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69 好かれる人、好かれない人
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「ええい!もう私が、リーヤの子供を産んでやる!」
「だめだ!可能だが駄目!」
「あ、可能なんだ」
俺のお腹はぽっこりして来て、あー本当なんだーと、不思議な気持ちになっている。この中になんか居るとか信じられねー。
「まあ、そう言う事件も結構起こりましたからねぇ。つがい以外の子供も持つ者も多いですよ。子供はみんな可愛いですし。
でも人族はしない方が良いんじゃないですか?余計なケンカは良くないです」
アライグマ先生は呑気にお茶を飲んでいる。どうもこのお茶が気に入ったのと
「アライグマ先生ー今日も色々教えてくださーい」
「はーーい!」
どうもアライグマ医療術を習いに数人の医師がやって来てチヤホヤしてくれるのが嬉しいみたいでご機嫌だ。
「クォンツ国との間に道路を新設しまして、行き来が楽になりますよ。いやぁ象獣人って凄いパワーですね。あの人達、脳筋達に狙われてますよ!」
木を倒したり、山を削ったりに、象の獣人が三人ほど活躍してくれたが、あまりの力強さに
「あの人と自分の間の子供なら強いのでは?!」
と思う脳筋が続出して、大変なことになっているらしい。
「象達は気性が大人しい人が多いので、脳筋さん達は悉くフラれているみたいですよ。眼鏡さん達をキラキラしたつぶらな目で見てましたから、そっちの方がお好みのようです」
個人の好みだもんな。
「フラれ脳筋の志願者はクォンツに向かったぞ。飛べない竜を狩りたいんだと。流石だな……」
そう、国王一家を襲った飛べない竜……まあ、どう見ても恐竜なんだが、それと戦う為に何人もの戦士達が出来上がった道路を通ってクォンツ入りするらしい。
クォンツの北には「神の洞窟」と呼ばれる異界と繋がった場所があり、そこから恐竜が溢れて出てくるらしい。
「そこから出てくる竜どもを狩るのが、奇跡の秘術の代償だと言われています」
神様が処分に困った恐竜をこっちに送ってんのか?と思ったけど、多分そうなんだろうな。
腕試ししたい脳筋の派遣が決定した時点でクォンツから「ナイアスの酒」が届いたようだから、アライグマ先生の口の軽さはやっぱり想定済みで、クォンツにも眼鏡がいるんだなーと俺は思ったもんだ。
「うわーー!帝国すげーーー!」
「あれ?リーヤじゃん!!え?超デブってない?!何、良い物食ってんのよ!」
「と、言うより赤ちゃんが居るみたいなお腹ですね。リーヤはやっぱり女の子だったのねー」
何日も旅をして来たっぽい幌付きの馬車から散歩中の俺は声をかけられた。
「運動不足になるから、散歩して!」
と、言われて城下町をレントとぷらぷらしていた時だった。
「ろ、ローザ姉さん?!メグ姉さん?!?!……おまけのルンか」
「俺の扱いいーーー!」
「だめだ!可能だが駄目!」
「あ、可能なんだ」
俺のお腹はぽっこりして来て、あー本当なんだーと、不思議な気持ちになっている。この中になんか居るとか信じられねー。
「まあ、そう言う事件も結構起こりましたからねぇ。つがい以外の子供も持つ者も多いですよ。子供はみんな可愛いですし。
でも人族はしない方が良いんじゃないですか?余計なケンカは良くないです」
アライグマ先生は呑気にお茶を飲んでいる。どうもこのお茶が気に入ったのと
「アライグマ先生ー今日も色々教えてくださーい」
「はーーい!」
どうもアライグマ医療術を習いに数人の医師がやって来てチヤホヤしてくれるのが嬉しいみたいでご機嫌だ。
「クォンツ国との間に道路を新設しまして、行き来が楽になりますよ。いやぁ象獣人って凄いパワーですね。あの人達、脳筋達に狙われてますよ!」
木を倒したり、山を削ったりに、象の獣人が三人ほど活躍してくれたが、あまりの力強さに
「あの人と自分の間の子供なら強いのでは?!」
と思う脳筋が続出して、大変なことになっているらしい。
「象達は気性が大人しい人が多いので、脳筋さん達は悉くフラれているみたいですよ。眼鏡さん達をキラキラしたつぶらな目で見てましたから、そっちの方がお好みのようです」
個人の好みだもんな。
「フラれ脳筋の志願者はクォンツに向かったぞ。飛べない竜を狩りたいんだと。流石だな……」
そう、国王一家を襲った飛べない竜……まあ、どう見ても恐竜なんだが、それと戦う為に何人もの戦士達が出来上がった道路を通ってクォンツ入りするらしい。
クォンツの北には「神の洞窟」と呼ばれる異界と繋がった場所があり、そこから恐竜が溢れて出てくるらしい。
「そこから出てくる竜どもを狩るのが、奇跡の秘術の代償だと言われています」
神様が処分に困った恐竜をこっちに送ってんのか?と思ったけど、多分そうなんだろうな。
腕試ししたい脳筋の派遣が決定した時点でクォンツから「ナイアスの酒」が届いたようだから、アライグマ先生の口の軽さはやっぱり想定済みで、クォンツにも眼鏡がいるんだなーと俺は思ったもんだ。
「うわーー!帝国すげーーー!」
「あれ?リーヤじゃん!!え?超デブってない?!何、良い物食ってんのよ!」
「と、言うより赤ちゃんが居るみたいなお腹ですね。リーヤはやっぱり女の子だったのねー」
何日も旅をして来たっぽい幌付きの馬車から散歩中の俺は声をかけられた。
「運動不足になるから、散歩して!」
と、言われて城下町をレントとぷらぷらしていた時だった。
「ろ、ローザ姉さん?!メグ姉さん?!?!……おまけのルンか」
「俺の扱いいーーー!」
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