【完結】悪役令息の祖父のワシが神子をハメたら殿下がおかしくなった。溺愛とかジジィには必要ないです、勘弁してくだされ

鏑木 うりこ

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番外編

21 やらかしリドリー4

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「このリドリー!誠心誠意大旦那様にお仕え致します!」

「……どの口が言うかーーー!」

 大旦那様にインク壺を投げつけられたけど、簡単にキャッチ出来た。

「だってぇ」


「ほう、惚れ薬な。効果は短そうだな」

「そうみたいです」

 ダスティン様はなんと給料をくれなかったんだ!!ケチ!!

「金を払うなんて一言も言ってないが?」

「うぎゃーーーー!」


「だから、やっぱり俺には大旦那様と殿下しかいないなって!!」

「黙れ!リドリー!!」

「そ、そんな事言わずにぃー。回復魔法かけますから~~」

「む、むう」

 あの惚れ薬の効果は2.3時間という所で、すっかりあの可愛いダグラス様は居なくなっていた。

「リドリー!私のダグに近づくな!!」

「殿下がヤりすぎて大旦那様が腰が痛いっていうからー回復魔法ですよーっと」

「む、むう」

 ちょっとだけあの大旦那様は可愛いなと思ったけれど、殿下と大旦那様はお似合いだ。この2人は一緒にくっ付いていた方が良いし、似てきている。夫婦は似るって言うしね。

「で、緑の瓶は惚れ薬だと?」

「そう思います。いやぁ良い効き目でしたね!」

「リドリー、減給!!」

「ひえっ!!」

 ううっこれは仕方がない。またどこかでボーナスを貰うしかない。あーあ。

 バンドール家で謹慎を言い渡されて、王宮から追い出される。

「でね、そん時の大旦那様がちょーーーっとだけ可愛かったんですよ」

「あらまあ」

 内緒にしろなんて言われてないから、芋の皮剥きを手伝いながらメイドちゃん達とおしゃべりをしていた。

「まあ、カレリオ様もお可愛らしい方ですしね。大旦那様も美形ですし」

「だよねー!血筋かな?あーあ、俺も可愛いお嫁さんがちょっとだけ欲しいなーって思っちゃったけど、あんな人いないよねー」

 そんなにごろごろいるタイプじゃないもんね。

「あら、ああ見えてカナン様は痩せたら素敵ですよ。何せ大旦那様の息子で、カレリオ様のお父様ですから」

「は?!」

 あの余計なことしかしない樽が?

「ええ。髪の毛は銀色のじゃないですが。リドリーの好きなお金の色と一緒の金髪だし、目なんかは大旦那様そっくりですよ」

「嘘だぁ!」

「ほんとですよ?」

 えー!なんか俺、興味出て来ちゃった!

「ねえねえ、あの樽侯爵をダンジョンに連れ回したら痩せるかな??」

「ふふ!恐怖でほっそりしてしまうかもしれませんね」

「それだ!」

 そうと決まればカレリオ様に了承をとってこよ!きっと笑顔で許可してくれると思う。

「うわー、なんだか楽しくなって来ましたよー!」

 俺はスキップしながら、カレリオ様の執務室に急ぐのだった!


 
 やらかしリドリー【終】






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