33 / 71
新しい土地
33 無用な心配はかけない男
しおりを挟む
「ヨシュア……俺は二度と翡翠鮎を焼いて食べないと誓ったよ……」
「おはようございます……わあ!凄いくま……」
朝食が並べられた部屋でジュリアスさんと顔を合わせた俺はびっくりした。目の下が黒い!
ついでに言うとレギルさんも目の下が黒い。
「分かっていただけて嬉しいですよ!良いですか?一晩中説教と言うのは説教する方も眠れない訳なんですからね?!分かってます?!?!」
なるほど2人とも昨晩は寝ていなかったのか。レンもうなされてたし、俺だけ平和にグースカ寝ていたとは……何か申し訳ない気持ちになる。
その申し訳ない気持ちが作用したのか、俺の玉はフィーバー状態でザラザラザラーっと大量に流れ出て来た。
「おう……」
「流れ出たな?」
自分じゃ止められないの……引かないで……!
「ヨシュアの優しさが身に染みるッス」
レンはいい奴だ!
朝食も俺に合わせてくれたようで、甘い果物のジャムが乗ったパンケーキとミルクだった。俺は特に甘いものが好きと言う訳ではありませんよ!むしゃむしゃ!
蜂蜜と砂糖を利かせた贅沢な甘さのジャムは美味しかった!くーっ子供舌!
レンを撫でながら、レギルさんの話を聞いていると時間はあっという間に過ぎ
、また抱っこされながら図書館へついた。
「特別図書館へようこそ。そろそろあの人達連れて行かないと、干からびちゃいますよ」
「わあ」
昨日と全く同じ場所に三人とも座っていて、周囲に積み上げられた本の山だけが高くなっている。
「カレル兄様、帰りますよ?」
「……いや、後少し…この本が終わるまで……」
物凄く分厚い本を片手に、お兄様は呟いたが聞くわけには行かない。
「三人とも、昨日から飲まず食わずらしいじゃないですか?だめだと思います!」
「ワシはおやつを食うたぞ?」
玉は食べ物じゃありませーん!
「玉を食べてもお腹はいっぱいになりませんよ?」
イージスははて?と首を傾げたが、
「……そう言えば腹が減っておる気がするのう?カレル、お前はどうじゃ?」
「ん?そう言われてみると、喉も渇いているような?マクドルさん、どうですか?」
「んんん?わしもなんだか腹の虫がうるさい気がするわい」
だめな人達だった。一度認識すると、思い出したように
「何か……飲みたい……」
「お腹すいた……」
「カレルーワシはもうだめじゃー」
イージスはせっかくの美青年の姿からぽん!と音を立てて白いトカゲになってしまった。
「飯を食おう」
カレル兄様の髪の毛の割れ目にすっぽりと収まって、イージスはくたりと伸びた。
「おかしい、私たちは究極の食べ物を食べていたはず!」
「だから玉は食べ物じゃないから、お腹はいっぱいになりませんよ……」
マクドルさんが物凄くがっかりした顔をしていた。大丈夫かな?このお爺ちゃん……。
帝国の王宮の一室から一気にマクドルさんの屋敷へ飛ぶ。転移門って凄い。マクドルさんのお屋敷でルルカお姉様と合流して、昼食をご馳走になった。
「それでね!その時現れたゾンビがね!」
お姉様の臨場感溢れる冒険譚のせいで、食欲が消え去ったが、早い時間にセーブル家に到着していた。
「俺はご両親に無用な心配はかけない男だからな!」
じゃあ嫁にするとか言う冗談はやめにして欲しい。お父様は頭が固い所があるから、信じたら困るでしょ!
「あとこの本はヨシュアが持っていた方がいい気がする。俺と兄上の思い出の本なんだが、貰ってくれないか?」
「優しいドラゴンと賢い子供」だ。どうしよう、お兄様との思い出の本なんでしょう?
「でも、そんな大事なものを……」
「頼む、きっと兄上も喜ぶと思うんだ」
頼まれてしまった。どうしよう……。
「あー……貰っておいたらいいッスよ。めちゃくちゃ喜んでるから」
「?レン??」
「良いじゃないスか。頑張ったらスキルが強くなるなんて、いい話ッスよ」
俺の足元にスリッと身を絡みつかせて、レンは言った。そうだね、スキルって頑張ったら……増えたりするかもしれないよね。
「分かりました。私がお預かりしておきます。……大切にしますね」
「ありがとうヨシュア……嬉しいよ」
俺のつむじ辺りにキスを落としてくるジュリアスさんはとてもスマートだ。そんな人がお妃様の1人もいないなんておかしい。
あ、会ってないだけで実はいるのかな!良いのかなぁ、俺の家に遊びに来てて。もっと家族は大事にした方が良いですよ。
「ジュリアスさん、お嫁さんは大事にしないとだめですよ?」
きょとんとした顔をしたが、ダメなものはダメでーす。
「なんだ?言葉遊びか?そういうのは俺よりレギルの方が得意だが……うーん、大事にしているつもりだぞ?」
「そうなんですか?そうは見えなくて」
お嫁さんほっぽりだして、子供と遊ぶのはよくないです。物凄くビックリした顔をしている。子供だってちゃんと考えてるんですー!
「そ……そうか……こんなものでは足りないのだな!一体どうしたら良いのだ?!これ以上……難しいことだな」
「一緒にいてあげると良いですよ!」
ジュリアスさんは更に目をまん丸にした。面白い顔ですね!
「そうか、ヨシュアは一緒に居たら嬉しいのか?」
「はい!」
家族が一緒ならなんだって楽しいし嬉しい。俺にお嫁さんが出来たらずっと一緒にいたいな!……ウザがられない程度に……。
「そうか、そうか。俺、頑張るよ。もっと一緒に居られるように!」
分かってもらえて俺は嬉しくなった。
「はい!そうしてみんなでお茶を飲んだり甘い飴を食べたりしたらいいんですよ」
「飴か……持ってないな……」
ポケットをゴソゴソとあさるジュリアスさんは真剣だ。
「ちなみにヨシュアはどんな飴が好きなんだ?」
「私ですか?ミルクの飴ですよ?」
俺の好みはどうでもいいでしょ。でも、一番好きなのはミルク味だ。美味い!
「そうか、分かった。今度から大量に持っておくようにするよ」
「そ、そうですね?」
たくさん持つ必要はないとは思うんだけど、無いより良いのかな??
「噛み合ってないくらいが、ちょーどいーのかもしれねッス」
レンがくわっと大あくびをした。
「おはようございます……わあ!凄いくま……」
朝食が並べられた部屋でジュリアスさんと顔を合わせた俺はびっくりした。目の下が黒い!
ついでに言うとレギルさんも目の下が黒い。
「分かっていただけて嬉しいですよ!良いですか?一晩中説教と言うのは説教する方も眠れない訳なんですからね?!分かってます?!?!」
なるほど2人とも昨晩は寝ていなかったのか。レンもうなされてたし、俺だけ平和にグースカ寝ていたとは……何か申し訳ない気持ちになる。
その申し訳ない気持ちが作用したのか、俺の玉はフィーバー状態でザラザラザラーっと大量に流れ出て来た。
「おう……」
「流れ出たな?」
自分じゃ止められないの……引かないで……!
「ヨシュアの優しさが身に染みるッス」
レンはいい奴だ!
朝食も俺に合わせてくれたようで、甘い果物のジャムが乗ったパンケーキとミルクだった。俺は特に甘いものが好きと言う訳ではありませんよ!むしゃむしゃ!
蜂蜜と砂糖を利かせた贅沢な甘さのジャムは美味しかった!くーっ子供舌!
レンを撫でながら、レギルさんの話を聞いていると時間はあっという間に過ぎ
、また抱っこされながら図書館へついた。
「特別図書館へようこそ。そろそろあの人達連れて行かないと、干からびちゃいますよ」
「わあ」
昨日と全く同じ場所に三人とも座っていて、周囲に積み上げられた本の山だけが高くなっている。
「カレル兄様、帰りますよ?」
「……いや、後少し…この本が終わるまで……」
物凄く分厚い本を片手に、お兄様は呟いたが聞くわけには行かない。
「三人とも、昨日から飲まず食わずらしいじゃないですか?だめだと思います!」
「ワシはおやつを食うたぞ?」
玉は食べ物じゃありませーん!
「玉を食べてもお腹はいっぱいになりませんよ?」
イージスははて?と首を傾げたが、
「……そう言えば腹が減っておる気がするのう?カレル、お前はどうじゃ?」
「ん?そう言われてみると、喉も渇いているような?マクドルさん、どうですか?」
「んんん?わしもなんだか腹の虫がうるさい気がするわい」
だめな人達だった。一度認識すると、思い出したように
「何か……飲みたい……」
「お腹すいた……」
「カレルーワシはもうだめじゃー」
イージスはせっかくの美青年の姿からぽん!と音を立てて白いトカゲになってしまった。
「飯を食おう」
カレル兄様の髪の毛の割れ目にすっぽりと収まって、イージスはくたりと伸びた。
「おかしい、私たちは究極の食べ物を食べていたはず!」
「だから玉は食べ物じゃないから、お腹はいっぱいになりませんよ……」
マクドルさんが物凄くがっかりした顔をしていた。大丈夫かな?このお爺ちゃん……。
帝国の王宮の一室から一気にマクドルさんの屋敷へ飛ぶ。転移門って凄い。マクドルさんのお屋敷でルルカお姉様と合流して、昼食をご馳走になった。
「それでね!その時現れたゾンビがね!」
お姉様の臨場感溢れる冒険譚のせいで、食欲が消え去ったが、早い時間にセーブル家に到着していた。
「俺はご両親に無用な心配はかけない男だからな!」
じゃあ嫁にするとか言う冗談はやめにして欲しい。お父様は頭が固い所があるから、信じたら困るでしょ!
「あとこの本はヨシュアが持っていた方がいい気がする。俺と兄上の思い出の本なんだが、貰ってくれないか?」
「優しいドラゴンと賢い子供」だ。どうしよう、お兄様との思い出の本なんでしょう?
「でも、そんな大事なものを……」
「頼む、きっと兄上も喜ぶと思うんだ」
頼まれてしまった。どうしよう……。
「あー……貰っておいたらいいッスよ。めちゃくちゃ喜んでるから」
「?レン??」
「良いじゃないスか。頑張ったらスキルが強くなるなんて、いい話ッスよ」
俺の足元にスリッと身を絡みつかせて、レンは言った。そうだね、スキルって頑張ったら……増えたりするかもしれないよね。
「分かりました。私がお預かりしておきます。……大切にしますね」
「ありがとうヨシュア……嬉しいよ」
俺のつむじ辺りにキスを落としてくるジュリアスさんはとてもスマートだ。そんな人がお妃様の1人もいないなんておかしい。
あ、会ってないだけで実はいるのかな!良いのかなぁ、俺の家に遊びに来てて。もっと家族は大事にした方が良いですよ。
「ジュリアスさん、お嫁さんは大事にしないとだめですよ?」
きょとんとした顔をしたが、ダメなものはダメでーす。
「なんだ?言葉遊びか?そういうのは俺よりレギルの方が得意だが……うーん、大事にしているつもりだぞ?」
「そうなんですか?そうは見えなくて」
お嫁さんほっぽりだして、子供と遊ぶのはよくないです。物凄くビックリした顔をしている。子供だってちゃんと考えてるんですー!
「そ……そうか……こんなものでは足りないのだな!一体どうしたら良いのだ?!これ以上……難しいことだな」
「一緒にいてあげると良いですよ!」
ジュリアスさんは更に目をまん丸にした。面白い顔ですね!
「そうか、ヨシュアは一緒に居たら嬉しいのか?」
「はい!」
家族が一緒ならなんだって楽しいし嬉しい。俺にお嫁さんが出来たらずっと一緒にいたいな!……ウザがられない程度に……。
「そうか、そうか。俺、頑張るよ。もっと一緒に居られるように!」
分かってもらえて俺は嬉しくなった。
「はい!そうしてみんなでお茶を飲んだり甘い飴を食べたりしたらいいんですよ」
「飴か……持ってないな……」
ポケットをゴソゴソとあさるジュリアスさんは真剣だ。
「ちなみにヨシュアはどんな飴が好きなんだ?」
「私ですか?ミルクの飴ですよ?」
俺の好みはどうでもいいでしょ。でも、一番好きなのはミルク味だ。美味い!
「そうか、分かった。今度から大量に持っておくようにするよ」
「そ、そうですね?」
たくさん持つ必要はないとは思うんだけど、無いより良いのかな??
「噛み合ってないくらいが、ちょーどいーのかもしれねッス」
レンがくわっと大あくびをした。
56
お気に入りに追加
2,825
あなたにおすすめの小説
王道学園のモブ
四季織
BL
王道学園に転生した俺が出会ったのは、寡黙書記の先輩だった。
私立白鳳学園。山の上のこの学園は、政財界、文化界を担う子息達が通う超名門校で、特に、有名なのは生徒会だった。
そう、俺、小坂威(おさかたける)は王道学園BLゲームの世界に転生してしまったんだ。もちろんゲームに登場しない、名前も見た目も平凡なモブとして。
転生令息は冒険者を目指す!?
葛城 惶
BL
ある時、日本に大規模災害が発生した。
救助活動中に取り残された少女を助けた自衛官、天海隆司は直後に土砂の崩落に巻き込まれ、意識を失う。
再び目を開けた時、彼は全く知らない世界に転生していた。
異世界で美貌の貴族令息に転生した脳筋の元自衛官は憧れの冒険者になれるのか?!
とってもお馬鹿なコメディです(;^_^A
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
ちっちゃくなった俺の異世界攻略
鮨海
ファンタジー
あるとき神の采配により異世界へ行くことを決意した高校生の大輝は……ちっちゃくなってしまっていた!
精霊と神様からの贈り物、そして大輝の力が試される異世界の大冒険?が幕を開ける!
もふもふと始めるゴミ拾いの旅〜何故か最強もふもふ達がお世話されに来ちゃいます〜
双葉 鳴|◉〻◉)
ファンタジー
「ゴミしか拾えん役立たずなど我が家にはふさわしくない! 勘当だ!」
授かったスキルがゴミ拾いだったがために、実家から勘当されてしまったルーク。
途方に暮れた時、声をかけてくれたのはひと足先に冒険者になって実家に仕送りしていた長兄アスターだった。
ルークはアスターのパーティで世話になりながら自分のスキルに何ができるか少しづつ理解していく。
駆け出し冒険者として少しづつ認められていくルーク。
しかしクエストの帰り、討伐対象のハンターラビットとボアが縄張り争いをしてる場面に遭遇。
毛色の違うハンターラビットに自分を重ねるルークだったが、兄アスターから引き止められてギルドに報告しに行くのだった。
翌朝死体が運び込まれ、素材が剥ぎ取られるハンターラビット。
使われなくなった肉片をかき集めてお墓を作ると、ルークはハンターラビットの魂を拾ってしまい……変身できるようになってしまった!
一方で死んだハンターラビットの帰りを待つもう一匹のハンターラビットの助けを求める声を聞いてしまったルークは、その子を助け出す為兄の言いつけを破って街から抜け出した。
その先で助け出したはいいものの、すっかり懐かれてしまう。
この日よりルークは人間とモンスターの二足の草鞋を履く生活を送ることになった。
次から次に集まるモンスターは最強種ばかり。
悪の研究所から逃げ出してきたツインヘッドベヒーモスや、捕らえられてきたところを逃げ出してきたシルバーフォックス(のちの九尾の狐)、フェニックスやら可愛い猫ちゃんまで。
ルークは新しい仲間を募り、一緒にお世話するブリーダーズのリーダーとしてお世話道を極める旅に出るのだった!
<第一部:疫病編>
一章【完結】ゴミ拾いと冒険者生活:5/20〜5/24
二章【完結】ゴミ拾いともふもふ生活:5/25〜5/29
三章【完結】ゴミ拾いともふもふ融合:5/29〜5/31
四章【完結】ゴミ拾いと流行り病:6/1〜6/4
五章【完結】ゴミ拾いともふもふファミリー:6/4〜6/8
六章【完結】もふもふファミリーと闘技大会(道中):6/8〜6/11
七章【完結】もふもふファミリーと闘技大会(本編):6/12〜6/18
悪役側のモブになっても推しを拝みたい。【完結】
瑳来
BL
大学生でホストでオタクの如月杏樹はホストの仕事をした帰り道、自分のお客に刺されてしまう。
そして、気がついたら自分の夢中になっていたBLゲームのモブキャラになっていた!
……ま、推しを拝めるからいっか! てな感じで、ほのぼのと生きていこうと心に決めたのであった。
ウィル様のおまけにて完結致しました。
長い間お付き合い頂きありがとうございました!
異世界へ下宿屋と共にトリップしたようで。
やの有麻
BL
山に囲まれた小さな村で下宿屋を営んでる倉科 静。29歳で独身。
昨日泊めた外国人を玄関の前で見送り家の中へ入ると、疲労が溜まってたのか急に眠くなり玄関の前で倒れてしまった。そして気付いたら住み慣れた下宿屋と共に異世界へとトリップしてしまったらしい!・・・え?どーゆうこと?
前編・後編・あとがきの3話です。1話7~8千文字。0時に更新。
*ご都合主義で適当に書きました。実際にこんな村はありません。
*フィクションです。感想は受付ますが、法律が~国が~など現実を突き詰めないでください。あくまで私が描いた空想世界です。
*男性出産関連の表現がちょっと入ってます。苦手な方はオススメしません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる