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33 顧客の要望
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「ナナちゃああ~ん!中々連絡くれないと思ったら!まあまあ!良い物仕入れてくれたじゃない!」
「お待たせしました、ミルヒ様!俺、ぶっとい太客を手に入れたんで、良い物が入るようになったんですよ~」
今日はやっとミルヒ様にお渡しできる商品を手に入れることが出来た。
「歳は全部20歳以下の令嬢の皮!すんごいんですよ、イアン様の手の者の人って、傷はこの小っちゃい刺し傷一つしかないんです!ほくろみたいでしょう?」
完璧に仕上がっているし、全員美人だ。
「はあっさいっこう!全部貰うわ!」
「ありがとうございまーす!」
「代わりに~アタシに絡んできたウザイレッドドラゴンとホワイトフェンリルの死体上げる。邪魔だし。後ね~不死鳥3羽〆て来たからこれで羽飾りのついたマント作ってくれない?」
「お裁縫か……やってみますね。駄目なら羽だけ納品します」
「よろしく~!」
ミルヒ様はルンルン気分で帰って行かれた。俺はいい仕事してる~~~!
「なあ、ナナよ。イアンを殺して欲しい」
「無理ですよ、王様。俺は死者に対してはかなり強いですが、生者に対してはなぁ~んにも出来ない」
流石怨霊歴3年の王様は中々上に上がるとは言ってくれない。仕方がないので、イアン様の政敵として処理された令嬢たちの魂の処理をしよう。
もっと美人に!生れが貧乏になりますよ。そんなやり取りが多いんだよね。皆可愛くなりたいんだなぁ~。
「しかし、これでは私と私の家族が浮かばれぬ」
「そうですね~。ご家族は……溶けていそうですね。土からやり直しだなあ」
「土とな?!」
「そうですよ、未練も執着も……経験も善行ポイントも無くなった魂は然るべき時間内に神様の下にいかなくちゃどろどろになりますよ。王様は強い未練と、イアン様への恨みと怒りで姿を保っていますけれど、だいぶポイントも減っているからそろそろ何とかしないと、どんどん次がしんどくなります。気づいてます?足から消えかかってる」
王様はばっと自分の足元を見て、驚いている。足首辺りから無くなっているんだ。まあ溶けちゃったんだよね。きっとこの王様の殺された場所か未練の深い場所に溶けた足があるんじゃないかな?
「だが!このままイアンをこの国にのさばらせておくわけにはいかん!あいつはまだ私が王であるかのように扱い、この国を牛耳っている……嘆かわしい!」
「別に良いじゃないですか」
ああ、なんて可哀想なイアン様。
「良い!?何が……何が良いんだ!!」
これが生きていたなら、俺は恐ろしくて震えあがり気絶しただろうが、魂だけの王様の恫喝は何にも怖くないんだ。
「王様。あなたが死んで国がどうなったか知らないでしょ?」
俺はこの国に来て間もない。でも分かってしまったんだもん。
「国など……荒れておるに決まっているだろう!?私が不在なんだぞ!」
やっぱりね。
「お待たせしました、ミルヒ様!俺、ぶっとい太客を手に入れたんで、良い物が入るようになったんですよ~」
今日はやっとミルヒ様にお渡しできる商品を手に入れることが出来た。
「歳は全部20歳以下の令嬢の皮!すんごいんですよ、イアン様の手の者の人って、傷はこの小っちゃい刺し傷一つしかないんです!ほくろみたいでしょう?」
完璧に仕上がっているし、全員美人だ。
「はあっさいっこう!全部貰うわ!」
「ありがとうございまーす!」
「代わりに~アタシに絡んできたウザイレッドドラゴンとホワイトフェンリルの死体上げる。邪魔だし。後ね~不死鳥3羽〆て来たからこれで羽飾りのついたマント作ってくれない?」
「お裁縫か……やってみますね。駄目なら羽だけ納品します」
「よろしく~!」
ミルヒ様はルンルン気分で帰って行かれた。俺はいい仕事してる~~~!
「なあ、ナナよ。イアンを殺して欲しい」
「無理ですよ、王様。俺は死者に対してはかなり強いですが、生者に対してはなぁ~んにも出来ない」
流石怨霊歴3年の王様は中々上に上がるとは言ってくれない。仕方がないので、イアン様の政敵として処理された令嬢たちの魂の処理をしよう。
もっと美人に!生れが貧乏になりますよ。そんなやり取りが多いんだよね。皆可愛くなりたいんだなぁ~。
「しかし、これでは私と私の家族が浮かばれぬ」
「そうですね~。ご家族は……溶けていそうですね。土からやり直しだなあ」
「土とな?!」
「そうですよ、未練も執着も……経験も善行ポイントも無くなった魂は然るべき時間内に神様の下にいかなくちゃどろどろになりますよ。王様は強い未練と、イアン様への恨みと怒りで姿を保っていますけれど、だいぶポイントも減っているからそろそろ何とかしないと、どんどん次がしんどくなります。気づいてます?足から消えかかってる」
王様はばっと自分の足元を見て、驚いている。足首辺りから無くなっているんだ。まあ溶けちゃったんだよね。きっとこの王様の殺された場所か未練の深い場所に溶けた足があるんじゃないかな?
「だが!このままイアンをこの国にのさばらせておくわけにはいかん!あいつはまだ私が王であるかのように扱い、この国を牛耳っている……嘆かわしい!」
「別に良いじゃないですか」
ああ、なんて可哀想なイアン様。
「良い!?何が……何が良いんだ!!」
これが生きていたなら、俺は恐ろしくて震えあがり気絶しただろうが、魂だけの王様の恫喝は何にも怖くないんだ。
「王様。あなたが死んで国がどうなったか知らないでしょ?」
俺はこの国に来て間もない。でも分かってしまったんだもん。
「国など……荒れておるに決まっているだろう!?私が不在なんだぞ!」
やっぱりね。
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