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64 ワシ、ピンチ

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「このリドリー、殿下の臨時護衛としてダグラス様の元をしばし離れるのをお許しください」

「ボーナスは王家の方に何とかしてもらえ」

「よろしくお願いしまっす!」

 バッとリドリーが頭を下げるのを侍従殿は苦笑いで見ておった。無給はいかんぞ、リドリーのやる気がなくなってしまうからのう。

「ではちょっと行って竜核を分捕ってきます!すぐ帰って参りますから、お待ちくださいね!」

「殿下こそお気をつけて。ワシは同行しても足手まといにしかなりませんから」

 絶対ですよーー!と元気に手を振りつつ、リドリーと共に火竜退治に出かけた。さて、ワシは久しぶりの自由を味あうかのう!

「流石に少し温泉街を見て歩いても文句は言わんじゃろう?」

「勿論でございますとも!ダグラス様!」

 いつもワシに殿下の予定を伝えるちゃっかりした侍従殿が、頭を深々と下げておる。まったくどうなっておるんじゃい!ワシはぷらりと温泉街へ足を向けた。

「……しかし、リングス家はどうしてこうなる前に手を打たなんだか……」

 思ったより街はさびれていて、治安も今一つだった。閉店してそのままの店があちらこちらにあり、がらの悪そうなおお兄ちゃんや、おじさん達ががあちこちに座り込んでいる。うーん……これはいかん。
 もともとオルトラ温泉郷は庶民から貴族まで気軽に入れる温泉施設として人気じゃったのに、これじゃ怖くて気軽に来ることが出来ないじゃないか!


 そしてワシ、ピンチである。

「静かにしてついてきて貰おうか」

「うっ……」

 ナイフを突きつけられ拉致られてしもうた……。まさかここまで町の治安が乱れているとは思わなかったんじゃ……。


「で?どうすんだよ、お嬢さん方?」

「え……」

 怪我をしたくないワシは大人しくガラの悪い男達に捕まり、縛り上げられた。そんなワシが突き出された先は、阿呆な令嬢が二人おる別荘だった。

「こ、この人のせいで、ジャネス様が修道院にいかされてしまったのよ!」

「わ、私達が仇を打つよの!」

 ワイドナ伯爵令嬢とベルリンツ子爵令嬢か。

 阿呆か。確かワイドナ伯爵の領地はウチバンドール領とはリングス公爵領を挟んで向かい側。その先にベルリンツ領があったのう。貰お!
 ワイドナ伯爵、ベルリンツ子爵。御二方に恨みはないが、娘の教育を誤ったツケじゃ。沈んでしまったリングス公爵家と手を切らんから、地獄へ一緒に引き込まれるんじゃよ?

 貴族の世界は厳しいんじゃからの??





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 今日でアルファポリスBLコンの最終日ですね!三回投票はお済ですか?私は入れてきましたが、3票じゃたりなーい!と叫んでいました(*‘ω‘ *)

 最終日という事で、まだあるストックをぽいぽい投稿していきたいと思います。昨日の夜は寝落ちして凄い時間に登校していました……!今年も書けて良かったです!



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