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65 酒と女子と父さんと
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「うえっ、うえっ!そしてですね、私が結婚してくれって言ったらそのアライグマの女性は「ごめんなさい、あなた私の好みじゃないの……って!」それで私はぁーヤケになってこの、危険な帝国行きに志願したんですぅ!」
あれ?アライグマ先生を囲んで酒盛りしてる。
「私もぉー混ぜてくださいよー!」
「おー来い来い!」
フランだ。フランが脳筋に飛び込んでいる。
「そんでですねー!手籠にしたまでは良かったんですが!」
「良くねぇよ!この人畜無害な顔して!悪い奴だなーー!!」
「結局最後に盗られるんです!やってられませんよ!」
「そりゃ王子様が悪りぃな。あんな風船みたいな小僧の紐を離したらふわふわーって飛んでっちまう!」
「リーヤはなーんかふわーっとしてっからなー。今まではフローラ様が重しみたいにくっついてたけど、それを下ろしたらもーフワッフワだろ」
「その紐に上手いことじゃれついた猫がいた訳か」
「ちげーねー!ガハハハハ!」
「笑い事じゃありませんよ!そのでかいニャンコを退治する方法を考えてくださいよぉ!」
あ、分かった。これ、失恋男を慰める会だ!俺も参加したアレだ!
脳筋の溜まり場を訪れると、もうぐちゃぐちゃの混沌だった。一緒にいたレントが俺の両肩に手を置いて真剣な眼差しで言う。
「リーヤ、俺はどうしてもあの優男王子を倒さねばならない。頼むから、ここには近寄らず、リュンの世話やフローラ様達と一緒に居てくれ。頼むから、ここでおひねりもらってストリップショウとかやってくれるな、頼むから!」
「お、おう……分かった……」
俺一人で戻る事になったけど、後ろから
「てめー!フラン!誰がニャンコだ!どつき回すぞ!」
「うるさいですよ!ここは振られた人の集いですぅーお嫁さんがいる人は帰ってくださいー!」
そーだ!そーだ!と大ブーイングを浴びながらも
「黙れ!しかもモリス!何喋ってんだ!お前喋りすぎだ!馬鹿者!」
「う、うるさいのですーー!愚痴くらい言わせてくださいいいーー!そんなに言うなら新しい恋人紹介してくださいよおーーー!」
「その辺の脳筋捕まえりゃ良いだろ!」
「えーーー!」
離れよう、そうしよう。俺は何かと酒で失敗している。俺だって学習くらいはするんだからな。
かと言って母さんの所へ行けば、
「お腹が大きくなった時の服を作るわよ!」
「お母ちゃま、作るの?!」
「当たり前よー!って言いたいけど、私、裁縫は最低限なのよねー。あーあ、ローザかメグなら上手なのになー」
なんて女子会話に巻き込まれる。それも嫌だな、と城の中をほっつき回っていたら、父さんに出会った。
父さん、皇帝カリウス。俺から見てもちょっと極端な人。この世は母さんかそれ以外かで、見分けているんじゃないかな?と常日頃から思っている。
「リーヤ、少し話をしよう」
そんな母さん以外の俺に声をかけてきたのは物凄く珍しいので、俺はこくんと頷いて後ろをついて行った。
あれ?アライグマ先生を囲んで酒盛りしてる。
「私もぉー混ぜてくださいよー!」
「おー来い来い!」
フランだ。フランが脳筋に飛び込んでいる。
「そんでですねー!手籠にしたまでは良かったんですが!」
「良くねぇよ!この人畜無害な顔して!悪い奴だなーー!!」
「結局最後に盗られるんです!やってられませんよ!」
「そりゃ王子様が悪りぃな。あんな風船みたいな小僧の紐を離したらふわふわーって飛んでっちまう!」
「リーヤはなーんかふわーっとしてっからなー。今まではフローラ様が重しみたいにくっついてたけど、それを下ろしたらもーフワッフワだろ」
「その紐に上手いことじゃれついた猫がいた訳か」
「ちげーねー!ガハハハハ!」
「笑い事じゃありませんよ!そのでかいニャンコを退治する方法を考えてくださいよぉ!」
あ、分かった。これ、失恋男を慰める会だ!俺も参加したアレだ!
脳筋の溜まり場を訪れると、もうぐちゃぐちゃの混沌だった。一緒にいたレントが俺の両肩に手を置いて真剣な眼差しで言う。
「リーヤ、俺はどうしてもあの優男王子を倒さねばならない。頼むから、ここには近寄らず、リュンの世話やフローラ様達と一緒に居てくれ。頼むから、ここでおひねりもらってストリップショウとかやってくれるな、頼むから!」
「お、おう……分かった……」
俺一人で戻る事になったけど、後ろから
「てめー!フラン!誰がニャンコだ!どつき回すぞ!」
「うるさいですよ!ここは振られた人の集いですぅーお嫁さんがいる人は帰ってくださいー!」
そーだ!そーだ!と大ブーイングを浴びながらも
「黙れ!しかもモリス!何喋ってんだ!お前喋りすぎだ!馬鹿者!」
「う、うるさいのですーー!愚痴くらい言わせてくださいいいーー!そんなに言うなら新しい恋人紹介してくださいよおーーー!」
「その辺の脳筋捕まえりゃ良いだろ!」
「えーーー!」
離れよう、そうしよう。俺は何かと酒で失敗している。俺だって学習くらいはするんだからな。
かと言って母さんの所へ行けば、
「お腹が大きくなった時の服を作るわよ!」
「お母ちゃま、作るの?!」
「当たり前よー!って言いたいけど、私、裁縫は最低限なのよねー。あーあ、ローザかメグなら上手なのになー」
なんて女子会話に巻き込まれる。それも嫌だな、と城の中をほっつき回っていたら、父さんに出会った。
父さん、皇帝カリウス。俺から見てもちょっと極端な人。この世は母さんかそれ以外かで、見分けているんじゃないかな?と常日頃から思っている。
「リーヤ、少し話をしよう」
そんな母さん以外の俺に声をかけてきたのは物凄く珍しいので、俺はこくんと頷いて後ろをついて行った。
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