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キノコ神の使徒達
31 世界征服したいの?
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「お、じ、さ、まーーー!」
「うっ?!」
首筋と、腹に衝撃を受けて俺の意識は一瞬で刈り取られた。
「王よ!神は?!」
「今から懐柔……いえ、言う事聞かせて参りますのでしばらくお待ち下さい」
「言う事……聞かせて……?」
我が国の若き王は何かと迫力がある。逆らわない方がいい。凄い勢いで馬車で乗り付けて、馬車で王宮に神を連れ去った。
「ホントだ」
「本物だ……」
「まさか本当に作れるとは」
「いやまあしかし、やったじゃないか!」
うーん、若い男達の声がする。誰だろう。
「本当におじさまなのか?」
「ああ、土の精霊力はそう感知している」
「水の俺達じゃそこまで分からないからな」
「父上が白状したぞ、ずっと目を覚さなかったおじさまを叩き起こしたって」
「お母様がおじさまに頼ったらしい」
「なら本物だね」
んんー……なんだなんだ。うるさいな。俺はなんで寝てるんだっけ、えーっと
「そうだ!逃げないと!」
がばり!身を起こすと、4人の顔がこっちを向いた。全員驚いた顔をしていて、全員若い男。んんーあれ?見た事が
「セアン」
「はい、おじさま」
「リィム」
「はい、お久しぶりです」
「ブラウ」
「はーい、お元気でしたか?」
「アーテル」
「お会いしたかったです」
「全員面影あるなぁ!大きくなったなぁ!」
「あの時、俺たちは10歳でしたからね。今は17歳ですよ。成長したでしょう?」
にっこりとセアンが笑った。凄く良い笑顔だ。セアンが国王なのかな?立派な服も着て頼りになりそうだ。
「うん、凄いな……みんな頑張ったんだなぁ。街をみたよ、凄かった……エドヴァルドに見せてやりたかった」
この栄えた国を見たら、なんて言うだろうな。そしてこんなに立派になった甥達や親友の息子をみたら、なんて言うだろう。立派な息子……あ、大事な事思い出して来た……。
「あ な、なんだか俺。突然腹痛がしてきたな……トイレに」
「でしたら、そこの扉からどうぞ?服もお召しでないですから、羽織り物もどうぞ?」
「あ、はい」
逃げなくちゃ……。
「……」
トイレの窓はがっちり鉄柵があった。あれぇ?
「おじさま、好きなだけ篭っても構いませんが、状況は好転しないと思いますので、そこそこで出て来てくださいね」
「……はい……」
俺はすごすごと元の部屋に戻った。
「おじさま、おじさまは確かホムンクルスの理論で、マスターを設定しますよね」
「え?あ、うんもしかして資料を読んだ?」
俺が森に隠したアルトの研究資料だ。
「はい、暗記するくらいには読ませて貰いました」
はぁ……なるほど。君達があのキノコからホムンクルスを作る工程を作ったのね。
「で、ですね?おじさま。誰がマスターなんですか?」
「え、いないけど。召喚に体液とか使わなかったでしょう。特定の誰かは設定して居ないようだよ」
「ほう」「へえ」「なるほど」「良いですね」
あれ?答えちゃダメな奴だった?
「おじさまが気にいるような、良い子を演じて、マスターに設定してもらってからの方が良いのは分かってるんですが」
「俺たちも若いんで、そろそろ限界です」
「それにしてもあの頃のおじさまの再現度高いですね?」
「やはり像も作って外見を細かく指定したのも良かったんでしょうが」
あ、まずい。この子達はあの子達なんだ!7年前のぐっちょんぐっちょん事件が脳裏に蘇る。あれは痛ましい事件だった。
「あ、あの、俺、森に帰りたいなーって……」
「何を言ってるんです?おじさま」
「おじさまはこれから王宮暮らしですよ?」
「前みたいに突然拉致されると困るので、今度は目を離しませんよ?」
「しかも山で休眠されるともっと迷惑なので、ずっと一緒にいて貰いますけど?」
え……何言っちゃってるのこの子達。
何がおかしいよ?
「全くふらふら連れ去られたと思えば、火と風まで引っ掛けてくるし!」
「4大精霊集めて何かしたいんですか?」
「世界征服ですか?しましょうか??」
「いい加減ライバル増やすのにやめて来れませんか??」
え、俺、怒られてるの……?
俺が訳も分からず戸惑っていると、トイレではないドアがドンドンと叩かれる。
「キノコのおじちゃま拾って来たってホントー?」
「俺らにも合わせろよ!」
「お前らだけでキノコパーティーなんてて絶対許さねーからな!」
「キノコのおじちゃま!ママが謝りたいってゆってるのー」
だ、誰ですか……?よく分からないけど嫌な予感がしますよ?
「うっ?!」
首筋と、腹に衝撃を受けて俺の意識は一瞬で刈り取られた。
「王よ!神は?!」
「今から懐柔……いえ、言う事聞かせて参りますのでしばらくお待ち下さい」
「言う事……聞かせて……?」
我が国の若き王は何かと迫力がある。逆らわない方がいい。凄い勢いで馬車で乗り付けて、馬車で王宮に神を連れ去った。
「ホントだ」
「本物だ……」
「まさか本当に作れるとは」
「いやまあしかし、やったじゃないか!」
うーん、若い男達の声がする。誰だろう。
「本当におじさまなのか?」
「ああ、土の精霊力はそう感知している」
「水の俺達じゃそこまで分からないからな」
「父上が白状したぞ、ずっと目を覚さなかったおじさまを叩き起こしたって」
「お母様がおじさまに頼ったらしい」
「なら本物だね」
んんー……なんだなんだ。うるさいな。俺はなんで寝てるんだっけ、えーっと
「そうだ!逃げないと!」
がばり!身を起こすと、4人の顔がこっちを向いた。全員驚いた顔をしていて、全員若い男。んんーあれ?見た事が
「セアン」
「はい、おじさま」
「リィム」
「はい、お久しぶりです」
「ブラウ」
「はーい、お元気でしたか?」
「アーテル」
「お会いしたかったです」
「全員面影あるなぁ!大きくなったなぁ!」
「あの時、俺たちは10歳でしたからね。今は17歳ですよ。成長したでしょう?」
にっこりとセアンが笑った。凄く良い笑顔だ。セアンが国王なのかな?立派な服も着て頼りになりそうだ。
「うん、凄いな……みんな頑張ったんだなぁ。街をみたよ、凄かった……エドヴァルドに見せてやりたかった」
この栄えた国を見たら、なんて言うだろうな。そしてこんなに立派になった甥達や親友の息子をみたら、なんて言うだろう。立派な息子……あ、大事な事思い出して来た……。
「あ な、なんだか俺。突然腹痛がしてきたな……トイレに」
「でしたら、そこの扉からどうぞ?服もお召しでないですから、羽織り物もどうぞ?」
「あ、はい」
逃げなくちゃ……。
「……」
トイレの窓はがっちり鉄柵があった。あれぇ?
「おじさま、好きなだけ篭っても構いませんが、状況は好転しないと思いますので、そこそこで出て来てくださいね」
「……はい……」
俺はすごすごと元の部屋に戻った。
「おじさま、おじさまは確かホムンクルスの理論で、マスターを設定しますよね」
「え?あ、うんもしかして資料を読んだ?」
俺が森に隠したアルトの研究資料だ。
「はい、暗記するくらいには読ませて貰いました」
はぁ……なるほど。君達があのキノコからホムンクルスを作る工程を作ったのね。
「で、ですね?おじさま。誰がマスターなんですか?」
「え、いないけど。召喚に体液とか使わなかったでしょう。特定の誰かは設定して居ないようだよ」
「ほう」「へえ」「なるほど」「良いですね」
あれ?答えちゃダメな奴だった?
「おじさまが気にいるような、良い子を演じて、マスターに設定してもらってからの方が良いのは分かってるんですが」
「俺たちも若いんで、そろそろ限界です」
「それにしてもあの頃のおじさまの再現度高いですね?」
「やはり像も作って外見を細かく指定したのも良かったんでしょうが」
あ、まずい。この子達はあの子達なんだ!7年前のぐっちょんぐっちょん事件が脳裏に蘇る。あれは痛ましい事件だった。
「あ、あの、俺、森に帰りたいなーって……」
「何を言ってるんです?おじさま」
「おじさまはこれから王宮暮らしですよ?」
「前みたいに突然拉致されると困るので、今度は目を離しませんよ?」
「しかも山で休眠されるともっと迷惑なので、ずっと一緒にいて貰いますけど?」
え……何言っちゃってるのこの子達。
何がおかしいよ?
「全くふらふら連れ去られたと思えば、火と風まで引っ掛けてくるし!」
「4大精霊集めて何かしたいんですか?」
「世界征服ですか?しましょうか??」
「いい加減ライバル増やすのにやめて来れませんか??」
え、俺、怒られてるの……?
俺が訳も分からず戸惑っていると、トイレではないドアがドンドンと叩かれる。
「キノコのおじちゃま拾って来たってホントー?」
「俺らにも合わせろよ!」
「お前らだけでキノコパーティーなんてて絶対許さねーからな!」
「キノコのおじちゃま!ママが謝りたいってゆってるのー」
だ、誰ですか……?よく分からないけど嫌な予感がしますよ?
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