81 / 122
81 ワシ、なんか違うと思う
しおりを挟む
卒業旅行、学生達の最後の語らい。ワシらも若い頃やったね。全員でしっかり士官して、国を支えて行こうって誓い合った次の日にケンウッドは学園に逃げたけどね。で、皆で同じ部屋に泊まったりしてさ、未来を想像したりしたよね?
「私とダグラス様。ジェスターとケンウッド様」
なんか違うんじゃないですかの?殿下。
「ダスティン様とサディーア「勘弁してく「それで行こう」うぐぅ」で、問題ないな?」
「トレヴァーとレイモンド様で部屋を取りました」
「いや待て、なんでワシが小坊主と一緒なんじゃ!?卒業旅行って話じゃろう!?」
「私は一向に構いませんッ!レイモンド様っ!」
「黙れ、小坊主!卒業する者同士、色々積もる話もあるじゃろう、そういう事のはずじゃが!?」
うん、ワシもケンウッドもレイモンドと同じ意見じゃ。じゃがの……我らが同期の鬼畜眼鏡はそうではなかったようでの……?
「ハァ。レイモンドは頭が固いのですよ。今の時代そんな古臭い考えではいけません。最近手に入れた婚約者が一緒なんですよ?そりゃ同じ部屋に泊まりたいでしょうが。気を使ってくださいよ、レイ」
「ワシは婚約者なんておらんし?それにお主の孫は首を横に振っておるぞ!?お前と同室はイヤだとみたが?」
「サディーア」
あ、出た。ダスティンの不死鳥も凍らせると噂の冷たい氷の刃のような声。怒ってる怒ってる。
「アヒャアア!わ、わわわわたしはわたしは、ダスティン様と同じお部屋に泊まってしっぽりぬっぽり楽しく三日くらい篭りたい所存でございますううううううう!」
うん、サディーアにはホントすまない事をしたと思っている。ごめんな、サディーア。助けられることがあったら助けてやるからな……。青いというより白い……いや、土気色の顔でガタガタ震えるサディーアがあまりに可哀想で流石のワシも同情してしまった。
「だ、大丈夫だ、サディーア!しっかりしろ!」「そうだぞ、サディーア!サディーアの部屋はダスティン様と一緒だぞ!」「三日でも四日でも篭るがいいぞ!」
「あひゃ……ひゃ……」
親友たちの心遣いはサディーアを追いつめるだけなのだが、まあ……ごめんね?リドリーに頼んでいい塗り薬捜してもらうとしよう……。
「まあ、そう言うわけだ、レイモンド。大人しくお前はトレヴァーの嫁になれ」
「全く意味が分からん!!!」
「私とダグラス様。ジェスターとケンウッド様」
なんか違うんじゃないですかの?殿下。
「ダスティン様とサディーア「勘弁してく「それで行こう」うぐぅ」で、問題ないな?」
「トレヴァーとレイモンド様で部屋を取りました」
「いや待て、なんでワシが小坊主と一緒なんじゃ!?卒業旅行って話じゃろう!?」
「私は一向に構いませんッ!レイモンド様っ!」
「黙れ、小坊主!卒業する者同士、色々積もる話もあるじゃろう、そういう事のはずじゃが!?」
うん、ワシもケンウッドもレイモンドと同じ意見じゃ。じゃがの……我らが同期の鬼畜眼鏡はそうではなかったようでの……?
「ハァ。レイモンドは頭が固いのですよ。今の時代そんな古臭い考えではいけません。最近手に入れた婚約者が一緒なんですよ?そりゃ同じ部屋に泊まりたいでしょうが。気を使ってくださいよ、レイ」
「ワシは婚約者なんておらんし?それにお主の孫は首を横に振っておるぞ!?お前と同室はイヤだとみたが?」
「サディーア」
あ、出た。ダスティンの不死鳥も凍らせると噂の冷たい氷の刃のような声。怒ってる怒ってる。
「アヒャアア!わ、わわわわたしはわたしは、ダスティン様と同じお部屋に泊まってしっぽりぬっぽり楽しく三日くらい篭りたい所存でございますううううううう!」
うん、サディーアにはホントすまない事をしたと思っている。ごめんな、サディーア。助けられることがあったら助けてやるからな……。青いというより白い……いや、土気色の顔でガタガタ震えるサディーアがあまりに可哀想で流石のワシも同情してしまった。
「だ、大丈夫だ、サディーア!しっかりしろ!」「そうだぞ、サディーア!サディーアの部屋はダスティン様と一緒だぞ!」「三日でも四日でも篭るがいいぞ!」
「あひゃ……ひゃ……」
親友たちの心遣いはサディーアを追いつめるだけなのだが、まあ……ごめんね?リドリーに頼んでいい塗り薬捜してもらうとしよう……。
「まあ、そう言うわけだ、レイモンド。大人しくお前はトレヴァーの嫁になれ」
「全く意味が分からん!!!」
53
お気に入りに追加
2,681
あなたにおすすめの小説
幽閉王子は最強皇子に包まれる
皇洵璃音
BL
魔法使いであるせいで幼少期に幽閉された第三王子のアレクセイ。それから年数が経過し、ある日祖国は滅ぼされてしまう。毛布に包まっていたら、敵の帝国第二皇子のレイナードにより連行されてしまう。処刑場にて皇帝から二つの選択肢を提示されたのだが、二つ目の内容は「レイナードの花嫁になること」だった。初めて人から求められたこともあり、花嫁になることを承諾する。素直で元気いっぱいなド直球第二皇子×愛されることに慣れていない治癒魔法使いの第三王子の恋愛物語。
表紙担当者:白す(しらす)様に描いて頂きました。
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
異世界で8歳児になった僕は半獣さん達と仲良くスローライフを目ざします
み馬
BL
志望校に合格した春、桜の樹の下で意識を失った主人公・斗馬 亮介(とうま りょうすけ)は、気がついたとき、異世界で8歳児の姿にもどっていた。
わけもわからず放心していると、いきなり巨大な黒蛇に襲われるが、水の精霊〈ミュオン・リヒテル・リノアース〉と、半獣属の大熊〈ハイロ〉があらわれて……!?
これは、異世界へ転移した8歳児が、しゃべる動物たちとスローライフ?を目ざす、ファンタジーBLです。
おとなサイド(半獣×精霊)のカプありにつき、R15にしておきました。
※ 設定ゆるめ、造語、出産描写あり。幕開け(前置き)長め。第21話に登場人物紹介を載せましたので、ご参考ください。
★お試し読みは、第1部(第22〜27話あたり)がオススメです。物語の傾向がわかりやすいかと思います★
★第11回BL小説大賞エントリー作品★最終結果2773作品中/414位★応援ありがとうございました★
すべてを奪われた英雄は、
さいはて旅行社
BL
アスア王国の英雄ザット・ノーレンは仲間たちにすべてを奪われた。
隣国の神聖国グルシアの魔物大量発生でダンジョンに潜りラスボスの魔物も討伐できたが、そこで仲間に裏切られ黒い短剣で刺されてしまう。
それでも生き延びてダンジョンから生還したザット・ノーレンは神聖国グルシアで、王子と呼ばれる少年とその世話役のヴィンセントに出会う。
すべてを奪われた英雄が、自分や仲間だった者、これから出会う人々に向き合っていく物語。
【完結】悪役令息の従者に転職しました
*
BL
暗殺者なのに無様な失敗で死にそうになった俺をたすけてくれたのは、BLゲームで、どのルートでも殺されて悲惨な最期を迎える悪役令息でした。
依頼人には死んだことにして、悪役令息の従者に転職しました。
皆でしあわせになるために、あるじと一緒にがんばるよ!
本編完結しました!
『もふもふ獣人転生』に遊びにゆく、舞踏会編、はじめましたー!
他のお話を読まなくても大丈夫なようにお書きするので、気軽に楽しんでくださったら、とてもうれしいです。

精霊の港 飛ばされたリーマン、体格のいい男たちに囲まれる
風見鶏ーKazamidoriー
BL
秋津ミナトは、うだつのあがらないサラリーマン。これといった特徴もなく、体力の衰えを感じてスポーツジムへ通うお年ごろ。
ある日帰り道で奇妙な精霊と出会い、追いかけた先は見たこともない場所。湊(ミナト)の前へ現れたのは黄金色にかがやく瞳をした美しい男だった。ロマス帝国という古代ローマに似た巨大な国が支配する世界で妖精に出会い、帝国の片鱗に触れてさらにはドラゴンまで、サラリーマンだった湊の人生は激変し異なる世界の動乱へ巻きこまれてゆく物語。
※この物語に登場する人物、名、団体、場所はすべてフィクションです。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる