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猫になった
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俺たちがいるクランベルの隣の国、ミリスに近い見晴らしのいい草原が舞台になるようだった。
「レイリー、恋人と戦ったこと、あんの?」
睦月君もレイリーも動きやすさを重視した部分鎧をつけている。オーグさんや俺なんかは人型のままが多いけれど、足の速さを生かしたりするにはチーターに戻ったり、虎に戻ったりするんだって。
「姿を変えても落ちないように工夫されているんだ」
面白いなーと触らせてもらっていたら、様子を見に行っていた兵士が戻って来た。
「リッツェルト、来ました!やはり先頭は恋人です!」
「よっしゃ!んじゃ行ってくるから!ね、ユウリさん、ほっぺにちゅーしてよ!ちゅー!」
「へ?」
「口でもいいけど!勝利を願って、ね!」
う、うん?まあそれくらいなら。この世界の願掛けみたいなのだろうかと、レイリーの頬に唇を寄せた。
「むふー!行ってきます!」
たっと駆け出し、人型のままものすごいスピードで走って行った。
「ねえ、睦月君。こっちの世界にもそういう願掛けみたいのあるんだね」
「ねえよ」
「え?なんて?」
「ねえよ、レイリーのやつ調子にグエ「ありますよ、悠里」」
にっこりオーグさんが笑っている。
「好きな人にキスを送ってもらえれば、誰だって無事に過ごせるでしょう?」
「そ、そう、かな?」
「んなわけグエ「そうですよ」」
やっぱりニコニコ笑っている。うーん?まあいいか。
「お馬鹿なミリスのチーターちゃん、ボク達に勝てるかな?!」
「おうちを盗られた可哀想なニャンコちゃん!」
レイリーはそんな見え見えの挑発には乗らずに静かに立っている。速さに全てをふりきったレイリーの立ち姿はすらりとしていて、しなやか。
気負いもなく、さわさわと吹き抜ける風のように自然だ。
「えへー!チューしてもらっちゃったー!」
そうでもなかった。
耳の上についたふさふさの黒い房毛をふるっと動かし恋人の二人はお互いに抱きしめ合う。
「あーやだやだ、美しくない。一番は君だよ、ナリン。ボクの美しい片割れ」
「本当に。醜いね、セリン。ああ、ボクの愛しい片割れ」
間に楔すら打ち込めないほど、ピッタリときつく抱きしめ合う二人は同じ顔をしている。
「……恋人ってそっくりだね?双子なのかい?」
問いかける悠里に睦月はげぇと舌を出しながら答える。
「双子だよ、男のね。ブラコンのナルシストさ。兄弟と濃厚に絡み合うなんてちょっと勘弁して欲しいぜ」
遠くても見晴らしが良いからよく見える。ナリンとセリンはたくさんの兵士たちが緊迫する中、キスをする。しかもかなり濃厚に。
「レイリー、恋人と戦ったこと、あんの?」
睦月君もレイリーも動きやすさを重視した部分鎧をつけている。オーグさんや俺なんかは人型のままが多いけれど、足の速さを生かしたりするにはチーターに戻ったり、虎に戻ったりするんだって。
「姿を変えても落ちないように工夫されているんだ」
面白いなーと触らせてもらっていたら、様子を見に行っていた兵士が戻って来た。
「リッツェルト、来ました!やはり先頭は恋人です!」
「よっしゃ!んじゃ行ってくるから!ね、ユウリさん、ほっぺにちゅーしてよ!ちゅー!」
「へ?」
「口でもいいけど!勝利を願って、ね!」
う、うん?まあそれくらいなら。この世界の願掛けみたいなのだろうかと、レイリーの頬に唇を寄せた。
「むふー!行ってきます!」
たっと駆け出し、人型のままものすごいスピードで走って行った。
「ねえ、睦月君。こっちの世界にもそういう願掛けみたいのあるんだね」
「ねえよ」
「え?なんて?」
「ねえよ、レイリーのやつ調子にグエ「ありますよ、悠里」」
にっこりオーグさんが笑っている。
「好きな人にキスを送ってもらえれば、誰だって無事に過ごせるでしょう?」
「そ、そう、かな?」
「んなわけグエ「そうですよ」」
やっぱりニコニコ笑っている。うーん?まあいいか。
「お馬鹿なミリスのチーターちゃん、ボク達に勝てるかな?!」
「おうちを盗られた可哀想なニャンコちゃん!」
レイリーはそんな見え見えの挑発には乗らずに静かに立っている。速さに全てをふりきったレイリーの立ち姿はすらりとしていて、しなやか。
気負いもなく、さわさわと吹き抜ける風のように自然だ。
「えへー!チューしてもらっちゃったー!」
そうでもなかった。
耳の上についたふさふさの黒い房毛をふるっと動かし恋人の二人はお互いに抱きしめ合う。
「あーやだやだ、美しくない。一番は君だよ、ナリン。ボクの美しい片割れ」
「本当に。醜いね、セリン。ああ、ボクの愛しい片割れ」
間に楔すら打ち込めないほど、ピッタリときつく抱きしめ合う二人は同じ顔をしている。
「……恋人ってそっくりだね?双子なのかい?」
問いかける悠里に睦月はげぇと舌を出しながら答える。
「双子だよ、男のね。ブラコンのナルシストさ。兄弟と濃厚に絡み合うなんてちょっと勘弁して欲しいぜ」
遠くても見晴らしが良いからよく見える。ナリンとセリンはたくさんの兵士たちが緊迫する中、キスをする。しかもかなり濃厚に。
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