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7 夢香(聖女ユキノ

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 ますます評判が下がっちゃった……このままじゃバッドエンドまっしぐらだわ……。バッドエンドは誰も攻略出来なくて、さらにステータスも最低で、友達もいなくて……一生神殿に閉じ込められてただ神様に祈るだけの生活なのよ。そんなの絶対嫌!

「聖女ユキノ。この世界の常識を学ぶ為に貴女に学園への入学を許可致しましたが、学園から手紙が届いております。生活が改まらないようであれば神殿にお戻りいただきたい」
「い、嫌です!私、ちゃんとしてます! 」
「聖女ユキノ。ちゃんとしていないから神殿へ抗議の手紙が来るのです。次に何かあればお戻りいただきます」
「いやーー!」

 神殿からこれで最後だぞっていう脅しみたいな神官が来て、冷たい顔で帰っていった。え、嘘?私、そんなヤバいところまで来てるの??これ、バッドエンドを見たい周回ならアリだけど、普通ならリセットしてる奴よ。リセット、リセットボタンっ……ある訳ない。
 ここから巻き返すのって凄く大変なのに……一体どうしたら……。

 私はやっと思い出した。

「そうだ!夢香があるじゃない! 」

 ゲームでのお助け課金アイテムの事を思い出した。夢香は攻略対象者でもサブキャラでも誰にでも使えて使えばハートが一つ上がる。各キャラのハートは10個あって満タンでラブラブ状態だ。

「夢香さえあれば……!」



 私はその日に寮則を破って夜の街に夢香を探しに出かけた。

「確か課金アイテム販売人はこの路地の奥の……」

 ゲーム内と同じ場所に不自然な扉があって、開けるとゲーム画面と同じく不気味な店内が広がっている。本当に一緒で驚いた。

「ヒヒ、可愛いお嬢さん。迷子ならすぐにお帰り……」

 話しかけて来た見た目も怖い悪い魔女そのままの格好の店主。これもそのまんまだった、セリフまで一緒!そうよ、こうでなくちゃ!

「わ、私!夢香が欲しいの! 」

 そういうと、悪い魔女は目を細めて愉快そうに笑った。

「ほうほう、難儀なものを……あるけれど、払えるかねぇ?対価を」
「お、お金ならそれなりにあるわ」

 あんまりないけど、全財産をかき集めて持って来た。

「人間の金に興味はないさぁ……私が欲しいのは若さだよ、若さ。お嬢さんみたいな可愛い女の子から溢れる若さ。夢香一つにつき、お前の若さ二週間分をいただこう、どうだね?」
「若さぁ?」

 お金じゃないの?!でも確かに課金アイテムはゲーム内通貨じゃ買えないからそういうことなんだ……二週間分なら大丈夫かな?

「買うわ」
「ひひ、毎度ありぃ」

 私はゲームでも見た小さな小瓶を手に入れた。これを対象のそばで使えば良い……簡単な事だった。

 その日から私の学園生活は思い描いたものに変わった……いいえ、元のゲームに戻ったの!

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