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86 川がまた見えた*
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「死んだばーちゃんが杖でいっぱい叩いて追い返してくれました」
「ひぃぃいん! ごめんってばぁ~凛莉ちゃぁん、サファイアちゃあん」
「ごめんですんだら神様は要らないぞ、シトリン」
「ぴぇぇえ~~」
俺の、凛莉師匠の結構筋張った大きなゲンコツでこめかみをぐりぐりされたシトリンは泣いて喜んでいたが、根性で「もうしません」はいわなかった……あいつめ。
次にあった極会議で一番に取っ捕まえて、先日のお礼をたっぷりしてやった。
「何度逃げ出そうとしても足を掴まれベッドに引き戻される恐怖……ううっ恐ろしい」
「時間差で効いてくるとは思わなかった」
シトリンの作ったとどのつまり、催淫剤は非常によく効いた。毒物劇薬を嗅ぎ分ける能力を鍛えて上げた闇暗殺者の俺達にも錬金術師極の薬は劇的な効果を速攻でもたらした。
吸った瞬間からあまり記憶がないが、多分自分から誘っている気がする。何を口走ったか覚えていないし、思い出したくもないが相当相手を興奮させるようなことをいったんだとは思う。
そして俺達から薬の効果が切れて正気に戻る頃、時間差でお相手が絶好調に盛り上がっているというとんでもなく計算し尽くされた状況になったのだ。
「フ、フロウ……フロウライトさん!? お、俺が誰だか、わ、分かりますかぁ……っ?!」
「凛莉……凛莉……もっと、したい」
「いや、俺はもう良いかなぁーーって」
「駄目だ、もっと、もっと君の中に!」
「ひぃっ!」
頭は冴えてきたけれど、それまでに散々善がり狂った身体はいうことを聞かず、グッとのし掛かられたらひとたまりもない。
「あふっ……っんっ! 深いぃ……っ」
「ああ、凛莉……最高だ、気持ち良い」
「ぅうん……あ、そんな、奥っしたら、やっイくぅーっ!」
吸っただけなのに、頭の中に作用する何かが含まれているのか、感覚が鋭敏になっている。何度も突き上げられた場所をもう一度なぞられただけで腹の奥がぶるりと震えて、快楽物質を放出する。
「凛莉っ」
「欲しい、ナカにぃ……気持ちよくしてぇ!」
収縮を繰り返す腸内に吐精されるのが一番気持ち良い。もしかしたら間違っているかもしれないけれど、この身体はそれが一番だと思い込まされている……少し悔しいが、フロウライトにそういう風に躾けられてしまった。
この馬鹿みたいにデカいのに貫かれて奥の奥まで味わい尽くされるのが最高に良い物なんだって身体が覚えてしまった。
「ん……ぁは、すごい……」
狭い腸内が白濁に塗れているのが分かる……抜いたら後ろから音を立てながら溢れるんじゃないかな……。
「フロウ……抜いて……フロウ……?」
「ふーっふーっ」
「フロウ……?……一度、抜いて……ちょっ!」
異変に気がついたけれど、上に乗られて突っ込まれたままでは碌な抵抗はできなかった。一度出せば少しはスッキリして話でもできるかと思ったら、ナカのモノはガッチガチに固いまま、寧ろさっきより激しく主張している気がする。
「あーーっ!」
「フロウ! フロウライトっ! うぐぅっ!」
星が飛ぶ所の話じゃなかった。あまりに激しく腰を打ちつけられて、内臓が押されて吐き気がする。ばちゅん、ばちゅんと肉と肉が激しくぶつかる音と、粘液と精液が混じった液が飛び散る淫猥な音。
「ひっ! 苦し、っあぅ!」
それなのに「これは気持ちが良いこと」だと教え込まれた身体は悦んで悶える。
「フロウ……っ、あっ!やぁーーっ」
もう獣みたいな息遣いしか聞こえない。これはあの薬の作用だと気がついてもどうしようもない。俺達は早く効いたが抜けるのも早かった。でも薬物への耐性が低いフロウライトへは効果も高く、効いている時間も長いだろう……!
「フロウっフロウ! あぅっ」
何とか話しかけてみたけれど、全然聞こえていないようで何の効果も得られなかった……。
そうして気がついたらまた凛莉師匠のご両親に追い返して貰い、ぐっちゃぐちゃでどろどろの俺をまだ揺さぶっているフロウライトに遭遇した訳だった。
「おまえぇ……まだぁ……?」
「りんりぃ……わたしの、りんりぃ……あいしてる……」
やっとそこで体力が尽きて落ちた。どさりと力が抜けた体が覆い被さってきて、つい背中をぽんぽんと叩いてしまった。
「お疲れさん……」
それでもまだ突っ込まれたままだったのにはかなり呆れてしまったけれど。
まあ、そんなこんなで俺もサファイア君も三途の川をギリギリ渡らずに済んだので、シトリンに教育的指導を敢行しているのだった。
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