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75 ワシ、許せ、と思う
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「良いか、セブスト。良く聞け、セブスト。優しくだ、優しくするんだ……無理やりなんてとんでもないぞ。もうそんな事しちゃ駄目だ、優しく優しく……痛いって言ったら止めるんだ、何回もするんじゃない……気を失うまでなんてとんでもないぞ……良いな、セブスト。お前は優しさを忘れないでいてくれ……あと頼むからダグラス様にお爺様の弱点を聞き出してくれ……頼む、頼む……」
そんなことを言われたと青い顔でワシに殿下は報告してきた。そうか、サディーアも学生さんだったな。月曜日から金曜日までは平穏か……。週末は可哀想だが頑張ってもらうしかないな。王宮にゼフ家の当主をサディーアの父、アーノルドに替えるという書類は滞りなく提出されたようで、サディーアは頑張ったんだなと目に涙が浮かんだが、まあこれからも頑張って欲しい。ダスティンの餌的な意味で。
「ダスティンに弱点なんかないぞ……強いて言えばパプリーが嫌いなくらいじゃよ」
「……サディーアに伝えておきます……」
弱点なんぞあったら最初にワシがついておるわ。まあ、メルクリーアが好きすぎて固執しまくってたのは弱点と言えば弱点か?
ただし、指摘したことはない。逆上したら手がつけられんからな。
そういえばダスティンとサディーアの婚約手続き書が提出されておったな……。微妙にサディーアの字と違うが、ワシでなくては見抜けぬくらいそっくりな字であったな……。
問題ない書類として通したがな?ワシの生い先短い人生を更に縮めようとする罠はあちこちに仕掛けられておるぞ。
「ダグラス!小坊主をなんとかしろー!」
「お待ちください!レイモンド様!さあ!一緒に修行しましょう!負けませんよ、あははは!あ、殿下。私は忙しいのでまた後で!」
ワシが平日にカンヅメされておる殿下の執務室の前の廊下を元気な若者?が二人駆け抜けて行った。
「トレヴァーは元気そうじゃの……」
「トレヴァーですから……」
トレヴァーは鬼狩りと騎士団員からひそひそと呼ばれているらしく、
「トレヴァー!頑張れ!私達はお前を応援しているぞ!」
「そうだそうだ!このまま鬼……違ったレイモンド様と結婚してしまえ!そうすれば一日中修行し放題だぞ!」
「そうだそうだ!永遠にレイモンド様のお相手をしてろ!」
「わ、分かりました!」
何が分かったのか知らないけれど、頭の固いトレヴァーは騎士団員に言われた事を真に受けているし
「な、なんじゃそのワシと小坊主がくっ付けば良いみたいな流れは!ええい!お前ら全員稽古をつけてやるっ!」
「ひぇええええーー!鬼ィ!」
「レイモンド様!稽古ならばこのトレヴァーに!!」
「ひぇーーー!鬼狩りィ!」
「もう小坊主はいらん!あっちへいけ!しっしっ!」
「レイモンド様ぁーー!」
と、ランニングしながら、一日中この調子らしい。
「トレヴァーは毎日楽しいみたいです!」
殿下がニコニコしておるから、トレヴァーは放っておいて良いようじゃな……。重ねて言う
「許せ、レイモンド」
そんなことを言われたと青い顔でワシに殿下は報告してきた。そうか、サディーアも学生さんだったな。月曜日から金曜日までは平穏か……。週末は可哀想だが頑張ってもらうしかないな。王宮にゼフ家の当主をサディーアの父、アーノルドに替えるという書類は滞りなく提出されたようで、サディーアは頑張ったんだなと目に涙が浮かんだが、まあこれからも頑張って欲しい。ダスティンの餌的な意味で。
「ダスティンに弱点なんかないぞ……強いて言えばパプリーが嫌いなくらいじゃよ」
「……サディーアに伝えておきます……」
弱点なんぞあったら最初にワシがついておるわ。まあ、メルクリーアが好きすぎて固執しまくってたのは弱点と言えば弱点か?
ただし、指摘したことはない。逆上したら手がつけられんからな。
そういえばダスティンとサディーアの婚約手続き書が提出されておったな……。微妙にサディーアの字と違うが、ワシでなくては見抜けぬくらいそっくりな字であったな……。
問題ない書類として通したがな?ワシの生い先短い人生を更に縮めようとする罠はあちこちに仕掛けられておるぞ。
「ダグラス!小坊主をなんとかしろー!」
「お待ちください!レイモンド様!さあ!一緒に修行しましょう!負けませんよ、あははは!あ、殿下。私は忙しいのでまた後で!」
ワシが平日にカンヅメされておる殿下の執務室の前の廊下を元気な若者?が二人駆け抜けて行った。
「トレヴァーは元気そうじゃの……」
「トレヴァーですから……」
トレヴァーは鬼狩りと騎士団員からひそひそと呼ばれているらしく、
「トレヴァー!頑張れ!私達はお前を応援しているぞ!」
「そうだそうだ!このまま鬼……違ったレイモンド様と結婚してしまえ!そうすれば一日中修行し放題だぞ!」
「そうだそうだ!永遠にレイモンド様のお相手をしてろ!」
「わ、分かりました!」
何が分かったのか知らないけれど、頭の固いトレヴァーは騎士団員に言われた事を真に受けているし
「な、なんじゃそのワシと小坊主がくっ付けば良いみたいな流れは!ええい!お前ら全員稽古をつけてやるっ!」
「ひぇええええーー!鬼ィ!」
「レイモンド様!稽古ならばこのトレヴァーに!!」
「ひぇーーー!鬼狩りィ!」
「もう小坊主はいらん!あっちへいけ!しっしっ!」
「レイモンド様ぁーー!」
と、ランニングしながら、一日中この調子らしい。
「トレヴァーは毎日楽しいみたいです!」
殿下がニコニコしておるから、トレヴァーは放っておいて良いようじゃな……。重ねて言う
「許せ、レイモンド」
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