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7 え、俺、βじゃないの?
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自分の部屋のドアの外から声が聞こえて来る。
「忠臣君、薫は大丈夫だったから」
「俺のせいッス、おじさん」
「君も休みなさい。昨日からずっとここにいるじゃないか。おにぎりは……食べたみたいだね」
「美味かったッス。でもそばにいたくて」
ん?親父と忠臣が喋ってるな?
「その気持ちは分からなくもないが、忠臣君、君まで倒れてしまったらと私達は心配なんだよ。君だってその……私の大事な、む、息子、なんだし」
「お、おじさんっ」
「そ、そこはほら……違うだろ」
「お、お義父さんっ……!」
「泣くんじゃないよ、私達だって君のことが大好きなんだ。家族が心配なのは当たり前だろう……」
お、お、お、俺は……どこに突っ込めばいいんだ?とにかくベッドから足を下ろして床につけて立ち上がったら、まあちゃんと立てたから物理的にツッコミを入れに行く事にする。
「父さん!忠臣!ちょっと聞きたいことがたくさんあるんだけど!?」
「あ、薫、起きたのか。よかったよか」
「カオ君ッ!!」
「どわあああっ!」
そりゃおもてぇ忠臣に飛びつかれた俺は倒れるわけだけどさ!
「た、忠臣っ重い!父さん、助けて!! 」
「いやあまあ……ホラ、薫なかなか起きないから忠臣君凄く心配して……忠臣君?」
「カオ君、カオ君!ハァハァ……カオ君~~~!」
な、なんか様子が変だぞ……?
「た、忠臣君っ!!恵梨香!大河内さんを呼んできて!!母さん忠臣君がアレだ!早く来てくれーー!」
「えっ!行ってくる!!」
「忠臣君!?薫!!く、首、首を守るのよーー!」
「忠臣君ーーー!我慢するんだろ!ステイ、ステイーー!!」
「わあーーー忠臣やめろ舐めるな!ヒイイイ!!」
北山家はとにかく大騒ぎになったけれど、その後大河内のおじさんとおばさんが忠臣を羽交い絞めにしてなんとか俺は助け出された。しかし忠臣、大河内のおじさんを壁まで吹っ飛ばすし、俺んちの廊下には穴が開いたしで大変だった。
「えーと、結局俺はなんなの……?」
「薫はΩなんだ。知っての通り忠臣君はαだね」
俺、初めて自分の第二姓を知る……。
「なんで……俺、自分がβだって思ってたの……? 」
「それは……俺が……なんていうか、あの……その……ごめん、あの」
忠臣がでかい体を丸めて小さくなっている。何か良く分からんが忠臣が駄々を捏ねてそんな風にしたのか??
「俺が、絶対薫のこと、守るから……だから、でも……あの、嫌いに、ならないで、欲しい」
「はあ」
まあほんっとによくわからん。そんなことより俺がΩぁ?ていうと俺は将来αと結婚して、子供産むの!?うっそー!?
「え?マジで?父さん母さん」
うちのリビングに父さんと母さん、俺と忠臣、そして忠臣の両親が集まって会議中だ。ていうか事情徴収って感じだ。妹の恵梨香はめんどくさいからパスだそうで、部屋でスマホ弄ってる。
「うん……ほら、証明書」
「わあ」
そこにはでかでかとΩって記載された二次性証明書があった。
「いやでもほら、薫にはさ忠臣君いるから。まあ、ほら心配とかしなくても」
「いるって……え?俺、忠臣と結婚すんの!?」
何それ初耳なんだけど!?ばっと振り返って忠臣をみるとなんか凄く期待に満ちた目で見てる。え?何、そんな感じなの!?
「カオ君……」
「昔のあだ名で呼ぶのやめろ、忠臣」
「しゅん」
しゅんじゃねえよ、この野郎。小さくなっても忠臣はでかいんだから縮まらねえよ?俺は両親たちをぐるりと見て……一番発言権が強そうな人を指名した。
「なあ、冴子おばさん。一体どういうことなのか説明してくれ」
「あー……あのね、薫君。ウチの忠臣さ、君に一目惚れしたんだよね。初めて砂場で一緒に遊んだ時に」
「は……それって」
「3歳ころだったかなー」
随分昔ですね!
「忠臣君、薫は大丈夫だったから」
「俺のせいッス、おじさん」
「君も休みなさい。昨日からずっとここにいるじゃないか。おにぎりは……食べたみたいだね」
「美味かったッス。でもそばにいたくて」
ん?親父と忠臣が喋ってるな?
「その気持ちは分からなくもないが、忠臣君、君まで倒れてしまったらと私達は心配なんだよ。君だってその……私の大事な、む、息子、なんだし」
「お、おじさんっ」
「そ、そこはほら……違うだろ」
「お、お義父さんっ……!」
「泣くんじゃないよ、私達だって君のことが大好きなんだ。家族が心配なのは当たり前だろう……」
お、お、お、俺は……どこに突っ込めばいいんだ?とにかくベッドから足を下ろして床につけて立ち上がったら、まあちゃんと立てたから物理的にツッコミを入れに行く事にする。
「父さん!忠臣!ちょっと聞きたいことがたくさんあるんだけど!?」
「あ、薫、起きたのか。よかったよか」
「カオ君ッ!!」
「どわあああっ!」
そりゃおもてぇ忠臣に飛びつかれた俺は倒れるわけだけどさ!
「た、忠臣っ重い!父さん、助けて!! 」
「いやあまあ……ホラ、薫なかなか起きないから忠臣君凄く心配して……忠臣君?」
「カオ君、カオ君!ハァハァ……カオ君~~~!」
な、なんか様子が変だぞ……?
「た、忠臣君っ!!恵梨香!大河内さんを呼んできて!!母さん忠臣君がアレだ!早く来てくれーー!」
「えっ!行ってくる!!」
「忠臣君!?薫!!く、首、首を守るのよーー!」
「忠臣君ーーー!我慢するんだろ!ステイ、ステイーー!!」
「わあーーー忠臣やめろ舐めるな!ヒイイイ!!」
北山家はとにかく大騒ぎになったけれど、その後大河内のおじさんとおばさんが忠臣を羽交い絞めにしてなんとか俺は助け出された。しかし忠臣、大河内のおじさんを壁まで吹っ飛ばすし、俺んちの廊下には穴が開いたしで大変だった。
「えーと、結局俺はなんなの……?」
「薫はΩなんだ。知っての通り忠臣君はαだね」
俺、初めて自分の第二姓を知る……。
「なんで……俺、自分がβだって思ってたの……? 」
「それは……俺が……なんていうか、あの……その……ごめん、あの」
忠臣がでかい体を丸めて小さくなっている。何か良く分からんが忠臣が駄々を捏ねてそんな風にしたのか??
「俺が、絶対薫のこと、守るから……だから、でも……あの、嫌いに、ならないで、欲しい」
「はあ」
まあほんっとによくわからん。そんなことより俺がΩぁ?ていうと俺は将来αと結婚して、子供産むの!?うっそー!?
「え?マジで?父さん母さん」
うちのリビングに父さんと母さん、俺と忠臣、そして忠臣の両親が集まって会議中だ。ていうか事情徴収って感じだ。妹の恵梨香はめんどくさいからパスだそうで、部屋でスマホ弄ってる。
「うん……ほら、証明書」
「わあ」
そこにはでかでかとΩって記載された二次性証明書があった。
「いやでもほら、薫にはさ忠臣君いるから。まあ、ほら心配とかしなくても」
「いるって……え?俺、忠臣と結婚すんの!?」
何それ初耳なんだけど!?ばっと振り返って忠臣をみるとなんか凄く期待に満ちた目で見てる。え?何、そんな感じなの!?
「カオ君……」
「昔のあだ名で呼ぶのやめろ、忠臣」
「しゅん」
しゅんじゃねえよ、この野郎。小さくなっても忠臣はでかいんだから縮まらねえよ?俺は両親たちをぐるりと見て……一番発言権が強そうな人を指名した。
「なあ、冴子おばさん。一体どういうことなのか説明してくれ」
「あー……あのね、薫君。ウチの忠臣さ、君に一目惚れしたんだよね。初めて砂場で一緒に遊んだ時に」
「は……それって」
「3歳ころだったかなー」
随分昔ですね!
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