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「ぬ、抜け……な?」

「嫌ですよ。確実に孕むまでベッドから下ろしません。にしても、やはりタフですね。偽発情期とはいえ、冷静に考えられるとは。もっと私を求めていやらしく腰を振ってくれるのかと思ったのに」

 くそっ!最初の夜の事を言ってんのか!確かにあの夜俺は尻を使うのは初めてだったのに、ティセル王子に跨って愉しんでいた。

「……なあ、もしかして何かした?」

 ティセル王子はいつもの可愛い顔に戻りペロッと舌を出した。

「しました。少し理性を飛ばす薬を盛りました。そうでもしなきゃ襲いかかる真似なんてしないでしょう?ふふ!」

「お前なぁ……」

「良いじゃないですか!私は貴方を手に入れたかったんですから。最悪、私が下でも構わなかったんです。私、大きいですから、入らないかな?って思いまして。シファ様のココが優秀で助かりましたよ。嬉しいです」

「あ……そう……」

 手足の全てに抵抗する為の力が入らない。頑張って動かせば上に乗っているティセル王子を払い除けて引き抜くこともできるだろう。

「ふふ、シファ様。何か考え中ですか?ナカがぐにぐに動いてとても気持ちが良いです。もう少し中に出して良いですか?」

「……もう、勝手にしろよ」

「あれぇ?そんな事を言う連れない奥さんはお仕置きしちゃおうかなー?」

「ちょっ!嘘だろ!止めろっ……あんっ!」

 また気を失うまでせめられ続けた。



「シファ嫁に」

「はい!もうシファ様のお腹の中には私の子が宿っておりますし!」

「……嘘だろ」

「嘘ではございませんよ。私の連れてきた者達は優秀ですからね」

 後ろを振り返ると、メイドがにっこり微笑んだ。マジっぽい……俺、尻から子供産んじゃうの?!

「10人以上は欲しいです!頑張って下さいね!シファさま!」

「うわぁ……」

 ここまでされると父上も、俺を辺境に飛ばす事も出来ずに、ティセル王子の嫁として扱う事に渋々了解した。

 俺と王子は離宮の一つを与えられ、王子の使用人に囲まれて暮らしている。

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