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3 服飾のレベルアップ~ボタン付けはお手の物
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私は学園が始まるとすぐに服飾の教授リリエン先生の元へ赴いてマダム・エリンの元でレベルアップをする旨を伝えた。
「良いでしょう。金銭の授受を伴わないとも聞いています。学業に支障をきたさぬ様、行ってください」
「はいっありがとうございます、リリエン先生」
こうして私は授業以外の場所でレベルアップが出来るようになったのです。勿論学園の授業も今まで田舎にしかいなかった私には新鮮だし、難しくもありで、解けるたびにレベルが上がっている気がします!これはまた一歩幸せに近づいたのではないでしょうか!?
「あら、あなた。補修が上手なのね」
「ええ、お洋服はほとんど手直しをして着ていましたから」
「それならお客様の物も補修してもいいわね。今日から針を持ってみて頂戴」
「はいっ!」
掃除の他にお直しを手伝えることになったわ。これは完全にレベルが上がったわね!そしてそのうちにボタン付けや見えない所のかがり縫い、綺麗に見える縫い方など色々教わっていって、もうレベルは上がって上がって止まらないって感じになったの。やっぱり一流に学ぶとレベルアップも凄いスピードなのね。ここは教えてくれる人が本当に沢山いて凄いわ!
「マリーは本当に何でも楽しそうにやるから教えていて楽しい」
「レベルを上げてるんです!」
「レベルって……でも何にでも一生懸命だよねえ」
「ですからレベルです、レベルは全て幸せにつながってるんですよ!」
レベルの話をすると工房のお針子さん達に笑われたりするけれど、段々皆納得してくれたわ。やっぱりお母様の教えは正しかったんだわ。
「あら?」
「あ、すまないマリーさん」
今日は何を教えてくれるのかな?あ、ダメダメ。学園では学業に集中よ!と気合を入れ直していた私の足にコツンとボタンが転がって来て当たったの。拾って見上げれば、同じクラスの男子……確かクラウス・サイガ子爵令息が立っていた。
「取れちゃった?大丈夫」
「ああ、糸が切れてしまってね。なあにボタンが一つくらいついていなくても問題ないさ」
あらあら、そんなことを言ってるって事はきっとつけられないのね。
「つけましょうか?失くしてしまっては厄介ですし」
「いいのかい?」
「ええ、簡単ですもの」
何せ私にはマダム・エリンから貰った針と糸があるものね。すすっと出してささっと縫い付けて完成よ。
「……ありがとう。マリー嬢は器用なんだね」
「ふふ、これもレベルアップの成果なの」
「レベル……アップ?」
また不思議な顔で見られたけど、レベルアップは良い物なのよ?にっこり笑うとクラウスさんも笑ってくれたからレベルアップの良さは伝わったと思うわ。
「良いでしょう。金銭の授受を伴わないとも聞いています。学業に支障をきたさぬ様、行ってください」
「はいっありがとうございます、リリエン先生」
こうして私は授業以外の場所でレベルアップが出来るようになったのです。勿論学園の授業も今まで田舎にしかいなかった私には新鮮だし、難しくもありで、解けるたびにレベルが上がっている気がします!これはまた一歩幸せに近づいたのではないでしょうか!?
「あら、あなた。補修が上手なのね」
「ええ、お洋服はほとんど手直しをして着ていましたから」
「それならお客様の物も補修してもいいわね。今日から針を持ってみて頂戴」
「はいっ!」
掃除の他にお直しを手伝えることになったわ。これは完全にレベルが上がったわね!そしてそのうちにボタン付けや見えない所のかがり縫い、綺麗に見える縫い方など色々教わっていって、もうレベルは上がって上がって止まらないって感じになったの。やっぱり一流に学ぶとレベルアップも凄いスピードなのね。ここは教えてくれる人が本当に沢山いて凄いわ!
「マリーは本当に何でも楽しそうにやるから教えていて楽しい」
「レベルを上げてるんです!」
「レベルって……でも何にでも一生懸命だよねえ」
「ですからレベルです、レベルは全て幸せにつながってるんですよ!」
レベルの話をすると工房のお針子さん達に笑われたりするけれど、段々皆納得してくれたわ。やっぱりお母様の教えは正しかったんだわ。
「あら?」
「あ、すまないマリーさん」
今日は何を教えてくれるのかな?あ、ダメダメ。学園では学業に集中よ!と気合を入れ直していた私の足にコツンとボタンが転がって来て当たったの。拾って見上げれば、同じクラスの男子……確かクラウス・サイガ子爵令息が立っていた。
「取れちゃった?大丈夫」
「ああ、糸が切れてしまってね。なあにボタンが一つくらいついていなくても問題ないさ」
あらあら、そんなことを言ってるって事はきっとつけられないのね。
「つけましょうか?失くしてしまっては厄介ですし」
「いいのかい?」
「ええ、簡単ですもの」
何せ私にはマダム・エリンから貰った針と糸があるものね。すすっと出してささっと縫い付けて完成よ。
「……ありがとう。マリー嬢は器用なんだね」
「ふふ、これもレベルアップの成果なの」
「レベル……アップ?」
また不思議な顔で見られたけど、レベルアップは良い物なのよ?にっこり笑うとクラウスさんも笑ってくれたからレベルアップの良さは伝わったと思うわ。
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