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59 神のみぞ知る
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「累君!」
「えっと……?」
俺は寝たはずだ。だからこれは夢で、俺の夢に知らないはずの金髪が現れた。知らないはずだが、俺はこのお願い上手な金髪を知っている。
「誰……いや、分かる……神様だ!」
「そう!正解ー!君の神様だよ」
俺は俺を捨てた神様じゃない神様に会っていた。そして会ったら一体何が起こったか理解できてしまった。
「めちゃくちゃ休暇中だったのに、本当ごめんね?でも私もここの後輩神があんな奴だと知らなくて、苦労かけたね」
「あー、うん。あんたが俺に苦労かけてくんのはデフォっしょ」
「うわ!バレてる!ごめんって」
この金髪の神様と俺の付き合いは長い。最初のきっかけはなんだったかもうあやふやだけど、こいつは俺のことを気に入っていて俺はこいつの仕事を手伝っている。
「君が疲れたから休みたいって言ったからー休暇をあげたのに。ほっんと社畜だねぇ! 」
「うるさい」
そう、俺は休暇として前の世界に降りた。休暇だから何もしない、何もしないのはニート。ってことでニート生活を最初はエンジョイしていたんだが、俺の性格上「何もしない」は合っていなくて……なんで「何もしない」のかを忘れて「何も出来ない」と勘違いし始めて……病んで疲れていったという間抜けな人生を歩んでいた。
「累君はさあ、適度に働いてなきゃ駄目だって分かったよねー!あはは」
「何もしないがあんなに辛いこととはびっくりしたけど、これはハード過ぎねぇ? 」
「いやぁーまさか私もこんなことになっているなんて中々気付けずごめんね。でもこれからは私がこの世界を見るから、お願い!協力して? 」
「しょーがねーなぁ」
なんかいつものパターンだけど、こいつはこんな感じの神様だし、このままこの世界を放置もしたくない気がする。なんだかんだで愛着が湧いて来てしまっているんだよな。
「やった!じゃあいつも通り好きにやってちょうだい。私は上からサポートするからね……あと」
「ん?」
神様はいやに優しい顔をする。
「結婚おめでとう。幸せにおなり」
「ひぇ!突然なに言ってんの?!」
いや、確かにもうすぐ結婚式ですが……。
「なんかモヤモヤしてるんだろう?ごめんな、ルーセン地方の子達は前のミミズ野郎のせいで特殊な身体になっちゃった。少しづつ戻していくけどさ……男同士でも大丈夫だからね?」
「あー……」
やっぱり俺が引っかかってたのはそこか。俺の持ってる「常識」じゃ男同士で子作りは無理だしな。
「大丈夫だから、ね」
「お、おう……」
やばいな、こいつに大丈夫って言われたら大丈夫以外の何者でもねーや。
「ホルランドはいい奴だよ」
「……知ってる」
「君のことを変な糸くずだって分かっても愛してる」
「……う、うん」
そうなんだ、バレてるんだよ。しかも自分の体の中に閉じ込めて嬉しい楽しいって喜んでる変な奴なんだった。
「だから、累君もシャトルリアも幸せになれるから大丈夫、おめでとう」
「……ありがと」
そして俺は夢から覚めるのを感じる。きっと朝になったんだろうな、この神様は俺をポイ捨てしたりしない。優しく送り返してくれるんだ。笑って手を振る神様の姿が薄くなる。
「累君、あのね……」
消えていく神様は何か言っていたが俺には届かず、俺は俺の現実へ帰って行く。起きたら結婚式の日だった気がするよ、まあ神様にも祝福されたんだ。そりゃいい結婚式になるよな!
「ホルランド君、ちょーっぴり欲が深い子だけど、大丈夫だから!北帝国の子って欲深い子が多くてね。シャトルリアに執着凄いし、ああ見えて性欲とか凄いけど累君ならイケるよ!応援してる、頑張って! 」
この最後のエールが聞こえていたら、俺はなりふり構わず結婚式から逃げ出していたことだろう……。しかし、聞こえなかったのか、聞かせてくれなかったのは神のみぞ知るって奴だった。
「えっと……?」
俺は寝たはずだ。だからこれは夢で、俺の夢に知らないはずの金髪が現れた。知らないはずだが、俺はこのお願い上手な金髪を知っている。
「誰……いや、分かる……神様だ!」
「そう!正解ー!君の神様だよ」
俺は俺を捨てた神様じゃない神様に会っていた。そして会ったら一体何が起こったか理解できてしまった。
「めちゃくちゃ休暇中だったのに、本当ごめんね?でも私もここの後輩神があんな奴だと知らなくて、苦労かけたね」
「あー、うん。あんたが俺に苦労かけてくんのはデフォっしょ」
「うわ!バレてる!ごめんって」
この金髪の神様と俺の付き合いは長い。最初のきっかけはなんだったかもうあやふやだけど、こいつは俺のことを気に入っていて俺はこいつの仕事を手伝っている。
「君が疲れたから休みたいって言ったからー休暇をあげたのに。ほっんと社畜だねぇ! 」
「うるさい」
そう、俺は休暇として前の世界に降りた。休暇だから何もしない、何もしないのはニート。ってことでニート生活を最初はエンジョイしていたんだが、俺の性格上「何もしない」は合っていなくて……なんで「何もしない」のかを忘れて「何も出来ない」と勘違いし始めて……病んで疲れていったという間抜けな人生を歩んでいた。
「累君はさあ、適度に働いてなきゃ駄目だって分かったよねー!あはは」
「何もしないがあんなに辛いこととはびっくりしたけど、これはハード過ぎねぇ? 」
「いやぁーまさか私もこんなことになっているなんて中々気付けずごめんね。でもこれからは私がこの世界を見るから、お願い!協力して? 」
「しょーがねーなぁ」
なんかいつものパターンだけど、こいつはこんな感じの神様だし、このままこの世界を放置もしたくない気がする。なんだかんだで愛着が湧いて来てしまっているんだよな。
「やった!じゃあいつも通り好きにやってちょうだい。私は上からサポートするからね……あと」
「ん?」
神様はいやに優しい顔をする。
「結婚おめでとう。幸せにおなり」
「ひぇ!突然なに言ってんの?!」
いや、確かにもうすぐ結婚式ですが……。
「なんかモヤモヤしてるんだろう?ごめんな、ルーセン地方の子達は前のミミズ野郎のせいで特殊な身体になっちゃった。少しづつ戻していくけどさ……男同士でも大丈夫だからね?」
「あー……」
やっぱり俺が引っかかってたのはそこか。俺の持ってる「常識」じゃ男同士で子作りは無理だしな。
「大丈夫だから、ね」
「お、おう……」
やばいな、こいつに大丈夫って言われたら大丈夫以外の何者でもねーや。
「ホルランドはいい奴だよ」
「……知ってる」
「君のことを変な糸くずだって分かっても愛してる」
「……う、うん」
そうなんだ、バレてるんだよ。しかも自分の体の中に閉じ込めて嬉しい楽しいって喜んでる変な奴なんだった。
「だから、累君もシャトルリアも幸せになれるから大丈夫、おめでとう」
「……ありがと」
そして俺は夢から覚めるのを感じる。きっと朝になったんだろうな、この神様は俺をポイ捨てしたりしない。優しく送り返してくれるんだ。笑って手を振る神様の姿が薄くなる。
「累君、あのね……」
消えていく神様は何か言っていたが俺には届かず、俺は俺の現実へ帰って行く。起きたら結婚式の日だった気がするよ、まあ神様にも祝福されたんだ。そりゃいい結婚式になるよな!
「ホルランド君、ちょーっぴり欲が深い子だけど、大丈夫だから!北帝国の子って欲深い子が多くてね。シャトルリアに執着凄いし、ああ見えて性欲とか凄いけど累君ならイケるよ!応援してる、頑張って! 」
この最後のエールが聞こえていたら、俺はなりふり構わず結婚式から逃げ出していたことだろう……。しかし、聞こえなかったのか、聞かせてくれなかったのは神のみぞ知るって奴だった。
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