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32 ワシ、孫の裏切りに遭う?
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また来ます。そう言い残してセブスト殿下は帰って行った。
「カレリオ、すまなかったな。お前を呼ぶつもりはなかった」
「良いんです、お祖父様。私にはアルが居てくれるので、大丈夫です」
にこりと笑って、背中を支えるように立っているアルフォンスと微笑み合う。
良いぞお前ら結婚しろ!
と、いう気分になったし、ジジィが許す。
「しかし、殿下にも困ったものだ……」
なんでワシなのか。いや、きっとやっちゃった手前の事なんだろうけど、ワシなんて普通のお爺ちゃんなのに。中の人がちょこっといるだけの。
「お祖父様……殿下は絶対に諦めない気がします。何が何でもお祖父様を婚約者にするのではないでしょうか。それこそ、陛下に泣きついても」
「流石にそれはないじゃろう……」
……それはワシの希望的観測か??いや、まさかのう……?
ワシが一人で悩んでいると、カレリオはくすりと小さく笑った。
「お祖父様には申し訳ないのですが、私的には殿下の婚約者にはお祖父様に収まっていただきたいのです」
「カ、カレリオ!何故じゃ!」
ま、孫がワシを裏切っただとーーー?!するとカレリオは少し悪役令息が良くする嫌らしい笑みを浮かべて、
「神子のカズハが捨てられると思うと……意地が悪いですがちょっと胸がすきます。ざまぁみろ、と」
「は……ははは……そうか、それは確かにじゃな!」
カレリオもカズハのやり口は受け入れぬものであったのだろう。アルフォンスも苦笑しておるわ。
「お祖父様、もし拒否できぬものであれば、受けてくださっても私は構いません。もう殿下の事は吹っ切れましたし」
ね?とアルフォンスと視線を合わせてほほ笑むもんだから、やっぱり結婚しろとジジィは思う訳で。アルフォンスも、はい、と返事を返すもんだから、イケメンかよ!とツッコミも入れておく。心の中で。
しかし、本当にどうしたものかと悩むワシの足元にナメクジみたいになりながらやって来るリドリー。あ、さっき殿下の威圧にやられたままだった。
「お、大旦那様……しばらくお暇を頂けませんか……あのケダモノ殿下の一睨みで負けたなど……悔しくて悔しくて……私もダンジョンに挑んで強くなって参りますぅううう……」
「あ、うん……分かった。頑張って来いよ」
「行って参りますぅ……」
そのままズルズルと這って出て行った。よっぽど悔しかったのか……。
「……そうじゃ、カナンを締め上げねば」
あやつめ、賭博場に出入りしているらしいではないか!もうカレリオを当主に据えてカナンは引退させるしかあるまい!
「カナン!カナンはどこだっ!!この馬鹿息子がぁーーー!」
とりあえず、目の前の問題を片付ける事にした。
「カレリオ、すまなかったな。お前を呼ぶつもりはなかった」
「良いんです、お祖父様。私にはアルが居てくれるので、大丈夫です」
にこりと笑って、背中を支えるように立っているアルフォンスと微笑み合う。
良いぞお前ら結婚しろ!
と、いう気分になったし、ジジィが許す。
「しかし、殿下にも困ったものだ……」
なんでワシなのか。いや、きっとやっちゃった手前の事なんだろうけど、ワシなんて普通のお爺ちゃんなのに。中の人がちょこっといるだけの。
「お祖父様……殿下は絶対に諦めない気がします。何が何でもお祖父様を婚約者にするのではないでしょうか。それこそ、陛下に泣きついても」
「流石にそれはないじゃろう……」
……それはワシの希望的観測か??いや、まさかのう……?
ワシが一人で悩んでいると、カレリオはくすりと小さく笑った。
「お祖父様には申し訳ないのですが、私的には殿下の婚約者にはお祖父様に収まっていただきたいのです」
「カ、カレリオ!何故じゃ!」
ま、孫がワシを裏切っただとーーー?!するとカレリオは少し悪役令息が良くする嫌らしい笑みを浮かべて、
「神子のカズハが捨てられると思うと……意地が悪いですがちょっと胸がすきます。ざまぁみろ、と」
「は……ははは……そうか、それは確かにじゃな!」
カレリオもカズハのやり口は受け入れぬものであったのだろう。アルフォンスも苦笑しておるわ。
「お祖父様、もし拒否できぬものであれば、受けてくださっても私は構いません。もう殿下の事は吹っ切れましたし」
ね?とアルフォンスと視線を合わせてほほ笑むもんだから、やっぱり結婚しろとジジィは思う訳で。アルフォンスも、はい、と返事を返すもんだから、イケメンかよ!とツッコミも入れておく。心の中で。
しかし、本当にどうしたものかと悩むワシの足元にナメクジみたいになりながらやって来るリドリー。あ、さっき殿下の威圧にやられたままだった。
「お、大旦那様……しばらくお暇を頂けませんか……あのケダモノ殿下の一睨みで負けたなど……悔しくて悔しくて……私もダンジョンに挑んで強くなって参りますぅううう……」
「あ、うん……分かった。頑張って来いよ」
「行って参りますぅ……」
そのままズルズルと這って出て行った。よっぽど悔しかったのか……。
「……そうじゃ、カナンを締め上げねば」
あやつめ、賭博場に出入りしているらしいではないか!もうカレリオを当主に据えてカナンは引退させるしかあるまい!
「カナン!カナンはどこだっ!!この馬鹿息子がぁーーー!」
とりあえず、目の前の問題を片付ける事にした。
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