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36 運命の縛鎖

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 王様の愕然とした顔!最後に怒りと絶望と嫌悪に震えた顔!最高に良い顔だったね!

「あれくらいの絶望を胸に上がって貰わなきゃ、贖罪にならないよね。いやぁ流石イアン様!よっ!この変態っ」

「ナナ、私は貴方の首を絞めたい。この想い、墓の下まで持っていくつもりだったのに」

「ごめんね?墓の下からガンガン掘り起こす系で?」

 静かに怒っているイアン様こわーい!だってさーそうでもしなきゃ無理だったんだもーん。王様は生まれ変わる。きっと貧乏貴族の三男とかに。そして司書になるだろう。
 でも、心の底にずっと恐怖を抱えたまま。多分、人を上手に愛す事ができない。愛が怖い、そんな人生。超可哀想。そんでね?

「どうします?こっち端、受け取ります??」

 そう、細くて黒い運命の鎖の先。

「魂の縛鎖、「運命の番」この鎖で繋がれた二人は運命の番になりますよ?」

 イアン様は俺の首を絞めようとした手を引っ込めた。

「欲しい」

「んじゃ、もっと仕事してくださいね!ポイントが足りません」

「呪いなんだろう?人生におけるマイナスになるんだろう?なのに何故」

 いや、そんな事ないでしょ?

「イアン様には祝福じゃないですか!王様には呪いでもね!そう言うもんですよ~」

「……よく出来ている」

「神様が考えましたので」

 そして、イアン様は左手に鎖を巻きつけた。

「今世でいっぱい仕事してポイント貯めて、早く死んだ方が良いですよ!遅れればその分歳の差が開くし、縛鎖が細くなりますから」

「切れるのか?」

 俺は首を振る。

「糸みたいにしてなっても切れません。ただ、魂の恐怖が薄くなるので、見ていてあまり楽しくないそうです。好きでもない男に追いかけられている恐怖を感じながら生活して欲しいですからね!」

「好きでもないと言い切るか。お前は悪魔か?」

「いいえ?死体漁りですけど?」

 罪は還る、自業自得なのだ。

「あ!後、抜き取った王様のパーツ。持っていきますよね?」

「勿論だ。これは私の物、誰にも渡さない」

 イアン様のブレない変態振りに目頭が熱くなる。

「よっ!この変態宰相!」

「やはり首を絞めようか?オーグを縊り殺した同じ方法で」

 きゃー!やり過ぎたー!イアン様はまだ生きてるんだったー!

 俺は土下座で許して貰った。

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