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52 デカくても可愛いです
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「何故、国王にあんな飲ませ方を?」
「ん、そりゃ後遺症が残ったら面倒だろう。頭がイカれたら面倒だから近い鼻から薬をいれるし、喉が腐ったら喋れないから口から飲ませるし……まあ口からは腹まで届くけどな。尻が腐ったら……臭いぞ?」
「む? 確かに」
ま、もっとちゃんとした摂取のさせ方っていうのはあるんだけど、王太子の準備ができるまでの椅子温め係はその程度で良いだろう。適当でいい、適当で。
「ちゃんと扱ってやる義理もなかっていうか」
「そうだな……依頼通り国王も無事だった……というかすっかり治ってしまったな」
「依頼はきっちりこなす主義なんだ」
国王に解毒薬を摂取させ、襲って来た暗殺者の一人を捕まえた後、俺とフロウライトは歩いて王宮を後にした。
「私のフィンに乗って帰ろう」
「ああ、グリフォン?やめとくよ、グリフォンでマークの家にいくのか?」
市内警備は民衆を怖がらせるからって騎獣は置いてきてるくせに、何か早く帰りたい訳でもあるのか?
「フィンは賢いからどこで離しても家に帰る……だって、君は」
「私がどうかしたか?」
「パ、パンツ穿いてないのだろう?! そのままで良いわけがない!」
「ぶっ」
そこかよ! 流石に吹き出すぞ!
「くるるる~~」
「嫌われるかと思ったけど好意的に迎えられたな」
フロウライトの騎獣のグリフォンのフィンは意外と俺の手を噛むこともなく、羽毛に覆われた鷲の頭を下げて来た。撫でろということらしい。フィン用という小さな音が鳴る笛を吹くと暗い夜空のどことからもなく風を切る羽音が聞こえて来て、すぐ近くに立派な体格のグリフォンが音もなく着地する。
「グリフォンは賢い。自分より強いものには首を垂れるし……君にはその、私の匂いがたっぷり染み付いている、から」
「ああ!成程」
そういえばそうだな、体の中までたっぷりだ……。
「二人乗りできるのか? 三人分以上の体重があるぞ?」
「フィンなら平気だ」
先にグリフォンに跨ったフロウライトが伸ばす手を軽く握り、ぽんと飛び上がる。
「体重がないようだ」
「あるよ?人の倍くらいは」
「分かっているが身のこなしが軽すぎる。薄布でも引き上げたようだ」
「はは、共通点は透けている所だけだ」
またあちこちスケスケで服を作ってるからな、サファイア君は。
「フィン、マークの家まで」
「くるるぅ」
フロウライトが声をかけると、知ってると言わんばかりにフィンは翼を力強く羽ばたかせて、その場から垂直に浮いた。なんて力! 流石魔獣だけのことはある。それに浮遊の魔法も使っているだろう。地面に魔力と翼から巻き起こる風で小さな竜巻が起き、俺達を背に乗せたグリフォンは地面から離れる。
「すげぇ」
「流石のマラカイト・凛莉もグリフォン飛行は初めて?」
「グリフォン狩りの時に、空中で仕留めながら飛び回った時以来かな?いうことを聞いてくれるグリフォンは初めてだな」
「それは嬉しいな、フィン。お前の美しい飛行を見せてやると良い」
「くるる~~っ」
お?サービスしてくれるのか?そりゃ楽しみだ。俺はわくわくしながら上昇してゆくグリフォンの背で星空を見上げた。
「ん、そりゃ後遺症が残ったら面倒だろう。頭がイカれたら面倒だから近い鼻から薬をいれるし、喉が腐ったら喋れないから口から飲ませるし……まあ口からは腹まで届くけどな。尻が腐ったら……臭いぞ?」
「む? 確かに」
ま、もっとちゃんとした摂取のさせ方っていうのはあるんだけど、王太子の準備ができるまでの椅子温め係はその程度で良いだろう。適当でいい、適当で。
「ちゃんと扱ってやる義理もなかっていうか」
「そうだな……依頼通り国王も無事だった……というかすっかり治ってしまったな」
「依頼はきっちりこなす主義なんだ」
国王に解毒薬を摂取させ、襲って来た暗殺者の一人を捕まえた後、俺とフロウライトは歩いて王宮を後にした。
「私のフィンに乗って帰ろう」
「ああ、グリフォン?やめとくよ、グリフォンでマークの家にいくのか?」
市内警備は民衆を怖がらせるからって騎獣は置いてきてるくせに、何か早く帰りたい訳でもあるのか?
「フィンは賢いからどこで離しても家に帰る……だって、君は」
「私がどうかしたか?」
「パ、パンツ穿いてないのだろう?! そのままで良いわけがない!」
「ぶっ」
そこかよ! 流石に吹き出すぞ!
「くるるる~~」
「嫌われるかと思ったけど好意的に迎えられたな」
フロウライトの騎獣のグリフォンのフィンは意外と俺の手を噛むこともなく、羽毛に覆われた鷲の頭を下げて来た。撫でろということらしい。フィン用という小さな音が鳴る笛を吹くと暗い夜空のどことからもなく風を切る羽音が聞こえて来て、すぐ近くに立派な体格のグリフォンが音もなく着地する。
「グリフォンは賢い。自分より強いものには首を垂れるし……君にはその、私の匂いがたっぷり染み付いている、から」
「ああ!成程」
そういえばそうだな、体の中までたっぷりだ……。
「二人乗りできるのか? 三人分以上の体重があるぞ?」
「フィンなら平気だ」
先にグリフォンに跨ったフロウライトが伸ばす手を軽く握り、ぽんと飛び上がる。
「体重がないようだ」
「あるよ?人の倍くらいは」
「分かっているが身のこなしが軽すぎる。薄布でも引き上げたようだ」
「はは、共通点は透けている所だけだ」
またあちこちスケスケで服を作ってるからな、サファイア君は。
「フィン、マークの家まで」
「くるるぅ」
フロウライトが声をかけると、知ってると言わんばかりにフィンは翼を力強く羽ばたかせて、その場から垂直に浮いた。なんて力! 流石魔獣だけのことはある。それに浮遊の魔法も使っているだろう。地面に魔力と翼から巻き起こる風で小さな竜巻が起き、俺達を背に乗せたグリフォンは地面から離れる。
「すげぇ」
「流石のマラカイト・凛莉もグリフォン飛行は初めて?」
「グリフォン狩りの時に、空中で仕留めながら飛び回った時以来かな?いうことを聞いてくれるグリフォンは初めてだな」
「それは嬉しいな、フィン。お前の美しい飛行を見せてやると良い」
「くるる~~っ」
お?サービスしてくれるのか?そりゃ楽しみだ。俺はわくわくしながら上昇してゆくグリフォンの背で星空を見上げた。
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