【完結】廃品を直して売る俺は娼婦の息子の奴隷商。聖女でも王子でもないからほっといてくれ!

鏑木 うりこ

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オマケ リサイクル再び

9 もげちまえ!

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「お名前を伺ってもよろしいでしょうか?」

 若いフランはなんというか可愛い。というかフランの頭の上の耳がピッコピッコ動いて可愛い。

「あ、え……リーシャと、申します」

 あぶね、ミリーシャって言いそうになった!ぴこぴこの耳に土煙を巻き上げそうな尻尾。早すぎてアレ千切れるんじゃね??

「私はフィレフィス帝国第二皇子のフィサリスと申します、美しい姫よ。差し支えなければ私と結婚して頂けないでしょうか?」




「差し支えあんだろ、馬鹿フィス。あいつだいぶ我を忘れてるな。そろそろ止めねーとあの姫さんに跨ってぶち込みそうだな、おい」

「だ!誰だっ?!」

 俺、ティリー。人を呼びに行くも迷子になってガサついてたら、ミリーが馬鹿兄に殴られそうになってたんだ!
 飛び出して体当たりかましてやろうと思ったら、なんか茂みに押し込まれた。
 今、その茂みから顔だけ出して、フランとミリーのいい感じの場面をウォッチングしてる。

 ……ほんで隣にレント……いや、レオスがいる。

「ここでか?嘘だろ」

「いや、あいつは今、自分の中の理性をフル動員させて、良い人の皮を被ってる。何かのきっかけで一皮剥ければ完全なオオカミさんだ。はーあいつがあんなに興奮するのに初めて見たわ。よっぽど好みなんだなー。涎まで垂らしそうじゃねーか」

 え……あんなに完璧な王子様してんのに、中身はオオカミさんなの?……いや、見た目からしてオオカミさんだったわ。うん、完全な狼さん。

「まじかー……」

「おう、所であんた、名前は?」

「俺?ティリー」

「ふぅん?あんたも随分とまあ美味そうな匂いしてるな。俺、あの姫さんよりあんたの方が好み!俺とヤんねぇ?」

「ヤんねぇし!てかヤバイならミリーを助けなきゃ!」

 おいおい、俺って狼さんと戦えるのか??俺、自慢じゃねーけど、戦ったことなんてねぇんだよ。でもやらなきゃ、ミリーの貞操が危ない!
 くそフランめ!何が今度は無理矢理しませんだ!この嘘つきがーーー!

「俺が手伝おうか?俺ならフィスを止められる」

「マジ!?頼む!」

「その代わり俺と結婚してよ」

「ヤダ」

「はえーよ!!ちょっとは悩めよ!」

「うっせ、黙れ!この馬鹿ライオンが!助けてやるから一発やらせろとかどこのチンピラだよ!もげちまえ!」

「も、もげるのは勘弁しろ。怖い事言う奴だなぁ、お前とやる前にもげてたまるかよ!」

「ヤんねーし!」

「ヤらせろや!」

 このくそライオン!発情期か!ヤることばっかり考えてるんじゃねーよ!バーカバーカ!

「レオス、下品だ」

「ティリーも……何してんだ」

「「あ」」

 茂みの前に呆れ顔のミリーとフィサレス皇子が立っていたりした訳さ。
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