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61 ワシ、その現象を知っている
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「ボーナス?何の事かワシにはさっぱり分からぬなぁ」
「いやあのその……殿下、殿下!ダグラス様がカットしたボーナス分!殿下、くださいますよね?!」
「勿論だとも、リドリー……あ、ごめん、やっぱり無理」
「のぉおおおーー!」
ワシが物凄い目で殿下を睨め付けたので、さしもの殿下も気がついたようじゃわい。
だが無常にもワシと殿下、面白いのでリドリーも乗せた馬車は順調にオルトラ温泉郷に向かって進んでおった。
「でも何でリドリーが特殊配合最高級媚薬を持っているんだ?そんなにホイホイ出る物じゃないだろう?」
「出ますけど?」
いや、それも確か5%くらいの確率じゃよね??
「魔王が封印された後もあのダンジョンのボスはでるじゃないですか。鍛えるのに最適なんでグルグル回ってるんですけど、3回に1回くらいは出ますよ、秘薬系」
「は?!嘘だろ!」
リドリー、それは絶対に嘘じゃろ?そんなに出るもんではないぞ?3回に1回?それじゃ33%ではないか、あり得んぞ??
「出ますって。いっぱい持ってますもん。あーこれが運の差?ですかねぇ??」
じゃらり、とリドリーは鞄を開くと、殿下が必死で拾ってきた秘薬が3本既に見えている。特殊配合最高級媚薬も、4本はあるの……。
「う、う、嘘だろ?私がどれだけかけてあの若返りの秘薬を手に入れたと……」
ワナワナと震えながら、セブスト殿下はリドリーの鞄の中に無造作に突っ込まれている秘薬の瓶を見ている。
「なんなんですかねー?やっぱり欲しい欲しいと思うと出ないもんなんじゃないんですか??」
「う、うう……うわーん!ダグラスさまぁーーー!」
「……おー……よしよし……」
流石に涙目で泣きついて来た殿下はあまりに哀れで、頭をなでなでしてやった。知ってる、物欲センサーって奴だよね、うん。欲しいと思う物は出ないやつだよね。
「すんすん……くんくん、あ、お年寄りの匂いがしない。まあ、これこれで。でもあの匂いはあの匂いで私的にはありでしたが」
「流石、殿下。お年寄りのダグラス様に求婚するだけの事はありますね!」
元気そうで何よりじゃ……。
「いやあのその……殿下、殿下!ダグラス様がカットしたボーナス分!殿下、くださいますよね?!」
「勿論だとも、リドリー……あ、ごめん、やっぱり無理」
「のぉおおおーー!」
ワシが物凄い目で殿下を睨め付けたので、さしもの殿下も気がついたようじゃわい。
だが無常にもワシと殿下、面白いのでリドリーも乗せた馬車は順調にオルトラ温泉郷に向かって進んでおった。
「でも何でリドリーが特殊配合最高級媚薬を持っているんだ?そんなにホイホイ出る物じゃないだろう?」
「出ますけど?」
いや、それも確か5%くらいの確率じゃよね??
「魔王が封印された後もあのダンジョンのボスはでるじゃないですか。鍛えるのに最適なんでグルグル回ってるんですけど、3回に1回くらいは出ますよ、秘薬系」
「は?!嘘だろ!」
リドリー、それは絶対に嘘じゃろ?そんなに出るもんではないぞ?3回に1回?それじゃ33%ではないか、あり得んぞ??
「出ますって。いっぱい持ってますもん。あーこれが運の差?ですかねぇ??」
じゃらり、とリドリーは鞄を開くと、殿下が必死で拾ってきた秘薬が3本既に見えている。特殊配合最高級媚薬も、4本はあるの……。
「う、う、嘘だろ?私がどれだけかけてあの若返りの秘薬を手に入れたと……」
ワナワナと震えながら、セブスト殿下はリドリーの鞄の中に無造作に突っ込まれている秘薬の瓶を見ている。
「なんなんですかねー?やっぱり欲しい欲しいと思うと出ないもんなんじゃないんですか??」
「う、うう……うわーん!ダグラスさまぁーーー!」
「……おー……よしよし……」
流石に涙目で泣きついて来た殿下はあまりに哀れで、頭をなでなでしてやった。知ってる、物欲センサーって奴だよね、うん。欲しいと思う物は出ないやつだよね。
「すんすん……くんくん、あ、お年寄りの匂いがしない。まあ、これこれで。でもあの匂いはあの匂いで私的にはありでしたが」
「流石、殿下。お年寄りのダグラス様に求婚するだけの事はありますね!」
元気そうで何よりじゃ……。
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