【完結】廃品を直して売る俺は娼婦の息子の奴隷商。聖女でも王子でもないからほっといてくれ!

鏑木 うりこ

文字の大きさ
上 下
77 / 113

77 父さんは狂犬

しおりを挟む
「リーヤ、お前はまだ直す力は使えるな?」

「ん?特に無くなったとか無いけど??」

 クォンツにつくなり、父さんに確認するように尋ねられた事。なんだなんだ??

「良し、エルフローラ。任せなさい」

「頑張って下さいね!旦那様」

 はぁ?また母さんが何か企んで、父さんが振り回されてるんだな?そして何か嫌な予感しかしない。
 一緒に護衛として付いて来た脳筋達に聞いてみるも

「あー……なんて言うか、俺らの口からはとてもじゃないけど言えないっす……」

 真っ青になって、目を逸らしたので本格的にやばい事を企んでいる。え?なに??なんなの???

「何を企んでるんだろ……」

 とりあえず母さんだ。母さんを野放しにしておくと、とにかくヤバい。一刻も早く母さんに何か知らんがやめるように言わないと行けなかったのに、レントの父さんとの面会時間になってしまった。

「リーヤ、何してんの?一応俺の親父だって国王なんだから、謁見とまで言わないけど、他国の人間を迎える時はちゃんとするんだ、お前も時間を守れ……」

「レント、母さんと父さんが何か企んでる!」

「はあ?!」

 そして遅かった。

「カリウス様!」

「良し!死ねぇ!」

「な?!」

 勿論、クォンツの国王に謁見するのだ、身体検査は必ずする。しかし母さんはそのたっぷりのドレスの中に少し短めの剣を隠し持っていて、クォンツ国王が現れた瞬間にそれを父さんに向かって投げた。
 絶妙な夫婦のタイミングで、剣は父さんの手に渡り、そのまま斬りかかる。その場にいた全員が一瞬呆気に取られる瞬間だった。

「ぐっ!」

「アディ!!」

 王様の左手が空を飛び、2撃目は隣にいた王妃様の小手に防がれた。

 な、何が起こってんの……?

「ッふん!」

 そのままウチの父さんの回し蹴りが王妃様を吹っ飛ばし、流れるように王様にもう一度斬りかかる。

「ただでやられはせんっ!」

 流石に帯剣していた王様は剣を抜き、それを受け止めるが、片手では弾かれよろめいた。

「国王!」「王!」

「すまねぇっすけど、足止めさせてもらうッス」「責任は全部カリウス様ッス」

 警備の衛兵は脳筋達によって阻まれ、よろめくレントの父さん、体制を立てなおそうとする、レントの母さん。
 それに剣を構えて斬りかかるウチの父さんと

「行けー!カリウス様っやっちゃえー!」

 と、囃し立てるウチの母さん。い、一体何が起こってるんだ?!

「折角出来た可愛い息子を無理矢理娘にされて、挙句取られる父親の気持ちを知れぇーーー!」

 あ、はい。

しおりを挟む
感想 205

あなたにおすすめの小説

俺の義兄弟が凄いんだが

kogyoku
BL
母親の再婚で俺に兄弟ができたんだがそれがどいつもこいつもハイスペックで、その上転校することになって俺の平凡な日常はいったいどこへ・・・ 初投稿です。感想などお待ちしています。

【完結】ぎゅって抱っこして

かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。 でも、頼れる者は誰もいない。 自分で頑張らなきゃ。 本気なら何でもできるはず。 でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

風紀委員長様は王道転校生がお嫌い

八(八月八)
BL
※11/12 10話後半を加筆しました。  11/21 登場人物まとめを追加しました。 【第7回BL小説大賞エントリー中】 山奥にある全寮制の名門男子校鶯実学園。 この学園では、各委員会の委員長副委員長と、生徒会執行部が『役付』と呼ばれる特権を持っていた。 東海林幹春は、そんな鶯実学園の風紀委員長。 風紀委員長の名に恥じぬ様、真面目実直に、髪は七三、黒縁メガネも掛けて職務に当たっていた。 しかしある日、突如として彼の生活を脅かす転入生が現われる。 ボサボサ頭に大きなメガネ、ブカブカの制服に身を包んだ転校生は、元はシングルマザーの田舎育ち。母の再婚により理事長の親戚となり、この学園に編入してきたものの、学園の特殊な環境に慣れず、あくまでも庶民感覚で突き進もうとする。 おまけにその転校生に、生徒会執行部の面々はメロメロに!? そんな転校生がとにかく気に入らない幹春。 何を隠そう、彼こそが、中学まで、転校生を凌ぐ超極貧ド田舎生活をしてきていたから! ※11/12に10話加筆しています。

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

僕のユニークスキルはお菓子を出すことです

野鳥
BL
魔法のある世界で、異世界転生した主人公の唯一使えるユニークスキルがお菓子を出すことだった。 あれ?これって材料費なしでお菓子屋さん出来るのでは?? お菓子無双を夢見る主人公です。 ******** 小説は読み専なので、思い立った時にしか書けないです。 基本全ての小説は不定期に書いておりますので、ご了承くださいませー。 ショートショートじゃ終わらないので短編に切り替えます……こんなはずじゃ…( `ᾥ´ )クッ 本編完結しました〜

風紀“副”委員長はギリギリモブです

柚実
BL
名家の子息ばかりが集まる全寮制の男子校、鳳凰学園。 俺、佐倉伊織はその学園で風紀“副”委員長をしている。 そう、“副”だ。あくまでも“副”。 だから、ここが王道学園だろうがなんだろうが俺はモブでしかない────はずなのに! BL王道学園に入ってしまった男子高校生がモブであろうとしているのに、主要キャラ達から逃げられない話。

別れようと彼氏に言ったら泣いて懇願された挙げ句めっちゃ尽くされた

翡翠飾
BL
「い、いやだ、いや……。捨てないでっ、お願いぃ……。な、何でも!何でもするっ!金なら出すしっ、えっと、あ、ぱ、パシリになるから!」 そう言って涙を流しながら足元にすがり付くαである彼氏、霜月慧弥。ノリで告白されノリで了承したこの付き合いに、βである榊原伊織は頃合いかと別れを切り出したが、慧弥は何故か未練があるらしい。 チャライケメンα(尽くし体質)×物静かβ(尽くされ体質)の話。

期待外れの後妻だったはずですが、なぜか溺愛されています

ぽんちゃん
BL
 病弱な義弟がいじめられている現場を目撃したフラヴィオは、カッとなって手を出していた。  謹慎することになったが、なぜかそれから調子が悪くなり、ベッドの住人に……。  五年ほどで体調が回復したものの、その間にとんでもない噂を流されていた。  剣の腕を磨いていた異母弟ミゲルが、学園の剣術大会で優勝。  加えて筋肉隆々のマッチョになっていたことにより、フラヴィオはさらに屈強な大男だと勘違いされていたのだ。  そしてフラヴィオが殴った相手は、ミゲルが一度も勝てたことのない相手。  次期騎士団長として注目を浴びているため、そんな強者を倒したフラヴィオは、手に負えない野蛮な男だと思われていた。  一方、偽りの噂を耳にした強面公爵の母親。  妻に強さを求める息子にぴったりの相手だと、後妻にならないかと持ちかけていた。  我が子に爵位を継いで欲しいフラヴィオの義母は快諾し、冷遇確定の地へと前妻の子を送り出す。  こうして青春を謳歌することもできず、引きこもりになっていたフラヴィオは、国民から恐れられている戦場の鬼神の後妻として嫁ぐことになるのだが――。  同性婚が当たり前の世界。  女性も登場しますが、恋愛には発展しません。

処理中です...