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35 絡め取られる魂の為に
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「んじゃ、お話し合いしよか。どう?また王様になりたい?」
「もう王にはなりたくない……私は、私は……静かに暮らしたい」
「んーー?図書館にでも篭る司書さんにでもなりたいの?」
「そうだな……そう言えば私は本が好きだったんだ、良いな……本に囲まれて暮らす……そうしてくれ」
ふむふむ。王族を外してもかなり足りないぞ。この世界の司書さんは敷居が高いからね。まず本が貴重だから、本が少ない。そんで人気の職業だし。
「愚王スキルって意外と欲しがる人が多いからなぁ~。あー、あ!そうだ!魂の縛鎖でも付けるかぁ、贖罪しないとね、王様のせいで人がいっぱい死んだからね!」
「その……ようだな」
もう部屋の隅で丸くなってしょげかえっている。知らなかったじゃ済まされないし、知らなくても罪は罪だ。今世で贖う事が出来なかった罪は次に持ち越しだよ?イアン様への憎しみとか怒りとか終着とかスーっと抜けちゃってる。
「ナナ!オーギュストは?!」
物凄く行儀悪くイアン様が部屋に飛び込んで来た。あらーダメですよ~。
「そこの隅で丸まってますけど?今、来世のスキル確認中でーす」
足早に部屋に飛び込んで来て、珍しく血相を変えている。
「どうしたんです?!オーグ!あなた私を恨むのはやめたんですか!憎いでしょう?!貴方を罠にはめて殺した私が!」
すみっこと仲良くなっている王様……そっか、名前はオーギュストって言うんだ!のろのろと頭を上げて、イアン様を見る。
「イアン、私は愚かだったんだよ。街を見たんだ……みんな笑顔だった。もういい……もういいんだ」
「知ってますよ!貴方はここいらの中で一二を争う愚王でしたから!」
それは追い詰めるセリフだよ、イアン様ぁ~。隅っこで更にちっちゃくなっちゃった!
「すまない……イアン……」
「どうして……どうして生きているうちに私の話を聞いてくださらなかったのですか……」
あーあ、泣いちゃったぁ。良い大人が2人して情け無い、なんて俺は言わないよ。そう言う事はあるもんね、生きているうちのしがらみって大変だよね。
「私は、君に殺されて良かったんだ……」
「馬鹿な事を言わないで!オーグ!何の為に私が貴方を殺したか……」
「もう、良いんだ。私は君に殺されて当然だった、いや、殺してくれてありがとう……国を頼む……」
「やめてくれ!そんな事、言わないでくれ……」
あ!まずい。勝手に昇天しちゃう!俺は急いで黒くて細い鎖を王様の左手に巻き付けた。
「呪いだよ!これを持っていって!」
「……君はなんて酷い物を持たせるんだ。でもこれがないと駄目なんだね?」
俺は頷く。だって王様は色々な物を外しても司書になるだけのスキルが足りない。だから、重いマイナスをつけてそれで調整をかけるんだ。
後ね、
「イアン様、言って。最後だよ」
「ナ、ナナ?!」
「楔を打ち込んで!逃すの?来世まで追わないの??」
ぐっ、と詰まった顔をしてそして上に登りつつある王様を見る。さあ、貴方の本性を!
「愛しておりました。国なんてどうでも良かった!愚王でも良かった!ただ、私の側に置いておきたくて貴方を……この手にかけました」
ああ、涙なんて似合わない、イアン様は狂気に歪んだ笑みがとても似合う!
「もう王にはなりたくない……私は、私は……静かに暮らしたい」
「んーー?図書館にでも篭る司書さんにでもなりたいの?」
「そうだな……そう言えば私は本が好きだったんだ、良いな……本に囲まれて暮らす……そうしてくれ」
ふむふむ。王族を外してもかなり足りないぞ。この世界の司書さんは敷居が高いからね。まず本が貴重だから、本が少ない。そんで人気の職業だし。
「愚王スキルって意外と欲しがる人が多いからなぁ~。あー、あ!そうだ!魂の縛鎖でも付けるかぁ、贖罪しないとね、王様のせいで人がいっぱい死んだからね!」
「その……ようだな」
もう部屋の隅で丸くなってしょげかえっている。知らなかったじゃ済まされないし、知らなくても罪は罪だ。今世で贖う事が出来なかった罪は次に持ち越しだよ?イアン様への憎しみとか怒りとか終着とかスーっと抜けちゃってる。
「ナナ!オーギュストは?!」
物凄く行儀悪くイアン様が部屋に飛び込んで来た。あらーダメですよ~。
「そこの隅で丸まってますけど?今、来世のスキル確認中でーす」
足早に部屋に飛び込んで来て、珍しく血相を変えている。
「どうしたんです?!オーグ!あなた私を恨むのはやめたんですか!憎いでしょう?!貴方を罠にはめて殺した私が!」
すみっこと仲良くなっている王様……そっか、名前はオーギュストって言うんだ!のろのろと頭を上げて、イアン様を見る。
「イアン、私は愚かだったんだよ。街を見たんだ……みんな笑顔だった。もういい……もういいんだ」
「知ってますよ!貴方はここいらの中で一二を争う愚王でしたから!」
それは追い詰めるセリフだよ、イアン様ぁ~。隅っこで更にちっちゃくなっちゃった!
「すまない……イアン……」
「どうして……どうして生きているうちに私の話を聞いてくださらなかったのですか……」
あーあ、泣いちゃったぁ。良い大人が2人して情け無い、なんて俺は言わないよ。そう言う事はあるもんね、生きているうちのしがらみって大変だよね。
「私は、君に殺されて良かったんだ……」
「馬鹿な事を言わないで!オーグ!何の為に私が貴方を殺したか……」
「もう、良いんだ。私は君に殺されて当然だった、いや、殺してくれてありがとう……国を頼む……」
「やめてくれ!そんな事、言わないでくれ……」
あ!まずい。勝手に昇天しちゃう!俺は急いで黒くて細い鎖を王様の左手に巻き付けた。
「呪いだよ!これを持っていって!」
「……君はなんて酷い物を持たせるんだ。でもこれがないと駄目なんだね?」
俺は頷く。だって王様は色々な物を外しても司書になるだけのスキルが足りない。だから、重いマイナスをつけてそれで調整をかけるんだ。
後ね、
「イアン様、言って。最後だよ」
「ナ、ナナ?!」
「楔を打ち込んで!逃すの?来世まで追わないの??」
ぐっ、と詰まった顔をしてそして上に登りつつある王様を見る。さあ、貴方の本性を!
「愛しておりました。国なんてどうでも良かった!愚王でも良かった!ただ、私の側に置いておきたくて貴方を……この手にかけました」
ああ、涙なんて似合わない、イアン様は狂気に歪んだ笑みがとても似合う!
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