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聖女たん、召喚される

29 聖女たん、モモタロする

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「俺、女の子になっちゃった?」

「今まで女性を取っ替え引っ替えしたからだな。その罰が当たったんだ」

「当たったと言うか殴られましたが?」


「それはご褒美だから」


 私はもうどうでも良くなってきた。例え神聖ハラーダ帝国がでかくなっても。

 残った東の国が人鬼と言われるオーガの治める国だとか。
 猿のリンス、犬のダルタ、雉?まあ鳥のジャナジャナが揃っているとかどうでも良い。

「ラティス。私はゆっくりしたい」

「まあまあそう言わないで。所でオーガニシーマから宣戦布告が来てたみたいですよ?」

「鬼ヶ島からかよー!行くのをせめてまてよぉーー」

 次は桃太郎らしい。

「ラティス、きびだんご作れる?」

「なんですそれ?」

 しまった!猿も雉も犬ももう仲間だったから要らなかった。

「ここより東の地、オーガ達の国、首都がオーガニシーマ。正確な数は分かりませんが、相手はあの人鬼オーガです。一筋縄では行くまい?」

「偵察はジャナの所で頼む。透過ステルス系の魔法膜を張れば行けるだろ?」

「限界はある、ダルタ。あいつらは魔法眼を持つ奴らも多い。……まあ個体数は流石に多くないから、リンスの所の勇士出せるよな?」

「ダルタがまだ人質解放してくんねぇからやばい事になってるわ。むしろ今、けしかけた方がいい」

「待ってやる必要なんざこれっぽっちもねーわ。闇に乗じて強襲かけんぞ!っはー!大規模戦久しぶりで腕がなるわぁ!!」

 ニヤニヤ笑いながらいい子の皮を被り忘れてるダルタ。

「ふっは!わかるぞ!魔法部隊貸せよ!消し炭にしてやるわ」

 ぼきぼきと指を鳴らすジャルジャル。

「マジカルミラクルリンスちゃんが大将首をいただきよ☆」

 もうミニスカートを穿きこなしているリンス。ちなみにどうなったか知らないが色欲王リンスは今、15.6歳の美少女になってしまった。胸はまな板だ。

「では、世界を聖女たん♡様の手に!」

「おう!」

「任せろ!」

 ばっ!と3人は散って行く。3人の会議を私は何も見なかったことにした。何も聞こえない!何も知らない!

「あーラティスここで昼寝してって良いー?」

「どうぞどうぞ。私は始末書を書いてますので」

 書いても書いても減らない始末書を、カリカリと毎日書いている。

「なあ、ラティス。私は元の世界に戻れるだろうかなぁ……」

 カリ、ラティスのペンが少しだけ止まったが、すぐに動き出す。

「そうですねぇ。この世に神様のお心に叶わない物が無くなれば帰れるのではないでしょうか」

「そうかぁー……」

 じゃあ無理かな?人間の欲望って止まることを知らないからなぁ。
 
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