40 / 58
40 お前、アホだろ
しおりを挟む
多産系と丈夫系を掛け合わせるのは?やはり美味しい系ですかね?うーむ、難しい。
養豚農家の人とお話をしながら、色々仕込んでみました。柔らかいトンカツ、食べたいですわ~!!
「ふむ、ジュリエッタ。お前とてつもない事をしている自覚はあるか?」
「はぁ?まだ世間を賑わすくらい美味しいお肉には出会えていませんが??」
何を言っているかしら、ラグルさんは。まだまだよ、こんなもんじゃないんだからね!ブランド豚は!
「そうじゃない。お前の魅了はおかしいんだが、気がついていないだろうってことだ」
「はぁ?」
おかしいって何よ、まったく。
「良いか、よく聞け。俺もそうだが、魅了とは、かける術者が好かれる魔法だ。そう、好かれる対象は常に自分なんだ。他人同士を好きにさせあう魅了なんか普通出来ない。分かるか?」
「ん?え、あ!」
そういえばそうか!魅了は使用者を好きになるんだ!だから私のような使い方はしないわね!あら?私ったらなかなか特殊??
「ジュリエッタ、お前、相当ヤバいぞおもしれーから暫く見てようかと思ったけど、駄目だわ。すぐ国へ帰るぞ」
「えっ嫌ですけど……」
「わがまま言ってんじゃねーよ。荷物は後で送らせる、行くぞ」
「えっ!ちょっと!?わがままなのはどっちよ!ちょっと!ちょっとーーー!」
こうして養豚農家から
「あれ?ジュリエッタ様??」
「たすけてー!」
ガタゴトと馬車に揺られて、売られて行ってしまったのです……。酷いわ!まだとんかつ食べてないのよ!
「ジュリエッタの警護を増やしてくれ、常時ついていられる女性の騎士や護衛を手配して欲しい。魅了使いってだけでやばいのに、バレたら俺なんか比じゃないくらい狙われるぞ」
「分かりました、ラグル様」
「しまったな……」
ラグルさんと騎士さんは難しい顔で相談中ですが、私はとりあえず膨れてそっぽ向いてます。ダメ、誘拐良くない!絶対反対!
「ラグル様、やはり一度ジュリエッタ様のご実家に戻られた方が……」
「駄目だ」
「ではご実家の方に誰か使いを出しませんと」
「……そうだな、詫びに何か見繕って行ってくれ」
御意、と短い会話をして騎士さんは出ていき、馬車はまた動き出す。ちょっと……本当に隣の国に行っちゃうの!?
「機嫌直せよ、ジュリエッタ。どうせ連れて行くんだから、少し早くなってもいいじゃねーか」
しゅるっと伸ばされる、魅了の糸の束をばっさり切り落とします。このやろう!
「嫌です!せめて別れのご挨拶や身の回りの品くらい持って来させてください!」
「リンツが持ってきてくれるよ」
リンツって誰よ!と言ってやりたくなったが、きっとさっきの騎士さんだろう。こうやって毎回この人に振り回されているんだわ。
「さっきの騎士様に私のパンツを持たせてくるわけですかああああ!?」
「ぱん、つ!って何言ってんだ!ジュリエッタ!お前アホだろ!」
「うるさーい!黙れ!誘拐犯!」
「うわー!お前こそ本性出してきたな!」
「そうよ!なんか文句あるのー!」
「いや?取り澄ました貴族顔の貴族よりよっぽど良いな」
きゅ、急に変なこと言わないでよね!ちょっとドキッとするじゃない!
養豚農家の人とお話をしながら、色々仕込んでみました。柔らかいトンカツ、食べたいですわ~!!
「ふむ、ジュリエッタ。お前とてつもない事をしている自覚はあるか?」
「はぁ?まだ世間を賑わすくらい美味しいお肉には出会えていませんが??」
何を言っているかしら、ラグルさんは。まだまだよ、こんなもんじゃないんだからね!ブランド豚は!
「そうじゃない。お前の魅了はおかしいんだが、気がついていないだろうってことだ」
「はぁ?」
おかしいって何よ、まったく。
「良いか、よく聞け。俺もそうだが、魅了とは、かける術者が好かれる魔法だ。そう、好かれる対象は常に自分なんだ。他人同士を好きにさせあう魅了なんか普通出来ない。分かるか?」
「ん?え、あ!」
そういえばそうか!魅了は使用者を好きになるんだ!だから私のような使い方はしないわね!あら?私ったらなかなか特殊??
「ジュリエッタ、お前、相当ヤバいぞおもしれーから暫く見てようかと思ったけど、駄目だわ。すぐ国へ帰るぞ」
「えっ嫌ですけど……」
「わがまま言ってんじゃねーよ。荷物は後で送らせる、行くぞ」
「えっ!ちょっと!?わがままなのはどっちよ!ちょっと!ちょっとーーー!」
こうして養豚農家から
「あれ?ジュリエッタ様??」
「たすけてー!」
ガタゴトと馬車に揺られて、売られて行ってしまったのです……。酷いわ!まだとんかつ食べてないのよ!
「ジュリエッタの警護を増やしてくれ、常時ついていられる女性の騎士や護衛を手配して欲しい。魅了使いってだけでやばいのに、バレたら俺なんか比じゃないくらい狙われるぞ」
「分かりました、ラグル様」
「しまったな……」
ラグルさんと騎士さんは難しい顔で相談中ですが、私はとりあえず膨れてそっぽ向いてます。ダメ、誘拐良くない!絶対反対!
「ラグル様、やはり一度ジュリエッタ様のご実家に戻られた方が……」
「駄目だ」
「ではご実家の方に誰か使いを出しませんと」
「……そうだな、詫びに何か見繕って行ってくれ」
御意、と短い会話をして騎士さんは出ていき、馬車はまた動き出す。ちょっと……本当に隣の国に行っちゃうの!?
「機嫌直せよ、ジュリエッタ。どうせ連れて行くんだから、少し早くなってもいいじゃねーか」
しゅるっと伸ばされる、魅了の糸の束をばっさり切り落とします。このやろう!
「嫌です!せめて別れのご挨拶や身の回りの品くらい持って来させてください!」
「リンツが持ってきてくれるよ」
リンツって誰よ!と言ってやりたくなったが、きっとさっきの騎士さんだろう。こうやって毎回この人に振り回されているんだわ。
「さっきの騎士様に私のパンツを持たせてくるわけですかああああ!?」
「ぱん、つ!って何言ってんだ!ジュリエッタ!お前アホだろ!」
「うるさーい!黙れ!誘拐犯!」
「うわー!お前こそ本性出してきたな!」
「そうよ!なんか文句あるのー!」
「いや?取り澄ました貴族顔の貴族よりよっぽど良いな」
きゅ、急に変なこと言わないでよね!ちょっとドキッとするじゃない!
3
お気に入りに追加
287
あなたにおすすめの小説
行き遅れにされた女騎士団長はやんごとなきお方に愛される
めもぐあい
恋愛
「ババアは、早く辞めたらいいのにな。辞めれる要素がないから無理か? ギャハハ」
ーーおーい。しっかり本人に聞こえてますからねー。今度の遠征の時、覚えてろよ!!
テレーズ・リヴィエ、31歳。騎士団の第4師団長で、テイム担当の魔物の騎士。
『テレーズを陰日向になって守る会』なる組織を、他の師団長達が作っていたらしく、お陰で恋愛経験0。
新人訓練に潜入していた、王弟のマクシムに外堀を埋められ、いつの間にか女性騎士団の団長に祭り上げられ、マクシムとは公認の仲に。
アラサー女騎士が、いつの間にかやんごとなきお方に愛されている話。
伝える前に振られてしまった私の恋
メカ喜楽直人
恋愛
母に連れられて行った王妃様とのお茶会の席を、ひとり抜け出したアーリーンは、幼馴染みと友人たちが歓談する場に出くわす。
そこで、ひとりの令息が婚約をしたのだと話し出した。
転生おばさんは有能な侍女
吉田ルネ
恋愛
五十四才の人生あきらめモードのおばさんが転生した先は、可憐なお嬢さまの侍女でした
え? 婚約者が浮気? え? 国家転覆の陰謀?
転生おばさんは忙しい
そして、新しい恋の予感……
てへ
豊富な(?)人生経験をもとに、お嬢さまをおたすけするぞ!
当て馬令息の婚約者になったので美味しいお菓子を食べながら聖女との恋を応援しようと思います!
朱音ゆうひ
恋愛
「わたくし、当て馬令息の婚約者では?」
伯爵令嬢コーデリアは家同士が決めた婚約者ジャスティンと出会った瞬間、前世の記憶を思い出した。
ここは小説に出てくる世界で、当て馬令息ジャスティンは聖女に片思いするキャラ。婚約者に遠慮してアプローチできないまま失恋する優しいお兄様系キャラで、前世での推しだったのだ。
「わたくし、ジャスティン様の恋を応援しますわ」
推しの幸せが自分の幸せ! あとお菓子が美味しい!
特に小説では出番がなく悪役令嬢でもなんでもない脇役以前のモブキャラ(?)コーデリアは、全力でジャスティンを応援することにした!
※ゆるゆるほんわかハートフルラブコメ。
サブキャラに軽く百合カップルが出てきたりします
他サイトにも掲載しています( https://ncode.syosetu.com/n5753hy/ )
身代わりの公爵家の花嫁は翌日から溺愛される。~初日を挽回し、溺愛させてくれ!~
湯川仁美
恋愛
姉の身代わりに公爵夫人になった。
「貴様と寝食を共にする気はない!俺に呼ばれるまでは、俺の前に姿を見せるな。声を聞かせるな」
夫と初対面の日、家族から男癖の悪い醜悪女と流され。
公爵である夫とから啖呵を切られたが。
翌日には誤解だと気づいた公爵は花嫁に好意を持ち、挽回活動を開始。
地獄の番人こと閻魔大王(善悪を判断する審判)と異名をもつ公爵は、影でプレゼントを贈り。話しかけるが、謝れない。
「愛しの妻。大切な妻。可愛い妻」とは言えない。
一度、言った言葉を撤回するのは難しい。
そして妻は普通の令嬢とは違い、媚びず、ビクビク怯えもせず普通に接してくれる。
徐々に距離を詰めていきましょう。
全力で真摯に接し、謝罪を行い、ラブラブに到着するコメディ。
第二章から口説きまくり。
第四章で完結です。
第五章に番外編を追加しました。
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
【短編】悪役令嬢と蔑まれた私は史上最高の遺書を書く
とによ
恋愛
婚約破棄され、悪役令嬢と呼ばれ、いじめを受け。
まさに不幸の役満を食らった私――ハンナ・オスカリウスは、自殺することを決意する。
しかし、このままただで死ぬのは嫌だ。なにか私が生きていたという爪痕を残したい。
なら、史上最高に素晴らしい出来の遺書を書いて、自殺してやろう!
そう思った私は全身全霊で遺書を書いて、私の通っている魔法学園へと自殺しに向かった。
しかし、そこで謎の美男子に見つかってしまい、しまいには遺書すら読まれてしまう。
すると彼に
「こんな遺書じゃダメだね」
「こんなものじゃ、誰の記憶にも残らないよ」
と思いっきりダメ出しをされてしまった。
それにショックを受けていると、彼はこう提案してくる。
「君の遺書を最高のものにしてみせる。その代わり、僕の研究を手伝ってほしいんだ」
これは頭のネジが飛んでいる彼について行った結果、彼と共に歴史に名を残してしまう。
そんなお話。
宮廷外交官の天才令嬢、王子に愛想をつかれて婚約破棄されたあげく、実家まで追放されてケダモノ男爵に読み書きを教えることになりました
悠木真帆
恋愛
子爵令嬢のシャルティナ・ルーリックは宮廷外交官として日々忙しくはたらく毎日。
クールな見た目と頭の回転の速さからついたあだ名は氷の令嬢。
婚約者である王子カイル・ドルトラードを長らくほったらかしてしまうほど仕事に没頭していた。
そんなある日の夜会でシャルティナは王子から婚約破棄を宣言されてしまう。
そしてそのとなりには見知らぬ令嬢が⋯⋯
王子の婚約者ではなくなった途端、シャルティナは宮廷外交官の立場まで失い、見かねた父の強引な勧めで冒険者あがりの男爵のところへ行くことになる。
シャルティナは宮廷外交官の実績を活かして辣腕を振るおうと張り切るが、男爵から命じられた任務は男爵に文字の読み書きを教えることだった⋯⋯
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる