12 / 13
12
しおりを挟む
「ふいー!今年も頑張ったー!大漁大漁!」
額の汗をタオルで拭きつつ、今年の成果を吟味する。
「今年はどうかなー?」
「おりますよ、1番末が姫君です!」
「おお!やったぜ!やっぱり数が多いと女子を引く確率も上がんのかな!」
俺、すごいじゃねーか!ひっさしぶりの女の子はティセルに似て美人な狼になりそうだ。
「後は羊がお二人で狼がお一人です。今年もなかなかよろしい配分ですな」
「ははっ!そうだな!」
オーグ出身のじーさん先生に褒められて、俺は笑う。羊だけの年は流石に睨まれたっけ。次の年狼ばかり産んだらまた褒められたっけ。
俺が子供を産むのはここ数年の年間行事に組み込まれている。仕方がないだろ!出来るんだから。
まあ子供はいくらいても可愛いし、育てられる環境も金もある。なら、両手両足の指の数以上の子供がいたって良いだろう?
ずいぶん前に若い医師に聞かれた事がある。
「シーファーン様、避妊はなさらないので……?」
「ん?ヒニンってなんだ?」
その医師はすぐさまメイド達に取り囲まれ、どこかへ連れ去られてしまって、それっきり見なくなった。何だろうな?
「ティセル、ヒニンって何よ?」
そう聞くと、俺の大好きな顔でにっこり笑って
「つまらないことですよ」
そう言って押し倒して来たので、まあどうでも良い事だったんだろう。楽しく夜は盛り上がって、次の日の朝には何を聞いたか忘れてしまっていた。
ティセルがなんかしたようだが、俺の旦那様は俺が困る事はしないので良いだろう。ティセルが旦那様になってから、頭を使う事はほぼティセルに任せてしまった。だってティセルは本当にあたまがいいんだもん。
俺の大っ嫌いな書類仕事までテキパキとこなしてくれるんで、それだけでも結婚して良かったなーと思う訳だ。
「シファ!」
「よう!見たか?全員可愛かろう?」
俺達の子供は本当に全員可愛い!良く冗談で「食べちゃいたいですよ」なんてティセルは言うが、少し冗談に聞こえない。狼め!
「可愛いですね。本当に全員、あなたの次に可愛い」
そう言ってキスを贈って来るから、タチが悪い。くそっ!可愛い旦那様め!
「さあ、疲れたでしょう。今は休んで?」
「そうだな、そうしようかな。産んですぐには流石に次は仕込まんだろ?いくらお前でも」
さあ?どうでしょう?と悪戯っぽく笑う。可愛い顔で怖い事を言う!
「あなたがもういらないと言うまで」
「一生言わなかったらどうするんだ?」
頭の良い旦那様はうーん?と少し考え込んだが
「もっと大きな家が欲しくなりますかね?」
「そうだな!」
あと何人増やせるか楽しみだ!
おしまい
額の汗をタオルで拭きつつ、今年の成果を吟味する。
「今年はどうかなー?」
「おりますよ、1番末が姫君です!」
「おお!やったぜ!やっぱり数が多いと女子を引く確率も上がんのかな!」
俺、すごいじゃねーか!ひっさしぶりの女の子はティセルに似て美人な狼になりそうだ。
「後は羊がお二人で狼がお一人です。今年もなかなかよろしい配分ですな」
「ははっ!そうだな!」
オーグ出身のじーさん先生に褒められて、俺は笑う。羊だけの年は流石に睨まれたっけ。次の年狼ばかり産んだらまた褒められたっけ。
俺が子供を産むのはここ数年の年間行事に組み込まれている。仕方がないだろ!出来るんだから。
まあ子供はいくらいても可愛いし、育てられる環境も金もある。なら、両手両足の指の数以上の子供がいたって良いだろう?
ずいぶん前に若い医師に聞かれた事がある。
「シーファーン様、避妊はなさらないので……?」
「ん?ヒニンってなんだ?」
その医師はすぐさまメイド達に取り囲まれ、どこかへ連れ去られてしまって、それっきり見なくなった。何だろうな?
「ティセル、ヒニンって何よ?」
そう聞くと、俺の大好きな顔でにっこり笑って
「つまらないことですよ」
そう言って押し倒して来たので、まあどうでも良い事だったんだろう。楽しく夜は盛り上がって、次の日の朝には何を聞いたか忘れてしまっていた。
ティセルがなんかしたようだが、俺の旦那様は俺が困る事はしないので良いだろう。ティセルが旦那様になってから、頭を使う事はほぼティセルに任せてしまった。だってティセルは本当にあたまがいいんだもん。
俺の大っ嫌いな書類仕事までテキパキとこなしてくれるんで、それだけでも結婚して良かったなーと思う訳だ。
「シファ!」
「よう!見たか?全員可愛かろう?」
俺達の子供は本当に全員可愛い!良く冗談で「食べちゃいたいですよ」なんてティセルは言うが、少し冗談に聞こえない。狼め!
「可愛いですね。本当に全員、あなたの次に可愛い」
そう言ってキスを贈って来るから、タチが悪い。くそっ!可愛い旦那様め!
「さあ、疲れたでしょう。今は休んで?」
「そうだな、そうしようかな。産んですぐには流石に次は仕込まんだろ?いくらお前でも」
さあ?どうでしょう?と悪戯っぽく笑う。可愛い顔で怖い事を言う!
「あなたがもういらないと言うまで」
「一生言わなかったらどうするんだ?」
頭の良い旦那様はうーん?と少し考え込んだが
「もっと大きな家が欲しくなりますかね?」
「そうだな!」
あと何人増やせるか楽しみだ!
おしまい
応援ありがとうございます!
1
お気に入りに追加
210
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる