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68 我々の常識
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「実はですね「ナイアスの酒」という物がありまして」
本当にアライグマは口が軽い。もう俺に止められるレベルじゃないし、レントも
「あれはもう、そう言う物だ!」
と、諦めた。で、アライグマ先生は語る。
「アジェントとルダンの子供……あ、この二人が残された狼獣人と獅子獣人だったんですけどね?狼獣人のアジェントが秘薬で子供を孕み、産まれたのが三人で全員女の子だったんですよ」
あ、なんか分かったかも。
「で、その次も全部女の子で、その次も全部女の子。喧嘩になった二人はアジェントが勝利し、ルダンにも秘薬を飲ませて、ルダンが産んだ子も全員女の子で絶望再びですよ!」
すげぇな、また絶望感パネェよ!
「そこでみんなで神に祈り、受け取った物が「ナイアスの酒」です。わかりますよね?生えて来ます!」
「「生えて!来る!!」」
眼鏡も脳筋も天変地異の驚きだ。
「そうして、なんとか一族を繋いだのですが、何せ血が近すぎて、死産や丈夫でない子供が多く、なかなか増えないのが獣人なのです。ですから、人族と混じる事はありがたいと言うか嬉しいというか、助かると言うか」
はーそうなんだ。しかしまー獣人も大変だな。
「で、アライグマ先生「ナイアスの酒」は?」
「持ってきてませんよー。別に要らないでしょ??」
そうですが……と、眼鏡は食い下がるけれど、頭の中で物凄い勢いで色んな計算をしているんだろうなーー。
「でもね、子供を産むのはとても大切で大変な事ですから、皆産めた方が良いんですよ」
「先生も?」
「そりゃ私好みの方が現れたら是非ですよ!」
先生の好みってどんなのですかー?なんで呑気に聞いているけど
「例えば、結婚した夫婦で、女性の体が弱く出産が困難な場合……」
「色々なケースが考えられますね」
「獣人国が混血を推奨しているとは知りませんでした」
「あまり行き来しなかったのは思い込みですかね?」
「レント殿を見ると、どうも獣人の血は濃く出るようですね」
「何というか我々の常識は我々の物だけだったんですねぇ」
眼鏡達はこれをどう美味しく調理するのか俺には分からない。出来れば平和的で笑顔が増える方向に使って行って欲しいと思う。
そのうちまた戦争が起こるかもしれないけど、しばらくは平和でいて欲しいって俺は思うんだ。
本当にアライグマは口が軽い。もう俺に止められるレベルじゃないし、レントも
「あれはもう、そう言う物だ!」
と、諦めた。で、アライグマ先生は語る。
「アジェントとルダンの子供……あ、この二人が残された狼獣人と獅子獣人だったんですけどね?狼獣人のアジェントが秘薬で子供を孕み、産まれたのが三人で全員女の子だったんですよ」
あ、なんか分かったかも。
「で、その次も全部女の子で、その次も全部女の子。喧嘩になった二人はアジェントが勝利し、ルダンにも秘薬を飲ませて、ルダンが産んだ子も全員女の子で絶望再びですよ!」
すげぇな、また絶望感パネェよ!
「そこでみんなで神に祈り、受け取った物が「ナイアスの酒」です。わかりますよね?生えて来ます!」
「「生えて!来る!!」」
眼鏡も脳筋も天変地異の驚きだ。
「そうして、なんとか一族を繋いだのですが、何せ血が近すぎて、死産や丈夫でない子供が多く、なかなか増えないのが獣人なのです。ですから、人族と混じる事はありがたいと言うか嬉しいというか、助かると言うか」
はーそうなんだ。しかしまー獣人も大変だな。
「で、アライグマ先生「ナイアスの酒」は?」
「持ってきてませんよー。別に要らないでしょ??」
そうですが……と、眼鏡は食い下がるけれど、頭の中で物凄い勢いで色んな計算をしているんだろうなーー。
「でもね、子供を産むのはとても大切で大変な事ですから、皆産めた方が良いんですよ」
「先生も?」
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「獣人国が混血を推奨しているとは知りませんでした」
「あまり行き来しなかったのは思い込みですかね?」
「レント殿を見ると、どうも獣人の血は濃く出るようですね」
「何というか我々の常識は我々の物だけだったんですねぇ」
眼鏡達はこれをどう美味しく調理するのか俺には分からない。出来れば平和的で笑顔が増える方向に使って行って欲しいと思う。
そのうちまた戦争が起こるかもしれないけど、しばらくは平和でいて欲しいって俺は思うんだ。
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