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25 あらあら?何とかなりそうじゃない?
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「脂肪ぅ」
ガタゴトと揺れる馬車で私のお尻の脂肪はあまり仕事をしてくれなかった。馬車自体は良い物なんだけど道が最悪ね。
でもゾーネに入る頃には少しまともになって来た。
「はぁ……長いわね。いつ着くのかしら?」
「馬で飛ばせば早いですが馬車では1か月程度でしょうか?」
「……そう、随分遠くまで来たものね」
あの国しか知らない私はゾーネ国に来て驚いていた。何というか街や国自体が物々しい。ついて来てくれたマリリーも少し青い顔で外を見ている。
「シシリー様……兵士が多いですね」
「ええ。全然お勉強してこなかったから分からないけれど……軍が強いのかしら?」
街角に我が国とは比べ物にならないほど、兵士が立っている。こうなって来ると、この国のことを何も知らないのが恐ろしいわ。
「マリリー。この国の事で知っている事を教えてちょうだい?」
「ええ、私もあまり知らないのですが……」
「どこまでやらかしても大丈夫なのか加減が必要だわ……」
荒っぽい国なら怒らせたら処刑!なんてあり得るかもしれない。死んだら帰られないじゃないの!
「そうですね」
苦笑するマリリー。私は数名の女官や侍女、メイドを連れて来ている。全員に
「早目にやらかして婚約破棄されて国へ帰るつもりよ!」
と、宣言しているので皆協力してくれるはず。でもマリリーもあまり知らなくて結局は王宮に着いてから手探りでやっていくしかないようだった。
「レイル帝国皇女シシリーでございます」
微妙な淑女の礼に、ゾーネの貴族達はヒソヒソと噂話をしたようだがそれで良い、計画通りよ!!さあ、私の悪評を立てると良いわ。そして「この黒豚は王弟の嫁に相応しくない!」って会議とかで決定すると良いのよ。
「遠い所ご苦労であったな、皇女殿下。弟は多忙の身故、後程挨拶に行かせよう」
「お気遣いありがとうございます」
ゾーネ国の国王はそんなに歳じゃなかった。35.6歳ってとこかな?若いけど、中々やり手なんだろうなぁ。て言うかね?ツッコミたいんだけど、国王がそれくらいで、王弟であるギルマルド様が30歳なのよ。
分かるかしら?私ってば豚だけどぴっちぴちの16歳なの。
あんまり考えないようにしてたんだけどさ、私がかなーり小さい時にギルマルド様との婚約が組まれたわけ。
ロリぃのかしら……?デブ専のロリぃってヤバすぎる案件じゃない??早く帰りたい。
でもゾーネの国王の顔を見て安心した。あれはどう考えても歓迎している顔じゃ無いわ。私を追い出したくてしょうがない顔だ。ふふ、そうよね?盛りに盛った姿絵じゃなくて本物がコレじゃ返品したいわよね?
案外早く帰れそうだわ!私はお供達と共にニヤリと笑うしかなかった。
ガタゴトと揺れる馬車で私のお尻の脂肪はあまり仕事をしてくれなかった。馬車自体は良い物なんだけど道が最悪ね。
でもゾーネに入る頃には少しまともになって来た。
「はぁ……長いわね。いつ着くのかしら?」
「馬で飛ばせば早いですが馬車では1か月程度でしょうか?」
「……そう、随分遠くまで来たものね」
あの国しか知らない私はゾーネ国に来て驚いていた。何というか街や国自体が物々しい。ついて来てくれたマリリーも少し青い顔で外を見ている。
「シシリー様……兵士が多いですね」
「ええ。全然お勉強してこなかったから分からないけれど……軍が強いのかしら?」
街角に我が国とは比べ物にならないほど、兵士が立っている。こうなって来ると、この国のことを何も知らないのが恐ろしいわ。
「マリリー。この国の事で知っている事を教えてちょうだい?」
「ええ、私もあまり知らないのですが……」
「どこまでやらかしても大丈夫なのか加減が必要だわ……」
荒っぽい国なら怒らせたら処刑!なんてあり得るかもしれない。死んだら帰られないじゃないの!
「そうですね」
苦笑するマリリー。私は数名の女官や侍女、メイドを連れて来ている。全員に
「早目にやらかして婚約破棄されて国へ帰るつもりよ!」
と、宣言しているので皆協力してくれるはず。でもマリリーもあまり知らなくて結局は王宮に着いてから手探りでやっていくしかないようだった。
「レイル帝国皇女シシリーでございます」
微妙な淑女の礼に、ゾーネの貴族達はヒソヒソと噂話をしたようだがそれで良い、計画通りよ!!さあ、私の悪評を立てると良いわ。そして「この黒豚は王弟の嫁に相応しくない!」って会議とかで決定すると良いのよ。
「遠い所ご苦労であったな、皇女殿下。弟は多忙の身故、後程挨拶に行かせよう」
「お気遣いありがとうございます」
ゾーネ国の国王はそんなに歳じゃなかった。35.6歳ってとこかな?若いけど、中々やり手なんだろうなぁ。て言うかね?ツッコミたいんだけど、国王がそれくらいで、王弟であるギルマルド様が30歳なのよ。
分かるかしら?私ってば豚だけどぴっちぴちの16歳なの。
あんまり考えないようにしてたんだけどさ、私がかなーり小さい時にギルマルド様との婚約が組まれたわけ。
ロリぃのかしら……?デブ専のロリぃってヤバすぎる案件じゃない??早く帰りたい。
でもゾーネの国王の顔を見て安心した。あれはどう考えても歓迎している顔じゃ無いわ。私を追い出したくてしょうがない顔だ。ふふ、そうよね?盛りに盛った姿絵じゃなくて本物がコレじゃ返品したいわよね?
案外早く帰れそうだわ!私はお供達と共にニヤリと笑うしかなかった。
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