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36 こんなの聞いてない!3(神子カズハ視点)
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「やっぱり俺一人じゃ辛いっすね」
「最近回り始めたばっかりでそれだけ強けりゃ誰も文句は言わないだろう?」
「なんで……」
魔王は一瞬だった。切り込んだリドリーと何回か打ち合いがあったな、と思った瞬間、横から来たセブスト殿下とトレヴァーに首と胴を真っ二つにされてしまった。
「おい、カズハ!封印」
「神子しか封印出来ませんから」
「その為に連れてきたんだから、最後くらい仕事してくれ」
皆に言われ、封印の呪文を唱える。魔王の首は小さな瓶の中に吸い込まれて終了。とてもあっけない。
苦労してやっと倒して……皆で無事を喜んで、傷だらけで、汚れているけど、とても輝いたスチルは一体どこ……??
ふーっと息を吐くのはリドリーだけで、セブスト殿下もトレヴァーも息すら上がっていないし、ジャスパーとサディーアなんて後ろで腕を組んでただけだ。
僕だって汗ひとつ汚れ一つない。ただ、目の前に転がされた魔王を封印しただけ……なんなの?これ……全然親密度上がらないじゃん!!魔王弱っ!弱すぎだよ!!
「戻るぞ!」
「ふふ、そうですね」
「張り切ってらっしゃる」
でもこんな所に一人で残されてしまうのは困るからついて行かなきゃ!そして魔王封印の後、ダンジョンから出たらイベントがあるんだよなあ……大丈夫、だって結構好感度上がってたし、最悪殿下フラグくらいは立っているはず……。「ねこ☆てん」最大の告白イベントが……。
やけに早足でセブスト殿下は脱出口へ向かう。ヌルゲー仕様のまま、帰る時は1階づつ下がらなくても一発で外まで出る事が出来る脱出口があるんだ。便利だよね。下に降りると何人も人が出迎えていた。そうだよ、だって魔王を倒して封印したんだから。苦労の末にあるはずなのに、なんかさくっと終わっちゃったけど!
「ど、どうだ、セブスト!ま、魔王は……?」
「カズハ、出せ」
「王様、これです」
僕は魔王の首を封印した小瓶を王様に渡す。これはゲームの通り。
「良くやった!神子殿!」
王様と街の人皆が喜ぶ見た事のある場面が再現されている。僕的にはこれからが大事なんだ。ゲームの流れではセブスト殿下が僕の所にやって来て
「神子、君がいなければ魔王を倒す事は出来なかった……」
から始まるルート分けなんだよね。そのままセブスト殿下の手を取ればセブスト殿下と結婚する殿下エンド。
「心に決めた人が」
と、行けば選んだ攻略対象者。
ふるふると首を振り、押し黙ればハーレムエンドだ。どれも好感度は必要だが、大丈夫かなぁ……ハーレムエンド狙いたかったけど、好感度が足りない気がする。もうここはセブスト殿下エンドで我慢するべきだろう。
「仕方がない……」
ちょうどセブスト殿下がこっちに向かって小走りにやってくる。ふふ、これならまあ良いか。僕はセブスト殿下の顔を見てにっこり笑った。
さあ、僕には告白すると良いよ!
「最近回り始めたばっかりでそれだけ強けりゃ誰も文句は言わないだろう?」
「なんで……」
魔王は一瞬だった。切り込んだリドリーと何回か打ち合いがあったな、と思った瞬間、横から来たセブスト殿下とトレヴァーに首と胴を真っ二つにされてしまった。
「おい、カズハ!封印」
「神子しか封印出来ませんから」
「その為に連れてきたんだから、最後くらい仕事してくれ」
皆に言われ、封印の呪文を唱える。魔王の首は小さな瓶の中に吸い込まれて終了。とてもあっけない。
苦労してやっと倒して……皆で無事を喜んで、傷だらけで、汚れているけど、とても輝いたスチルは一体どこ……??
ふーっと息を吐くのはリドリーだけで、セブスト殿下もトレヴァーも息すら上がっていないし、ジャスパーとサディーアなんて後ろで腕を組んでただけだ。
僕だって汗ひとつ汚れ一つない。ただ、目の前に転がされた魔王を封印しただけ……なんなの?これ……全然親密度上がらないじゃん!!魔王弱っ!弱すぎだよ!!
「戻るぞ!」
「ふふ、そうですね」
「張り切ってらっしゃる」
でもこんな所に一人で残されてしまうのは困るからついて行かなきゃ!そして魔王封印の後、ダンジョンから出たらイベントがあるんだよなあ……大丈夫、だって結構好感度上がってたし、最悪殿下フラグくらいは立っているはず……。「ねこ☆てん」最大の告白イベントが……。
やけに早足でセブスト殿下は脱出口へ向かう。ヌルゲー仕様のまま、帰る時は1階づつ下がらなくても一発で外まで出る事が出来る脱出口があるんだ。便利だよね。下に降りると何人も人が出迎えていた。そうだよ、だって魔王を倒して封印したんだから。苦労の末にあるはずなのに、なんかさくっと終わっちゃったけど!
「ど、どうだ、セブスト!ま、魔王は……?」
「カズハ、出せ」
「王様、これです」
僕は魔王の首を封印した小瓶を王様に渡す。これはゲームの通り。
「良くやった!神子殿!」
王様と街の人皆が喜ぶ見た事のある場面が再現されている。僕的にはこれからが大事なんだ。ゲームの流れではセブスト殿下が僕の所にやって来て
「神子、君がいなければ魔王を倒す事は出来なかった……」
から始まるルート分けなんだよね。そのままセブスト殿下の手を取ればセブスト殿下と結婚する殿下エンド。
「心に決めた人が」
と、行けば選んだ攻略対象者。
ふるふると首を振り、押し黙ればハーレムエンドだ。どれも好感度は必要だが、大丈夫かなぁ……ハーレムエンド狙いたかったけど、好感度が足りない気がする。もうここはセブスト殿下エンドで我慢するべきだろう。
「仕方がない……」
ちょうどセブスト殿下がこっちに向かって小走りにやってくる。ふふ、これならまあ良いか。僕はセブスト殿下の顔を見てにっこり笑った。
さあ、僕には告白すると良いよ!
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