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動物に異様に好かれる手

8 獣人ハンター?

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 ご主人様があんな捨て台詞を残して行かなきゃ良かったのに、言われてしまった俺は見逃してもらえなくなった。
 ベッドの中で情事の痕跡しかないし、がっちり魔法で奴隷印がつけられている。

「奴のお気に入りってとこか?」

「ボスの所に連れて行こうぜ」

 簡単な服を着せられ、俺は別の奴隷商に連れて行かれた。 

「あのクソ野郎のお気に入りだってぇ?」

 どうやら奴隷商同士の抗争に巻き込まれたようだ。酷い事をされなきゃ良いな。それだけだ。



「シロウ~アレやってくれぇ~」

「……」

 ボスは大きな黒豹の姿になっている。腹を上に向けて両手両足を上に向けてダメな姿だ。

 柔らかいお腹の毛にブラシをかける。

「んー良いねぇ良いねぇ」

 目を細めて喉をゴロゴロと鳴らす姿は大きな黒猫だが、ボスはボスだ。怒ると殴ってくる。

「シロウはあいつには勿体ない。俺の物になれ!」

 隷属魔法の上書きで、次のご主人様は黒豹のボスになった。俺の生活は何も変わらない。


 黒豹のボスも俺の膝の上でゴロゴロ喉を鳴らしているのを、裏切り者に見つかりその座を追われた。

 次の裏切り者ご主人様はトカゲで俺が鱗を磨いていたら、見つかり逃げ出した。

 何度か続くと俺はすっかり有名人っぽくなった。

「獣人ハンター……?俺が……?」

 今のご主人様はオウムだ。でかい羽の手入れを手伝っている。

「お前の前にいると、どうも獣の血がさわいじまって、人型で居られないんだ。そうこうしてる間に誰かに見つかって、追われるって訳」

 そんな俺も鳥に戻ってるなーー!とカカカカッとクチバシを鳴らした。

「に、してもシロウは本当にイイよ。俺のツボ全部ついて来るし、ケツは最高だ」

「……喜んでいただけて嬉しいです……」

「顔が死んでるなーー!獣人はお前を痛めつけたりしないから、もっと自由にして良いんだぜ?」

 なら、この隷属魔法と、セックスをやめて貰えませんか?とは言えない。

 1度染み込んだ暴力の影はずっと心に居座り続けた。

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