【完結】この手なんの手、気になる手!

鏑木 うりこ

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動物に異様に好かれる手

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「シロウ」

「あ」

 嫌な夢を見た気がした。いや、良い夢なんて近頃は見た事なんてない。でも

「うなされていた。大丈夫か?」

「あ、はい……大丈夫、です」

 起きあがろうとしても、力が入らなかった。

「あれ?」

 隣でニヤリとレジールさんが笑っている。

「あれだけヤって元気に動ける人間なんていねーだろ?」

 俺の体を引き寄せる。

「やっぱりシロウは良いな!動けない所悪いんだが、抱きたい」

 ああ、やっぱり側にいてくれた。この人は俺を一人にしないでくれる。

「良いですよ。でも側にいてくださいね?」

「ふふ。離してなど、やるものか」

 唇が降りて来る。目を閉じても全然怖くない。好きだ、この人の事が大好きだ。
 まだぐちゅぐちゅと濡れる穴にゆっくり挿れられても気持ち良いだけ。本当に全然違う。ずっと抱かれていても良いって思うくらいだった。

「いっぱい、可愛いがってくれますか?」

「ああ、もちろんだとも」

「嬉しい」

 大きくて広い背中に腕を回して力一杯抱きしめた。



 宿を出て、帰国の旅に戻ったのは3日目を過ぎてからだったが、チュタとラビアは御者台の上で欠伸をしていた。

「……ちょっとブラシくらいかけてくれるかな?」

「もうちょっと落ち着いたら優しいシロウの事だ。やってくれるよ」

「そだなー」

 ガタゴトと馬車は揺れる。ガタガタ、ゴトゴト。道の揺れ以外にも

「あっ!やっ!やんっ!こ、こんなぁ、こんな所ぉ!」

「なんのために馬車の窓にカーテンついてると思ってんだ?閉めて中でヤる為だろ?」

「あん!じゃ、じゃあ、閉めてぇ、閉めてくださ、あんっ!イ、イくぅ!」

「良いぞ、中に出すぞ」

「欲しいっ!欲しいですっ!あ、あーーーーっ」


「次もさー風呂付きの部屋をとってあげようと思うんだー」

「おっ!ラビア優しいっすねー」

「毎日立てもしないのはちょっと可哀想だけどな!」

「しょうがないっすよー。独占欲が服着て靴履いて歩いてるようなレジール様っすよ。抜いてる時間の方が短いんじゃないっすか?シロウ可愛いし」

「だなー。嫌がってんなら、一言釘でも刺そうかなって思ったんだけど、嬉しそうなんだよなー」

「ま、ちょうど良かったんじゃねーっすか?レオニー様にゃ申し訳ないけど」

 二人はポカポカとお日様を浴びながら、安全運転で馬車を進める。獣人国も近くなって、道行も安全になって来ている。大きく揺れたら可哀想だから。

「はー良いなぁつがい。俺も欲しいー」

「つがいを人間にしたら、結婚って言うんだってな」

 へぇ、と後ろの馬車の中の事など気にせず、二人はのんびり話している。

「人間なんて絶対無理だし、嫌いだけど。シロウみたいなのなら良いと思う」

「や、シロウは特別だと思うぜ!あんな人間滅多にいねーよ!」

「そりゃそうか!」

「そうだよーははは!」

 数日のうちに、シロウ達は無事ジェスト獣人国家に辿り着いた。
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