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9 スコットさん、プレゼントに恐怖する
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「あ、アルフレッドさん?私は男です」
「はいっ!存じております!」
「そしておじさんです。今年で38歳になりました」
「ええ!まだまだお可愛らしいですね!」
スコットさんは文字通り開いた口が塞がりません。この前途有望そうな若者は何を言っているんでしょう?スコットさんの脳みそにはほんのちょっとも染み込んできません。
あ!スコットさんはちょっとだけ理解しました。これはおじさんをからかって遊んでいるんです。
目の前の真面目そうな若者は、そんな事をするようには見えませんが、それしか考え付かないんです。
「アルフレッドさん、おじさんをからかうものではありませんよ。おじさんだってこう見えて傷つくんですからね?」
「からかってなんていません!僕は本気です!僕は、初めて貴方を見た時から貴方に恋をしたんです!」
14歳のアルフレッド少年が28歳のスコットさんを好きになるとは。アルフレッドはなかなか通好みで、コアな少年だったんですね!
「でも……」
「でもじゃないです!そして今でも、貴方の事が大好きです!貴方に認められるように、僕は頑張って魔王を倒してきました!貴方の為に魔王をやっつけたんです!」
今度はスコットさんの目が点になります。このアルフレッド、どうやら魔王をスコットさんの為に倒してきたと言うのです。
目が点で口をぽかーんと開けたスコットさん。
「くっ!可愛い!可愛いが加速してるっ!」
アルフレッドは目頭を押さえています。隊長さんと別タイプのヤバさを感じますね!
「あ、アルフレッドさん。ですから私は男でおじさんなので、ちょっと……男性の恋人は募集していないので……」
「そこをなんとかお願いします!この魔王の首も良ければ差し上げますので!」
「い?!いりませんんんん!!」
ぶんぶん!と激しく首を振ります。誰も魔王の生首なんて欲しくないですよね!
「お願いです!スコットさん!どうか!僕を貴方の恋人に!友達からでも良いので!お願いします!」
白目を剥いて《見せられないよ!》な感じの魔王の生首を手にぐいぐい迫られて、スコットさんは顔面蒼白、今にも倒れそうです。
「と!友達なら!友達ならーー!怖いので生首はしまってくださいーー!」
「えへへ!」
スコットさんに新しい友達が増えました。
「スコットさん、お友達ですので、今日からお家に泊まらせて下さい」
閉店準備を手伝いつつ、アルフレッドはいい笑顔でおねだりします。
「えっ!街に宿屋がありますよね?」
スコットさんはびっくりします。まさかそんな事言われるとは思っていませんでしたから。
「どこも満室なんですよー。友達が困ってるんです~お願いします!」
スコットさん!断るんです!頑張って断るんです!友達って言ってもほんの数分前に押し切られて友達になった友達ですよ!そんなの怪しいじゃないですか!きがついてー!スコットさん!
「え、あ、えーと。困ってるのなら……」
「やったぁ!」
スコットさーーん!
「と、言うかアルフレッドさんってもしかして勇者?」
「あ、はい!」
スコットさんは驚いて花の入ったバケツを落とす所でした。
「勇者さんとお友達になってしまいました!」
「いずれ恋人になりましょうね!」
アルフレッドの辞書に諦めると言う文字はないようです。スコットさん、大丈夫でしょうか?
「はいっ!存じております!」
「そしておじさんです。今年で38歳になりました」
「ええ!まだまだお可愛らしいですね!」
スコットさんは文字通り開いた口が塞がりません。この前途有望そうな若者は何を言っているんでしょう?スコットさんの脳みそにはほんのちょっとも染み込んできません。
あ!スコットさんはちょっとだけ理解しました。これはおじさんをからかって遊んでいるんです。
目の前の真面目そうな若者は、そんな事をするようには見えませんが、それしか考え付かないんです。
「アルフレッドさん、おじさんをからかうものではありませんよ。おじさんだってこう見えて傷つくんですからね?」
「からかってなんていません!僕は本気です!僕は、初めて貴方を見た時から貴方に恋をしたんです!」
14歳のアルフレッド少年が28歳のスコットさんを好きになるとは。アルフレッドはなかなか通好みで、コアな少年だったんですね!
「でも……」
「でもじゃないです!そして今でも、貴方の事が大好きです!貴方に認められるように、僕は頑張って魔王を倒してきました!貴方の為に魔王をやっつけたんです!」
今度はスコットさんの目が点になります。このアルフレッド、どうやら魔王をスコットさんの為に倒してきたと言うのです。
目が点で口をぽかーんと開けたスコットさん。
「くっ!可愛い!可愛いが加速してるっ!」
アルフレッドは目頭を押さえています。隊長さんと別タイプのヤバさを感じますね!
「あ、アルフレッドさん。ですから私は男でおじさんなので、ちょっと……男性の恋人は募集していないので……」
「そこをなんとかお願いします!この魔王の首も良ければ差し上げますので!」
「い?!いりませんんんん!!」
ぶんぶん!と激しく首を振ります。誰も魔王の生首なんて欲しくないですよね!
「お願いです!スコットさん!どうか!僕を貴方の恋人に!友達からでも良いので!お願いします!」
白目を剥いて《見せられないよ!》な感じの魔王の生首を手にぐいぐい迫られて、スコットさんは顔面蒼白、今にも倒れそうです。
「と!友達なら!友達ならーー!怖いので生首はしまってくださいーー!」
「えへへ!」
スコットさんに新しい友達が増えました。
「スコットさん、お友達ですので、今日からお家に泊まらせて下さい」
閉店準備を手伝いつつ、アルフレッドはいい笑顔でおねだりします。
「えっ!街に宿屋がありますよね?」
スコットさんはびっくりします。まさかそんな事言われるとは思っていませんでしたから。
「どこも満室なんですよー。友達が困ってるんです~お願いします!」
スコットさん!断るんです!頑張って断るんです!友達って言ってもほんの数分前に押し切られて友達になった友達ですよ!そんなの怪しいじゃないですか!きがついてー!スコットさん!
「え、あ、えーと。困ってるのなら……」
「やったぁ!」
スコットさーーん!
「と、言うかアルフレッドさんってもしかして勇者?」
「あ、はい!」
スコットさんは驚いて花の入ったバケツを落とす所でした。
「勇者さんとお友達になってしまいました!」
「いずれ恋人になりましょうね!」
アルフレッドの辞書に諦めると言う文字はないようです。スコットさん、大丈夫でしょうか?
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