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62 間違った認識
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「リーヤ!私、全身が痛いんです~!助けてぇ」
「フラン?!」
食堂に行こうとレントと並んで朝に歩いていると、フランが飛びついて来た。
「危ねぇ」
さっとレントが俺を抱き上げたので、フランは
「べぶっ!」
と、廊下の床とこんにちはだ。
「ふ、フラン……?!どうしたんだ?酔っ払ってるのか?!」
「いいえ?私は素面ですよ、リーヤ」
フランが床に突っ伏したまま笑った。あの貧民街でしばらく一緒に暮らしていた時の笑顔で。
「こう、色々あったじゃないですか。私がリーヤを泣かせて、その後拉致られて。帰ってきたら猫ちゃんのお嫁さんにされてるし、赤ちゃんが産める体になってるし!」
「誰が猫ちゃんだ!」
「貴方です、よっと!」
さっと立ち上がって、パチン!とレントの鼻先で手を打つと
「うっ!」
耳と髪の毛を立ててびっくり驚いている。あー猫っぽい!
「リーヤ、ごめんなさい。心配かけました。そしてありがとう、ついでに無理矢理押し倒してごめんね?」
は?!フラン、にこにこ物凄い笑顔で何言ってんの?!しかも今?!今なの?!俺がレントに抱き抱えられている今、この時にそんなこと言うの?!あとついでに腹減ってるから、朝飯食べたいんだけど?!
俺を支えている手にぎゅっと力が入った、やばい!
「今、なんつった……?」
ゆっくり、丁寧にレントは俺を下ろしてくれた。
「リーヤが可愛い頭の中身の持ち主なのを知っているのはレント、あなただけじゃ無いってことですよ。と、言うか大体知ってますね」
だ!誰が可愛い頭の中身だ?!人を阿呆扱いすんな!
「リーヤが可愛いのは頭だけじゃねーし!体とかすげー気持ち良いし!」
「知ってますけど?」
「は?!お前リーヤと寝たのか!」
「寝ましたけど?ちょーっと無理矢理だったけど」
「なにを?!」
「そういうレントだって相当無理矢理な上に騙したんでしょう?」
「うぐっ!」
え、何……?このくだらない言い争い……すげえ、だせぇ。
「リーヤ兄ちゃま、おはよー。ごはんいきましょ!」
「リュン!お前フランの所に泊まって来たって?」
リュンはむーっと眉を顰めて、俺は叱られる。
「いくらリーヤ兄ちゃまでも、せんさくしすぎだわ!」
いや待て、詮索するだろ?!男の部屋に泊まろうなんて10年早いわ!ライードがハリーに夜中に伝えにきてびっくりしたが
「おふたりとも泣き疲れて眠っていますので……との事でした」
ハリーからそんな伝言を受けたら、お願いします、としか言えない。フラン達の事だから、何の心配も要らないだろうけど……まあ、リュンは朝帰りしてきた訳だ。
「お馬鹿な男子は放っておいて、朝ご飯に行きましょう。リーヤ兄ちゃま」
「あ?う、うん」
いや、俺も男子なんだけどと言いたい様な気もしたが、リュンに従ってしまった。
「リュン、フランが元気になってるけれど、何か言ったのかい?」
言ったよ!と訳知り顔で語り出す。
「レン兄ちゃまは戦ってリーヤ兄ちゃまに認めて貰いたいのよ。でもフランちゃんは別にレン兄ちゃまの得意な分野で戦ってあげる必要はないのよ」
「へ?」
「レン兄ちゃまはお勉強は不得意だからねー。リュン知ってるわ、脳筋って言うんでしょう?フランちゃんは頭が良いから、眼鏡なのよね?」
え?フランは眼鏡かけてないよ??
「頭の良い人は眼鏡って言うのよね!」
えっ!違うよ?!
「フラン?!」
食堂に行こうとレントと並んで朝に歩いていると、フランが飛びついて来た。
「危ねぇ」
さっとレントが俺を抱き上げたので、フランは
「べぶっ!」
と、廊下の床とこんにちはだ。
「ふ、フラン……?!どうしたんだ?酔っ払ってるのか?!」
「いいえ?私は素面ですよ、リーヤ」
フランが床に突っ伏したまま笑った。あの貧民街でしばらく一緒に暮らしていた時の笑顔で。
「こう、色々あったじゃないですか。私がリーヤを泣かせて、その後拉致られて。帰ってきたら猫ちゃんのお嫁さんにされてるし、赤ちゃんが産める体になってるし!」
「誰が猫ちゃんだ!」
「貴方です、よっと!」
さっと立ち上がって、パチン!とレントの鼻先で手を打つと
「うっ!」
耳と髪の毛を立ててびっくり驚いている。あー猫っぽい!
「リーヤ、ごめんなさい。心配かけました。そしてありがとう、ついでに無理矢理押し倒してごめんね?」
は?!フラン、にこにこ物凄い笑顔で何言ってんの?!しかも今?!今なの?!俺がレントに抱き抱えられている今、この時にそんなこと言うの?!あとついでに腹減ってるから、朝飯食べたいんだけど?!
俺を支えている手にぎゅっと力が入った、やばい!
「今、なんつった……?」
ゆっくり、丁寧にレントは俺を下ろしてくれた。
「リーヤが可愛い頭の中身の持ち主なのを知っているのはレント、あなただけじゃ無いってことですよ。と、言うか大体知ってますね」
だ!誰が可愛い頭の中身だ?!人を阿呆扱いすんな!
「リーヤが可愛いのは頭だけじゃねーし!体とかすげー気持ち良いし!」
「知ってますけど?」
「は?!お前リーヤと寝たのか!」
「寝ましたけど?ちょーっと無理矢理だったけど」
「なにを?!」
「そういうレントだって相当無理矢理な上に騙したんでしょう?」
「うぐっ!」
え、何……?このくだらない言い争い……すげえ、だせぇ。
「リーヤ兄ちゃま、おはよー。ごはんいきましょ!」
「リュン!お前フランの所に泊まって来たって?」
リュンはむーっと眉を顰めて、俺は叱られる。
「いくらリーヤ兄ちゃまでも、せんさくしすぎだわ!」
いや待て、詮索するだろ?!男の部屋に泊まろうなんて10年早いわ!ライードがハリーに夜中に伝えにきてびっくりしたが
「おふたりとも泣き疲れて眠っていますので……との事でした」
ハリーからそんな伝言を受けたら、お願いします、としか言えない。フラン達の事だから、何の心配も要らないだろうけど……まあ、リュンは朝帰りしてきた訳だ。
「お馬鹿な男子は放っておいて、朝ご飯に行きましょう。リーヤ兄ちゃま」
「あ?う、うん」
いや、俺も男子なんだけどと言いたい様な気もしたが、リュンに従ってしまった。
「リュン、フランが元気になってるけれど、何か言ったのかい?」
言ったよ!と訳知り顔で語り出す。
「レン兄ちゃまは戦ってリーヤ兄ちゃまに認めて貰いたいのよ。でもフランちゃんは別にレン兄ちゃまの得意な分野で戦ってあげる必要はないのよ」
「へ?」
「レン兄ちゃまはお勉強は不得意だからねー。リュン知ってるわ、脳筋って言うんでしょう?フランちゃんは頭が良いから、眼鏡なのよね?」
え?フランは眼鏡かけてないよ??
「頭の良い人は眼鏡って言うのよね!」
えっ!違うよ?!
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