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63 そう言うのが面倒くさい
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「やっぱりおとこっておバカなのよ」
「あー私もそう思うわー」
「俺を混ぜるな」
俺達は朝飯を食堂で食べる。いつもこうだ。母さんは一応皇帝の妃と言う立場なのだが、飯は皆やってくる食堂で食べるのだ。
そこで食後のデザートを食べる母さんとリュンから離してもらえなかった。
「リーヤも食べなさいよ。女の子はね、お喋りとデザートは欠かせないの!」
「そーよ!」
いや、俺、女の子じゃねーし……って言ったら
「半分くらいは女の子じゃない」
と、ニヤリと笑われた。この怒りはレントにぶつける事にしよう。
「リーヤにも友達が居なかったけど、レントにもいなかったでしょう、きっと。子分なら居たけど」
「お母ちゃま、その通り。レン兄ちゃまは何かとつよかったし、あといっぱいいる兄弟の一番上でしょう?」
女二人は盛り上がってる。うん、俺いる意味ねぇし。立とうとすると怒るんだよ、意味分からん。
「どうぞ」
苦笑しながら、料理長がクッキーをくれる。硬くて美味いクッキーをガリガリやる事にした。
「また包丁を握れるようになったのはリーヤさんのおかげですからね。何か硬い物を噛むとイライラが解消されるようですよ。妊娠初期にイライラする人もいるらしいですから」
「……皆知ってんのな……」
「そりゃもう」
自覚がないのは俺だけか?レントの嫁になる。そう決めたけど、俺が何か変わる訳じゃない。俺の体の一部は変わったんだろうけど、基本は一緒だ。
帝国で「エリスリーヤ姫」をやってるよりクォンツで「王妃様」の方が楽かな?……でも、ただのリーヤでいる事は出来ないようだ。面倒くせぇな……。
皇帝の娘「エリスリーヤ姫」がクォンツ獣人国の王太子レントと婚約をする旨が発表された。
「おめでとうございます!姫様!」
「ありがとうございます、皆様」
見せ物パンダの治療院参りもあと少しで終了する事になる。この先は国からの支援で治療院には神官や医者などが派遣されるらしい。
流石に「エリスリーヤ姫」の奇跡のような治療は受けられないが、それが普通なんだと思い出して貰いたいものである。
「エリスリーヤ姫」が獣人に取られる!と暴動が懸念されたので、俺とレントが仲良くしている姿を民衆に見せる様に眼鏡からの指示が来ている。
「もっとくっついて!」
「嫌だし」
「エリスリーヤ姫と王太子レントは愛し合って結ばれたんです!余計な争いは嫌でしょう?」
「うぐっ」
こう言うのか面倒くさいんだよ。俺が何かしたら、誰かが傷つくとか。俺は頭が悪いから知らない何処かで誰かを傷つけているだろうな。今は眼鏡が上手くやってくれるから助かるけど。
「俺、お前と上手くやっていける気がしねぇ」
「はあ?!結婚式もまだなのにもうソレは早すぎるんだか?!」
ベタベタとくっつきながら小声でレントに怒られた。
「あー私もそう思うわー」
「俺を混ぜるな」
俺達は朝飯を食堂で食べる。いつもこうだ。母さんは一応皇帝の妃と言う立場なのだが、飯は皆やってくる食堂で食べるのだ。
そこで食後のデザートを食べる母さんとリュンから離してもらえなかった。
「リーヤも食べなさいよ。女の子はね、お喋りとデザートは欠かせないの!」
「そーよ!」
いや、俺、女の子じゃねーし……って言ったら
「半分くらいは女の子じゃない」
と、ニヤリと笑われた。この怒りはレントにぶつける事にしよう。
「リーヤにも友達が居なかったけど、レントにもいなかったでしょう、きっと。子分なら居たけど」
「お母ちゃま、その通り。レン兄ちゃまは何かとつよかったし、あといっぱいいる兄弟の一番上でしょう?」
女二人は盛り上がってる。うん、俺いる意味ねぇし。立とうとすると怒るんだよ、意味分からん。
「どうぞ」
苦笑しながら、料理長がクッキーをくれる。硬くて美味いクッキーをガリガリやる事にした。
「また包丁を握れるようになったのはリーヤさんのおかげですからね。何か硬い物を噛むとイライラが解消されるようですよ。妊娠初期にイライラする人もいるらしいですから」
「……皆知ってんのな……」
「そりゃもう」
自覚がないのは俺だけか?レントの嫁になる。そう決めたけど、俺が何か変わる訳じゃない。俺の体の一部は変わったんだろうけど、基本は一緒だ。
帝国で「エリスリーヤ姫」をやってるよりクォンツで「王妃様」の方が楽かな?……でも、ただのリーヤでいる事は出来ないようだ。面倒くせぇな……。
皇帝の娘「エリスリーヤ姫」がクォンツ獣人国の王太子レントと婚約をする旨が発表された。
「おめでとうございます!姫様!」
「ありがとうございます、皆様」
見せ物パンダの治療院参りもあと少しで終了する事になる。この先は国からの支援で治療院には神官や医者などが派遣されるらしい。
流石に「エリスリーヤ姫」の奇跡のような治療は受けられないが、それが普通なんだと思い出して貰いたいものである。
「エリスリーヤ姫」が獣人に取られる!と暴動が懸念されたので、俺とレントが仲良くしている姿を民衆に見せる様に眼鏡からの指示が来ている。
「もっとくっついて!」
「嫌だし」
「エリスリーヤ姫と王太子レントは愛し合って結ばれたんです!余計な争いは嫌でしょう?」
「うぐっ」
こう言うのか面倒くさいんだよ。俺が何かしたら、誰かが傷つくとか。俺は頭が悪いから知らない何処かで誰かを傷つけているだろうな。今は眼鏡が上手くやってくれるから助かるけど。
「俺、お前と上手くやっていける気がしねぇ」
「はあ?!結婚式もまだなのにもうソレは早すぎるんだか?!」
ベタベタとくっつきながら小声でレントに怒られた。
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