月兄ちゃん天才」「かっこいい!愛は全てを包み込むね!」
「「魔術師殿!?」」
焦ったトライスとレガリアが振り返った時にはもう遅く、悠里の口から力のある言葉が紡がれていた。
「ああ、なるほど。いい考えだね。≪二人が真に愛し合うまでそのドレスは脱げない≫ 」
「……わぁ、えぐい。魔術師のワードえぐい」
レイリーは暖かい目で見て、アウグストは
「では今日はこの辺で解散としよう。セライス殿とレガリア殿には部屋を用意させよう。同室でいいな?」
と、颯爽と書類をまとめた。
「う、嘘でしょう……!?魔術師殿!」
「冗談ですよね……?強制ワードなど……魔術師殿!」
顔を真っ青にして、悠里にとびかからんばかりの二人だが、ニヤニヤと笑う睦月がそれをさせない。
「頑張って、一発キめてこい、な?いい報告待ってるぜ!」
「力殿!冗談はおよしください!」
「魔術師殿!ワードの解除を……いない!?」
「うにゃん……」
睡魔に勝てなくなった悠里は黒猫に戻っており、ひょいっと片手に持ち上げられてアウグストに連れ去られていた。悠里より力が劣る二人では呪いのような強制を解除できるわけもなく、ただ真っ白いウエディングドレスをきたまま、部屋に取り残された。
何もかも面倒になった2号レイリーがチーターのまま脳筋の意見に乗った。
「あー良いね!ボク達が愛の粉をかけてあげるよ!」
「ほーら!好きになーる!好きになーる!」
退屈すぎた双子が良いおもちゃを見つけた。
「あ、それ良いですね」
悠里がそう言ってしまう。力ある者がそういうと、そうなるのである。
「悠里さん、やっぱりウェディングドレスだよ」
「な、何を言っているのかな?!力殿は?!」
「君たち冗談はほどほどにしたまえ、何故私が教皇殿と結婚しなくてはならないのだね?」
トライスとレガリアはこの時ばかりは息をぴったり合わせて反論してきた。しかし二人の説教に疲れ果て、暇すぎた猫達のストレスはピークを越えている。
「ウェディングドレスかー!二人ともゴツゴツしてないからきっと似合うね~。やっぱりこの世界でも白いの?」
「うんうん 白い白い~」
睦月が投げやりに言う。それを聞いて悠里は
「白くて~ふわふわしてて~ああ、うんこういうやつだよねぇ~」
こういうやつ、と悠里が想像した通りのウェディングドレス姿にレガリアの服は変化してしまう。
「魔術師殿!?わ、私は階級が女教皇なだけであって、女性ではないのですよ!?」
「あれ?そうだっけ?じゃあ ドレスは~トライスさんの方?」
レガリアの服は元の豪華な僧服に戻り、今度はトライスの服が白いドレス姿に変わった。
「魔術師殿!?私だって女性ではありません!ドレスは困りますッ!」
「なんだよぉ!二人ともわがままだなあ、悠里さん、二人ともドレスが良いんだってよ!」
「りょ~か~い」
もう、めんどくさい。それが悠里の頭の中にあるただ一つの事になっている。
「クライスもレガリアも似合うよ~かわいいよ~!」
「ほんとほんと、フワフワの花嫁さんだよ~!」
キャッキャとナリンとセリンは手を叩いて喜んでいるが、だいたいバカにしている感も拭い切れない。
「勘弁してくださいよ!魔術師殿!だいたい何故私がレガリアと結婚などしなければいけないのです!絶対にお断り致します!」
「これはこっちのセリフだ!私だってトライスと結婚などまっぴらごめんですよ!魔術師殿!元に戻してください!」
しかし、それを睦月が遮る。睦月もこのくだらない話し合いが退屈で退屈でしょうがなかったのだ。
「みてよ~悠里さん。新婚さんなのに、ケンカなんて良くないよねえ!もっと二人は仲良くなって分かり合えないといけないと思うんだ~」
「あ~そーだねー。もう帰って良い?」
悠里はあまり人の話を聞いていなかった。それがトライスとレガリアの不幸の始まりだった。
「帰るなど!いけません!魔術師殿!」
「そうです!魔術師殿!服を戻して私の教団にお力を貸していただけますよう!」
「何を言う!我が教団に決まっているだろう!」
ウエディングドレスのまま、言い合いを始める二人をうんざりした顔で見る。
「悠里さ~ん、俺分かった。あの二人には愛が足りないんだ、愛だよ、愛。愛し合わないとダメなんだ」
「そんなもんかなぁ~?」
「だーかーらーあのウエディングドレスは二人が真に愛し合うまで脱げないようにすればいいんだよ」
「わお!睦月兄ちゃん天才」「かっこいい!愛は全てを包み込むね!」
「「魔術師殿!?」」
焦ったトライスとレガリアが振り返った時にはもう遅く、悠里の口から力のある言葉が紡がれていた。
「ああ、なるほど。いい考えだね。≪二人が真に愛し合うまでそのドレスは脱げない≫ 」
「……わぁ、えぐい。魔術師のワードえぐい」
レイリーは暖かい目で見て、アウグストは
「では今日はこの辺で解散としよう。セライス殿とレガリア殿には部屋を用意させよう。同室でいいな?」
と、颯爽と書類をまとめた。
「う、嘘でしょう……!?魔術師殿!」
「冗談ですよね……?強制ワードなど……魔術師殿!」
顔を真っ青にして、悠里にとびかからんばかりの二人だが、ニヤニヤと笑う睦月がそれをさせない。
「頑張って、一発キめてこい、な?いい報告待ってるぜ!」
「力殿!冗談はおよしください!」
「魔術師殿!ワードの解除を……いない!?」
「うにゃん……」
睡魔に勝てなくなった悠里は黒猫に戻っており、ひょいっと片手に持ち上げられてアウグストに連れ去られていた。悠里より力が劣る二人では呪いのような強制を解除できるわけもなく、ただ真っ白いウエディングドレスをきたまま、部屋に取り残された。
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